謹賀新年! 2014年を振り返りつつ、2015年オーシャナの5つの抱負

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あけましておめでとうございます。

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2015年一発目の写真はハナダイ。
昨年は辰年ということでピグミーシーホースが活躍していましたが、羊にまつわる魚といえば、“Sheep Head Fish” という人間のような歯が生えた気持ち悪い魚しか見つからなかったので、“魚”に“羊”を足して……

鮮やかな魚ということで、個人的に真っ先に浮かんだのがハナダイでした。
世界中の海で見られるポピュラーな魚ですが、根の周りで爆発するシーンは、見ているだけで気持ちがよく、大好きです。
2015年も鮮やかなシーンの中、気持ちよく潜りたいものです。

バリのダイビング事故記事が上位を独占した2014年

毎年、人気の記事ランキングなどをやっているのですが、今年はやりません。
なぜかといえば、上位がバリのダイビング漂流事故関連の記事で埋まってしまうからです……。

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奇しくも昨年のこの時期に抱負として上げたのが、“ダイビング事故情報の充実”。

そういう意味では、この事故をいち早くお伝えしつづけたことはある種の役割を果たせたとは思います。
また、DAN JAPANのご協力により、事故レポートを充実させるなど、事故には注目してきました。

しかし、一方でやりたいことの半分もできなかったという気持ちもありますし、バリの事故については、まだ終わっていないと思っています。

結局、あれだけ注目された事故を、ダイビング界として何も形にできていない状態、というのが僕の認識です。

尊敬するダイバーの「皆の熱が冷めてから、きちんと検証した方がよい」という言葉に深く納得し、1年が経ったあたりで、しっかり形にしたいと思っています。

まず、皆さんからお預かりしているお金は、お伝えしていた通り、NPOという形で有効に運用するべく動いていますので、発表まで、もう少しだけ時間をください。

また、人気記事の上位には震災関連もまだまだランクインしていることを考えると、オーシャナに求められている役割の大きなひとつが、事故や災害関連だということもよくわかりました。

NPOは日本財団からの助成金も受けることになりました。
今までも、「思いやアイデアがあっても金がない」という悲しき現実の前にコストがかけられなかった事故検証や災害時の活動に少しでも活かせればと考えています。

一般ダイバーはもちろん、ダイビング界の皆さまにも、このNPOを良い意味で活用していただければと考え、今、態勢作りをしています。

セルフダイビングの土壌を作りたい

昨年、もうひとつキーワードとして挙げたのが“セルフダイビング”。

Cカード取得後のバディ潜水(撮影:越智隆治)

実際、2014年は、ダイバー側からも、ダイビング業界側からも徐々に需要は高まっているように感じました。

オーシャナがセルフダイビングについての記事を他メディアより多く取り上げることもありますが、「どこに行けばできるの?」「どうやってやるの?」とよく聞かれます。
つまり、興味はあってもできる場所、方法がないということです。

先日行ったアンケートでも、「セルフダイビングをなぜやったことがないのか?」と聞いてみると、やりたくないわけではなく、“やってみたいけど”、自信がない、機会がない、バディがいない、という結果でした。

ダイビング業界側も、伸びないダイバー数に対して、選択肢の提供、コストを下げる、リスクを下げる、といった点でセルフダイビングに注目しています。

2015年、セルフダイビングについては、ダイビング界の皆さんと協力しつつ、オーシャナでも土壌を作るべく取り組んでいきますので、ぜひ注目していてください。

初めて友人とセルフダイビングをした時、“海と主体的に遊んでいる”実感を得ました。

先輩にくっつき気軽に潜っていた海の怖さを知ると同時に、生きて帰って来ることの充実感、自分で生物を探し出した喜びなど、何物にも得難い感動があり、ぜひチャレンジして欲しいという、単純な思いが前提なんですけどね。

2015年オーシャナの抱負まとめ

2014年でも感じたのは、ダイバーたちの“出会い”“交流”の需要。

実際、オーシャナが開催する企画でも、ダイバーが交流できる企画は人気が高いです。
2015年は、一層メディアの枠を飛び出して、海での交流だけでなく、陸でダイバーが集まれるイベントや企画がもっとやっていきたいと思います。
外国人ダイバーとの交流、フォト派仲間の交流、一緒に潜りにいきたいビギナーの交流……etc.
考えるだけで楽しそう。

また、スクーバだけでなく、もっと海と手軽に遊べるスノーケリングやスキンダイビングにも力を入れていきたいです。

実際、スノーケリング、スキンダイビングの講習は多くの方に利用していただいており、イルカやクジラなど、越智カメラマンが手掛けるスペシャルトリップも、海獣と泳ぐ機会、新しい海との出会いの窓口になっています。

初めての海遊びとしてのスノーケリングから、究極体験のクジラと泳ぐところまで、3点セットで海と遊ぶ可能性も引き続き追求していきます。

記事では、事故やノウハウ関連の記事以外でよく読んでいただける記事の傾向として新しく気づいたのは、物語と海外情報。
面白いダイバーや海に関連する人の物語を掘り下げる記事や海外ニュースや外国人ダイバーの記事も増やしていきたいと思います。

まとめると、2015年オーシャナが取り組むことは以下の5つとなります。

  • ダイビング事故関連の情報を充実させる(NPOと連動して)
  • セルフダイビングの土壌を作る
  • ダイバーの交流の場を増やす
  • スノーケラー・スキンダイバーへのメニューを充実させる
  • インタビュー、海外ニュース記事を充実させる

こうしてみると、昨年とかぶるものも多く、そこそこやれた2014年ではあったけど、どれも道半ばで2015年はさらに強化ってところでしょうか。
どれも、1年でパッとできるものでもないと思っていますが……。

2015年もいろいろな人の助けを借りつつ、海を愛する人々が安全に楽しく遊べる助けになれば幸いです。
今年もよろしくお願いします。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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