Suunto Vertical Blue 2017(第3回)

Vertical Blue 世界最高峰の大会、いよいよラストスパート! 女王は誰に?! 経過レポート&選手インタビュー

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中米バハマ・ロングアイランドのDean’s blue hole(ディーンズブルーホール)にて現在開催中のフリーダイビング国際大会Suunto VerticalBlue2017(2017/4/30〜5/10)。

12日間のうち9日にわたり大会が開催される長丁場の本大会、いよいよ前半7回の競技日が終了、残すところあと2日となりました。

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DAY1〜DAY6までの前半2クール、そして後半初日のDAY7で、多くのNational Recoredが輩出されました。また、ここまででCWTでのWorld Record世界記録が2つ。

「世界最深」記録が男女ともに塗り替えられるという、フリーダイビング史上でも記念すべき大会となっています。

世界王者&女王が誕生!

DAY3(5/2)、ロシアのAlexey Molchanov(アレクセイ・モルチャノバ)選手がCWTで水深129mを成功。

2013年の自身が達成した世界記録128mを塗り替えました。

2016年10月、自身が達成した世界記録129mタイを達成しました。
※2017年5月11日訂正

そしてDAY4(5/6)、イタリアの Alessia Zecchini(アレッシア・ゼッチーニ)選手がCWTで遂に-102mに成功、6年ぶりに、故ナタリア・モルチャノバ選手の記録を塗り替えました!

彼女は今大会3回のレッドカードを乗り越えての世界記録達成。
底知れぬ精神力の持ち主でもあり、残りの競技日程での活躍も期待されます。

<映像:アレッシアCWT102m>

第2クールまでの日本人選手の活躍と、ラスト2日へのコメント

日本人選手のここまでの経過、および、ラスト2日に向けたコメントです。

岡本美鈴

ここまでの経過:
CWT88m、91mと着実にホワイトを積み上げ、自己ベスト92m(かつての日本記録)に近づいた。深度だけでなく、その安定感のある美しいダイビングには世界からも賞賛の声が上がっている。

コメント:
スタイルを変えた潜り方がやっと安定してきました。周囲に比べてゆっくりペースですが、後半は水圧と身体の様子をみながら自己ベストを目指します。同宿のみなさん、応援ご支援下さる皆さまに心から感謝しています。残りの競技を心から楽しんで全力を尽したいと思います!

競技成功し、笑顔の岡本選手

競技成功し、笑顔の岡本選手

木下紗佑里

ここまでの経過:
初日にCNF68mを達成(自身の持つ世界記録71mまであと3m)、FIMで日本記録83mを達成、その後、CWTで自身の公式記録を8m塗り替える96m(日本歴代2位)を達成。オールマイティに安定した好記録を出し総合優勝への期待が高まる。

コメント:
まずは4年連続で初日cnfを成功させることができてとても嬉しいです。いつも最初のダイブは特別に緊張するのですが、今回もその緊張を花ちゃんがそばで打ち砕いてくれたので、とても気持ち良いダイブができました。いろんなスタイルの選手がいて、大会って本当に楽しいなと改めて感じ、毎日ワクワクして過ごしています!その楽しい雰囲気の中で私もFIM,CNFをとっても心地よく潜り、自己ベストを更新することができました!現時点で暫定総合1位なので、このまま優勝を目指して記録を更新していきたいと思っています!残り2本のダイブはCWTでどこまでいけるか挑戦してきます!
FBのライブ中継で視聴者さんからのコメントやイイネがとても嬉しいです。残り3日、日本は夜中ですが、ここバハマでの盛り上がりを一緒に味わって下さい‼️

廣瀬花子

ここまでの経過:
CWT90m,95m,と5m刻みで順調に深度を伸ばし、遂にday5では女子史上2人目となる、日本記録100mを達成した。このあと狙うのは世界記録のみ。

コメント:
この最高の環境で毎日大好きなフリーダイビングのための生活に100%の力を注いで過ごせています。そのおかげで競技3日目は自己ベスト100mの深度まで潜ることができました!日本からのみなさんのライブ観戦、応援が本当に力になります!引き続き、楽しんで見ていてくれると嬉しいです!

