【屋久島】アカテンモチノウオの寝床 by 原崎森

【ポイント】 一湊タンク下No.2/一湊タンク下No.1
【水温】 22.0℃/22.0℃
【透明度】 10m〜
【海況】 凪ぎ
【天候】 くもり
【潜水時間帯】 14:07-15:05/15:53-17:20
【潮まわり】 07:46 206cm 満潮 / 13:26 101cm 干潮 / 18:50 211cm 満潮 / 大潮(月齢:15.9)
【日の出・日の入】 日出07:04 日没17:17

ベラリストKさんの3日目。。。
Kさんは毎回リクエストのベラ・リスト(撮りたいベラの種名だけでなく雌雄・成長ステージを記したもの)を事前に送ってくれるのでガイドはしやすいのだが、残っているのが撮りにくい大型のベラ類が多く、今回の海況はちょっとキツイ。。。
なぜなら大型のベラはガンガン逃げる上に、ある程度距離を置いて撮らないとならないので当然、透明度が良く、明るい方がいいのだ。
でも、今日も浅場はかなりの濁り。。。(・_・;

沖に出るとそれなりにクリアーにはなるので、まずはゼロ戦付近の砂地へ。

1IMG 5656 300x199 アカテンモチノウオの寝床

ハゲヒラベラの幼魚

2IMG 5588 300x199 アカテンモチノウオの寝床

ハゲヒラベラの成魚


砂地ではハゲヒラベラの産卵が見られた。
雌雄はしばらくもつれ合ったのちに、2mくらい上昇して放卵放精した。
時間は14:20くらい。
まだ産卵をしているとは思わなかったのでちょっとビックリした。

3IMG 5598 300x199 アカテンモチノウオの寝床

ホシテンスの黒化個体

この砂地には昔「クロテンス」と呼ばれていたテンスの仲間(現在はホシテンスに分類されてる)が沢山見られる。
ゼロ戦から一番近いところで見られるクロテンスは真っ黒いまま、ずっと20cmくらいの状態が続いていたのだが、なんかちょっとでかくなってきた気がしていたのだが、実際に写真に撮ってみると背中に黒い点が入り始め、全体的に真っ黒とは言えないような状態になっていた。
これ、本当にこのまま白っぽいホシテンスの成魚になるのかな。。。?(・_・;

4IMG 5581 300x199 アカテンモチノウオの寝床

イトベラ

砂地にはキスジキュウセンがそこら中で見られるのだが、今年はそこに屋久島では決して多くは見られないイトベラが2匹混じっている。
多くの時化を経てもまだ生きていて、今日も元気に泳ぎ回っていた。
成魚にならねーかな〜

今日は午後から2本だったので、2本目はもう半分ナイトのような状態。。。(^^;)
狙いはリクエストのリスト中にあるアカテンモチノウオ老成魚やホホシジモチノウオ老成魚、ミツバモチノウオ若魚〜成魚など大きなニセモチノウオの仲間なのだが、この辺は屋久島にはメチャ多いのだけど、何しろ撮りにくいため、Kさんもこれまでの屋久島では全然撮れなかった。
今回はマンツーマンなので、アシストしてバッチリ撮ってもらいたいと思っているのだけど、濁りと暗さでちょっと自信が。。。(ーー;)

6IMG 5690 300x199 アカテンモチノウオの寝床

アカテンモチノウオの成魚メス

しかし、上がる直前に何とも撮りやすいアカテンモチノウオの成魚がいてくれた!!
老成ではないのが残念だが、30cm以上はありそうな立派な成魚。
しかも、いつもはスグに逃げるか、岩穴の中にスーと入ってしまうのだが、目の前でガンガンとヒレを拡げてくれ、ある場所からまったく逃げない!!
逃げてもまたその場所に戻ってくるので、何かおかしいなぁ。。。と思っていたら、しばらくするとそのまったく離れようとしない場所の岩にピタッと逆立ち状態に魚体を寝かせ静止してしまった。。。
完全に岩と同化した状態でまったく動かないのだが、これってもしかして寝た???(笑)

7IMG 5560 300x199 アカテンモチノウオの寝床

ミツバモチノウオの成魚オス

ミツバモチノウオの成魚オスは厳しかった。。。
一湊タンク下にも2匹ぐらい80cm以上はありそうな立派な老成オスが棲んでいるのだが、こいつは警戒心が強すぎて全然寄れない。
撮れても必ず後ろ姿。。。
でも、あとで写真を見せてもらったら、前向きの子が写っていたので、「今日はバッチリじゃないですか〜!!!」とKさんに言ったら、横位置じゃなきゃダメらしい。。。(-o-;
何とかして、こいつをバッチリ撮る方法はないかなぁ。。。と考え、思いついたのがアカテンモチノウオみたいに寝ている子を探せば良いのでは?と思い、最後の数分は寝ているミツバモチノウオ探し。。。(笑)
結局は見つからなかったのだが、あの巨体。。。いったい、どこで寝てるんだろ?(ーΩー )ウゥーン

5IMG 5640 300x199 アカテンモチノウオの寝床

ムナテンベラの成魚オス

一昨日、元浦でムナテンベラの若魚オスを撮ったのだが、今日は巨大な成魚を撮ってもらった。
昨日、何気にそのKさんのベラ図鑑の写真入り原稿を見ていたら、普通種・ムナテンベラのオスとして青い成魚が載っていたので(伊豆諸島、紀伊半島、四国などではこれが成魚オス)、こりゃ灰色の「本当の」成魚オスを見せねば!!と思い、密かに探していたのだが、Kさん自分で見つけてた。。。(笑)
でも、かなり興奮していて「何じゃこりゃー!!!」と驚いていた。
地味ぃ〜で沢山いるムナテンベラの「本当の」成魚オスに興奮できる人もめったにいない。(笑)

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PROFILE
世界遺産の島・屋久島の海をほぼ毎日潜っているショップ「森と海」のブログ。そのオーナーガイド原崎森(しげる)さんは水中写真とフィッシュウォッチング(生態観察)において日本でも有数の、まさにスーパーガイド。また、的確な思考力・文章力にも定評がある。
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