宮古島は陸も海も“牛さん”でキマリ!? ~春から初夏のオススメ地形ダイビングポイント~
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宮古島の「アントニオ・ガウディ」や「通り池」、「魔王の宮殿」などは、地形好きのダイバーならきっと名前くらいは知っているかと思いますが、実はそれらのダイビングポイントがシーズンを迎えるのは、秋口。
梅雨以降のこの時期(春あたり)は、それらのポイントがある下地島方面は風向きの関係で船がつけられないので、基本的には潜れないことが多いのです。
それならばと、宮古島をオールラウンドに移動する機動力がウリのfish a go goの佐瀬さんに「どこか面白いところに連れて行ってください!」と、半ば無茶ブリのようにしてお願いしてみると……連れてこられたのは、“牛さんシリーズ”が並ぶ南のエリア。
え、牛!?
そう、あの霜降りがよだれを誘う、あの牛です。
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これはテニアンにて撮影した牛です
ポイントの種類は「牛さんありがとう」「牛さんこわいよ」「牛さんこれでもか」「牛さん遠くでこんにちは」の4つ。
ポイント近くの丘の上に牛の大きな置物(銅像?)があったことから牛さんシリーズが誕生したのだとか。
宮古島の南に位置する牛さんシリーズは、風が味方をしてくれれば、この時期に潜れる、とりあえず出だしのインパクトとネーミングセンスは抜群のポイントです(笑)。
今回は、「“こわいよ”からの“ありがとう”」ルートで潜ることにしました。
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fish a go goホームページより。ポイントが近いので、レベルや残圧などによって一緒に潜ることができます
こわいのは、地形?残圧?
DECO?それとも…
牛さんシリーズは基本的にはすべて洞窟。
“こわいよ”から入った時は、正直どこが怖いんだろう? と思ったのですが、進めど進めど出口がなく、だんだんと人一人が入れる程へと道も細くなり、残圧は減っていき、無減圧潜水時間も気になりだし……、これが怖い理由か!? と思っていたら、とどめは太陽の光の届かない、まるでセノーテを彷彿させるような真っ暗闇な地形になっていき……。
なめてかかってすいません、牛さん、いろいろな怖い要素が重なって、やはりちょっぴり怖かったです。
聞けば、ポイント名の由来も、発見した人がこれと同じ思いをしたからなのだとか。
ダイレクトに名前つけすぎですね(笑)
しかし、アドベンチャー感満載のこのポイント、一度潜ればハマル人続出は間違いなしです。
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全然ありがたくなかった、
「牛さんありがとう」
「牛さんこわいよ」を抜けて、残圧と減圧が問題ない状況だったので、そのまま続けて“牛さんありがとう”へ。
“こわいよ”の真っ暗闇を進んだあとだったので“ありがとう”の光を見るとほっとするのですが、それも束の間。
初めてのポイントだけあって、“ありがとう”がどのくらいの距離があるのかがわからず、途中からは景色よりもダイブコンピューターと残圧計に視線が集中してしまいました。
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撮影に気を取られているとあっという間に時間がすぎるので、続けていく場合には要注意です
ありがとう洞窟を抜け、安全停止をしていると佐瀬さんがスレートを見せてきました。
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「あんまりありがたく感じない、ありがとうだったね~減圧と残圧的に」と書かれていました(笑)
確かに、“こわいよ”をフルコースで潜った後だったので、残圧的にはあまりありがたくなかったですが(笑)、それでもあの光の景色を見られたのは、やはり“ありがとう”なのかもしれません。
牛さんこわいよと併せて、地形好きには、超必見の隠れ宮古島ポイントです!
【おまけ】
あなたはどっちの牛さん?
牛さんシリーズは、アフターダイビングまで続きます。
■宮古牛
甘みが詰まりに詰まった、宮古島が誇る宮古牛か――、それとも
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有名人も数多く通う「権兵衛」の宮古牛
■うしさんありがとう牛乳
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私はどうしても、「牛さんアイス」と勘違いしてしまうのですが、きっと次に宮古島に来る時には牛さんアイスもできていると信じています
ダイビングポイントと同じネーミングの「牛さんありがとう牛乳」か――。
アフターダイビング、みなさんは、どっちの牛さんが好みですか!?
■撮影:中村卓哉
この海を案内してくれたのは……
Fish a go go
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優しい笑顔の素敵な佐瀬さんご夫婦が運営するダイビングショップ。
宮古島をオールラウンドにまわるのが特徴で、その日一番良い海に連れて行ってくれる。
船の名前は料理上手な奥さんの名前を取った「さちこ食堂」。
取材中は、ガパオにマグロのづけ丼に、手作りのプリン(マンゴーソースも手作り!)。
サラダのドレッシングだって作っちゃうほど。宮古島に行ったらさちこ食堂の船上ランチも、ぜひ楽しんで。