2011年トンガホエールスイムweek2 day1(day6) 2組の親子。傷ついた子クジラ

南西からの風がかなり強い。晴れているのがせめてもの救い。これでは,どんなに大きなボートでも西のリーフは探すのは困難だ。
先に出たノンジャパニーズグループを載せたプロティウスも内側でクジラを探しているようだったし、他のボートも同様に、風裏になるチャネルやフンガ島の外側、ノースベイに集中していた。
特に小さなフルークでは、行ける範囲が制限される。チャネルを北から南まで移動したところで、トニーから、さらに内側のマラ島の周辺で傷ついた子クジラがいると連絡を受ける。
どうやってそこまで戻るかスキッパーのイッカと思案した結果、今まで通ってきたチャネルを戻った方がまだマシという判断で、戻ることにした。それでも、途中で相当に波を被ることにはなったけど。
到着すると、親子を発見。プロティウスはもう、他のクジラを探しに移動したので、姿は無かった。
このエリアはルールで海に入っては行けない事になっている。僕らはしばらく親子が移動するのを眺めていた。確かに、子クジラの背中は、サメかあるいは他の海洋ほ乳類に襲われたのか、傷だらけで、痛々しかった。徐々に入水禁止エリアの出口に近づき、最後には外に出たので、エントリーしてみることにした。
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先ほどのところよりも透明度も高い。止まる気配は無かったので、親子の前に落としてもらい、何度か撮影をした。海面上に出る背びれを撮影していると、とても痛々しく感じたのだけど、水中ではあまりはっきり確認できなかったこともあるけど、傷が新しい割には、元気そうに泳いでいるので、少し安心した。
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他のボート無線からは、「フルークがサメの着いている親子と泳いでいるみたいだぜ!」と言う声が聞こえてきていたけど、その親子の周囲にはサメの姿はまったく無かった。
ノースベイまで移動した後は、親子と離れて、またフンガ島の方へ引き返した。チャンルの内側と外側でそれぞれ1組づつ、泳げる親子がいて、順番待ちをしていると無線が入っていた。内側はすでに5隻くらい順番待ちしているらしいので、外洋側の親子の方に行ってみた。
しかし、すでに穏やかなエリアから、荒れたエリアへと移動しているようだったので、またフンガの外洋側を戻ってチャネルに入る。そこで、しばらく他のボートが泳ぎ終わるのを待っていた。
最後のボートが終了して、残りは僕らだけになった。出発も遅いので、戻るのも遅い僕らは,後の順番を気にしないでクジラと泳ぐことができた。1週目の最終日(day5)に遭遇した親子だった。落ち着いているのだけど、正面に回り込もうとすると、母親が嫌がる。
僕らは側面から撮影をすることにした。そうすると、親子も落ち着いて、しばらく動かずにいてくれた。
母親の頭の上で、リラックスして休む子クジラの姿がとても可愛らしかった。
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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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