いつも仲良しなトップ2選手、廣瀬花子選手(左)、木下紗佑里選手(右)

いつも仲良しなトップ2選手、廣瀬花子選手(左)、木下紗佑里選手(右)

福田朋夏

福田朋夏選手は、残念ながら競技途中で、耳の不調のために競技欠場となりました。

この大会に向け世界中でトレーニングを重ね、世界記録射程圏内の実力を十分に持つ福田選手。

途中欠場はどれほど無念だったか、想像するだけでも胸が痛みますが、彼女の勇気ある決断にエールを送りたいと思います。
まずはゆっくり休養してくださいね。

福田選手のブログ

また、注目されている女子の人魚ジャパン以外に唯一日本人男子選手として出場している原哲雄選手も、現地で大活躍をしています。

普段は日本でバリバリのビジネスマンでありながらの大会出場をするスーパーマン。
残り2日の活躍を楽しみにしています!

原哲雄選手

ここまでの経過:
現地入りが大会開始直前となり、調整ののち、DAY4からの参戦。CWT83m(自己ベスト85m)、FIM80m(日本歴代2位)を達成。

コメント:
バハマの大会は今回で4回目の参戦になりますが、5月開催になってからは初の参加になります。シーズンインしたばかりの時期で他の選手の様にフィリピンなどで事前のディープ練習をすることが出来ず、かなりぶっつけ本番的な参加と言わざるを得ません。バハマに来てから徐々に深度を伸ばし、Day 5の参戦で漸くCWT-83mまで伸ばすことが出来ました。耳抜きのテクニックなどを思い出しながらのダイブで気持ち的にはまだ練習の延長線上にあります。Day 6は前日の疲れもあったのでFIM-80m (PB)に挑戦。バハマに来て80m台は2回潜っているのと、流れもない安定した環境なので、問題なくクリアできました。残り3日間はCWTの自己ベスト-85mを伸ばすことに集中したいと思います。

原選手のブログ

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最終クールを応援しよう!
フリーダイビング大会の観戦豆知識

「観客が多いというのが一番の感想。一般の観客も多いが、韓国のフリーダイバーなどいつもプラットフォーム近くにいて声援を送っている。ブルーホールはこれまでの大会より少し賑やかな感じがする」
(コーチとして現地入りしている岡本耕輔氏)

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十周年を迎えるこの大会は島でも有名なイベントになりました。地元の子供達も応援に駆けつけます。
現地に駆けつけることはできなくても、ネット経由でぜひ、大会を応援しましょう!

日本からのメッセージやコメントが、選手の元気の素にもなっています!

◎応援の仕方
以下のページから大会リアルタイム結果が確認出来ます。
「スタートリスト」をもとに、観戦します。

◆公式サイト
Suunto verticalblue 2017
申告&リザルト、ほぼリアルタイム更新されます。

◆公式Facebook
https://www.facebook.com/verticalblue
ライブ動画、写真付きで情報が上がります。

<スタートリストの見方>
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※左から
Top Time ⇒潜行開始時間(この2分前からカウントが入ります)日本時間は-13時間。
Athlete⇒選手名、国籍
Discipline⇒種目名(CWT、FIM、CNFの3種目)※
Announced depth⇒申告深度(この深度にロープがセットされ、これ以上深くは潜れない)
Announced dive time⇒申告時間(潜行時間の目安。判定には関係ないがトップ選手ほどこれがとても正確なことが多い)
Record attempt?⇒ WはWorldRecord(世界記録)NはNationalRecord(国内記録)

※種目毎の競技説明はこちら

■スケジュール
DAY8 5/9(火)
DAY9 5/10(水)

日本との時差は-13時間。現地で競技が午前9時〜13時に開始される場合、日本では同日22時〜翌午前2時となります。

なお、大会のアーカイブ情報は、競技会場で実況アナウンスも行っているFrancesca Koe により、ダイビング情報サイトDeeperblueに日々大会レポートが上げられています。
記録だけでなく、選手一人一人への洞察も素晴らしいレポート、ぜひご覧下さい! (英語のみ)
https://www.deeperblue.com/tag/vb2017/

それでは残り2日、選手のみなさん、応援しています!!

(Text/フリーダイバー・武藤由紀)
(Photo/ Locksley Cartwright, Kosuke Okamoto, Tetsuo Hara他)

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PROFILE
Apnea AcademyAsiaフリーダイビングインストラクター。 2015年フリーダイビング日本代表選手。CWT(フィンをつけて潜る競技)では水深-60mの公式記録を有する。オーシャナ主催のスキンダイビング講習会ではメイン・インストラクターをつとめる。また、自ら主催するフリーダイビング&スキンダイビングサークル「リトル・ブルー」や地元葉山での素潜りを通じ、素潜りや水の世界の素晴らしさを伝える活動をしている。
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