「一番予想不可能なのはダイバー」越智隆治といくフォトツアー@セブのジンベエザメ ~ワンポイント・フォトレッスン~

セブ島フォトツアー

第一グループ、2日目にして最終日の今日はオスロブのジンベエ撮影へ。
今話題のオスロブはマクタンからおよそ3時間半。
車移動の快適さも重要ですが、ブルーコーラルでは贅沢に4台で移動するので、ゆったりスペース。

セブ島フォトツアー

枕を持ち込んで睡眠不足を解消する越智カメラマン

ジンベエザメ特需で来るたびにお店の数が増えてにぎわうオスロブの港から、船に乗り込み、ジンベエポイントへ。

セブ島オスロブ、ジンベエザメポイントへ

港からおよそ5~10分、アウトリガーボートが集まる場所がジンベエザメのレストラン。
給仕はフィッシャーマン。

セブ島オスロブ、ジンベエザメポイント

すでに水面からジンベエザメが見えているのがおわかりでしょうか?

さあ、いよいよジンベエザメ撮影!
の前に、ここで越智カメラマンによるジンベエザメ撮影のワンポイント・フォトレッスン。

「写真家よりカメラマンと呼ばれた方がしっくりくる」という、報道出身の越智カメラマンが大事にしているのは、作品よりも臨場感。

ダイバーが自然に写り込んだ上で、構図を決めることが最も得意なカメラマンと言えるでしょう。
例えば、月刊「ダイバー」でも掲載されていたこの写真。

セブ島オスロブのジンベエザメ

上へ奥へ進むジンベエザメ、自然に潜るダイバーたちの配置は、上下左右360度のジンベエ狂想曲をよく表現しています。
さらに、モデルさんを据えることで、楽しい雰囲気に思わず感情移入しています。
そして、何より、被写体が重なることなく、画面の中で整理・配置されています。

この時、越智カメラマンは何を考えていたのでしょうか?

「臨場感を出すためには、自然な状態で撮影しつつ構図を決めなければならない。
だから、一番大事なのは生き物たちがどう動くのか予想して、先回りすることかな。
ジンベエザメも同じ。でも、実は一番予測不可能なことをするのがダイバーなんだけど」

そんなダイバーの動きを予測するには、一人ひとりのパーソナリティを把握することが大事だと越智は言います。
あれやこれや打ち合わせすることなくサラッと潜っているように見える越智ですが、水中はもちろん、陸上でよく人間観察をしていて、ダイバーがどうやって動くかを予測して撮影ポジションに先回りするのだそうです。

おもしろい一例を紹介すると、クジラ撮影で、皆クジラを撮影するために追いかけようとしたときのこと。
越智が「ここで待っていればくるよ」と皆をストップ。

というのも、クジラの進む先に、ファインダーの中だけに夢中なダイバーがいたので、「あ、たぶん突っ込むんだろうな」と予想していたから。
案の定、そのダイバーが突っ込んだので、クジラはUターンして戻ってきました。
皆は、マジックのように感じましたが、これも人間観察のたまもの。
というより、越智にとって、クジラもマナティーも人間もただの水中生物なのかもしれません。

越智カメラマンの話を聞いていると、被写体に夢中になることもなく、サッカーの司令塔のように、状況を常に俯瞰しているように思えます。
点を取るより、自分の想像通りに試合が進むことに喜びを感じるタイプといった感じ。

なので、例えば誰かが群れに突っ込んで散らしてしまっても、撮影でイライラすることはまったくなく、「あ、予想が外れたなって思うだけ。状況を把握したら、後はその範囲で最善を尽くすだけだから。逆に、一般的には非難されるようなダイバーの行動でも、逆手にとって撮影すると、想像以上の写真になることもあるよ」

とは言いつつも、依頼によっては、報道的な臨場感より、作品的・雑誌的な写真を撮ることも。
例えば、今回撮影したこれ。

セブ島オスロブのジンベエザメ

モデルと息を合わせてタイミングぴったり。
さらに、編集者的にはタイトルやキャッチコピーを入れやすいスペースをしっかり取ってあるのは嬉しい限りです。
「これ、雑誌の表紙に使えるかも」とは本人の便。

さらに、最近流行りの手乗りジンベエザメなんて撮影も。

セブ島オスロブの手乗りジンベエザメ

「ジンベエザメとの遠近を活かした写真だけど、自分の手で撮影する方が簡単だよ」とのことです。

流れもあり、透明度もあまりよくないというコンディションでしたが、皆さん、夢中でジンベエザメを追いかける1本となりました。

ジンベエスイムの後は、フィリピンを代表するポイント、スミロン島へ。
いかにも南国らしいこの島を目の前にすれば、自然と写真タイム。

フィリピンのスミロン島

でも、せっかくの南島なのに、皆で真剣に撮影したのは空中浮遊(笑)。
何だか、ブームが巻き起こっているようです。

フィリピンのスミロン島

マクタンに戻ってからは、食事を兼ねてフォトレッスン。
今日撮影した写真をその場で越智がアドバイスしてくれるので、きっと上達も早いでしょう。

越智隆治によるフォトレッスン

偶然にも300本記念が2人いたので、ケーキでお祝い。

越智隆治によるフォトレッスン

そして、最終日に行なわれるオーシャナ読者による人気投票の前に、越智が選ぶ、今回のグループでの1~3位の発表!

越智隆治によるセブ島フォトツアー

1位は吉野さん!作品は最終日の応募作品でもあるので、そちらに掲載します

ということで、本当にあっという間の2日間。
1グループの皆さん、ありがとうございました!

越智隆治によるセブ島フォトツアー

あ、ちなみに、あまりの強行軍に、越智は今、乙な感じです(笑)。

※11/21(水)18:00頃〜、フォトコンのリアルタイム投票を大募集!
ポチっとするだけで、賞品が当たる可能性があるので、よろしくお願いします。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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