【甲浦】シロボシテンジクも春! by 福井宣博
桜も満開となり春爛漫の様相が増してきました。
海を見渡してもやや緑がかりこちらも春の海真っ盛りという感じです。
私の不注意で左足首を骨折し手術、入院、リハビリを経て
本日(4月5日)約2ヶ月半ぶりに潜りました。
まだ完全復調ではありませんが
GWに向けて良いガイド&サービスが出来るよう頑張りますので
応援よろしくお願いします。
(ちなみにバイオフィンを使っていますが
足に負担もかからずリハビリにはもってこい!
フルフットタイプなのでしっくりきていいですよ。販売終了が残念です)
さて4月の海ですがボート上やビーチからはウオッチしていましたが
水中は例年海藻の生え方と大きく異なります。
この時期水面付近はアントクメという海藻が生い茂げり
珊瑚礁域ではフクロノリと呼ばれる海藻で覆い尽くされます。
ところが今年はその生育が悪く所々にしか見られません。
これは冬場の水温が低かったのが原因と思われます。
海藻の胞子は冬から春にかけて放出され岩などについて発芽しますが、
今年の冬は例年になく黒潮が接岸傾向で放出された胞子が沿岸部より離れ
着底出来なかったか高水温で発芽できなかった可能性があるようです。
とはいえ珊瑚礁の面積は狭まり
フクロノリがその上を覆う春ながらの光景は所々見ることができます。
水温が高いおかげで季節来遊魚も多く越冬し
魚影が濃いのも例年にない特徴です。
フウライチョウチョウウオ、ツノハタタテダイ、クロユリハゼなどは
2月頃から姿が見えなくなるのですが今日も元気に泳ぐ姿が見られました。
甲浦の海はサンゴ礁の海のはずが海藻の海になってしまったとは
キツネに包まれたような気分になっているのかも知れません。
春の使者シロボシテンジクザメ雌雄2個体の姿を見ることができました。
例年ですと最初にメスの姿から確認されますが
早くも雄の姿が見られたのは
すでに沢山の鮫たちがやってきている可能性もあります。
今日は同じ穴の中で寄り添うように隠れていたので
もしかしたら近々交尾などネイチャーシーンに遭遇できるかも知れません。
早い時期に産卵も始まる可能性もあるかもと期待しています。
これから徐々に気温、水温ともあがり
心地よいダイビングを楽しめるのではないでしょうか。ご期待下さい。
※この記事は、mixiのコミュニティ「現地プレス」に掲載されていたものを転載させていただいています。
こちらのコミュニティも併せてご覧ください。
PROFILE
福井宣博
Norihiro Fukui
ノリさんの通称で親しまれている人気インストラクター&ガイド。
徳島県宍喰町出身で、1996年に《オランクダイバーズ》をオープン。
生態系解説ダイビングをモットーに、
のんびり、ゆっくりダイビングを実現。
水中の『特選素材』を日々探し求める自称海の演出家。
「食材にも季節季節の旬のものがあるように水中生物にも旬があると考えています。
その旬のものをどのようにゲストに提供するか、
またその調理方法はどうしたらいいかなどをアドバイスさせて頂きます。
もちろん撮影にもこだわりがありますがもっとこだわるのは食の方ですが・・・」
オランクダイバーズ
http://www.oranku.com
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