Q.生物の多様性って何ですか?

ダイビング歴45年・やどかり仙人のアップアップ相談室


Q.
今年は「生物の多様性年」といわれていますが、どういう意味なんでしょうか?

A.
生物多様性とはこれまた難題。困った。
そんなコタあ、ダーウィンにでも聞いてくれといいたい。

本来の生物の多様性という言葉は、
バクテリアのような単細胞生物から脊椎動物のような複雑な動物まで、
それぞれに生物として存在する意味があり、互いに依存し生きているという、
エコロジーの背景にある根本思想みたいなものとしかいいようがない。

これじゃ圧倒的に説明不足かな。
ホモサピエンスが生き、ヤドカリも生きる地球の、完新世というこの時代は、
もっとも生物が多様といわれているものの、
その種の数は、200万から1億種といろいろな説がある。
学者先生方、生物多様性なんていうわりには、
種の数すら分からないのが本当のところらしい。

チャールズ・ダーウィンが種の起源を書いたのが1858年。
欧米の列強は世界中の植民地からから生物標本をかき集めて、
博物館や植物園を作っていた時代。
生物の多様性に初めて気がついた時代といえそう。

それからわずか150年。

現在の生物の多様性という言葉が声高に叫ばれるのは、
人間が環境に影響を与えすぎて、
種の減少を加速させているということに気がついたから。
生物多様性Biodiversityって言葉を広めたウイルソンとやらの学者さんは、
この100年間で、地球の半分の種が絶滅すると、
チョー悲観的なご意見を述べておられる。
毎年14万種が消えるという説も。

和尚のごときナマグサ坊主は、あと50年ぐらい生きそうなので、
生物種半減のプロセスを半分ぐらいは見られる計算。
わたしゃ先におさらばの身なんで、壊れる地球の姿は見ないですみそう。
なんてシニカルぶっていると和尚に怒られそうなので、
次回、生物多様性の課題と克服について考えてみるとしましょうか。

■その②生物多様性の否定が人類に歴史!?
http://diving-commu.jp/divingspirit/item_3542.html
■その③地球がサルの惑星になる!?
http://diving-commu.jp/divingspirit/item_3543.html

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PROFILE
1964年にダイビングを始め、インストラクター制度の導入に務めるなど、PADIナンバー“伝説の2桁”を誇るダイビング界の生き字引。
インストラクターをやめ、マスコミを定年退職した今は、ギターとB級グルメが楽しみの日々。
つねづね自由に住居を脱ぎかえるヤドカリの地味・自由さにあこがれる。
ダイコンよりテーブル、マンタよりホンダワラの中のメバルが好き。
本名の唐沢嘉昭で、ダイビングマニュアルをはじめ、ダイビング関連の訳書多数。
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