減圧症予防にひょっとしたら効くのかも?減圧症とアロマテラピーの関係
減圧症はダイビングを行う上で気をつけなくてはならないことのひとつです。
減圧症とは、ごく簡単に言えば、高圧環境下でのダイビングをすることによって体内にたまった窒素が、周囲圧が下がることによって気泡化して生じる障害のことでしたよね。
痒みや痺れから、呼吸困難や後遺症を残すようなものまで、その症状は軽重さまざまです。
そんな減圧症を防ぐための予防法も広く知られています。
理論に基づき、ダイブコンピュータをしっかり守り、浮上速度に気を付け、さらに、生理的要因にも気配りして、アルコールを控え、体調管理をしっかりと……。
■減圧症の予防法について、詳しくはここによくまとまっています。
www.tusa.net/genatsu/genatsu.pdf
アロマテラピーが減圧症予防として効くのかも?
減圧症の原因が明確でない中、どのように予防対策をしたらよいのかは、完璧な答えがなく難しいですよね。
これまで知られている予防法を否定する気はまったくありませんが、今回、私がひょっとしたら減圧症の予防対策に効くのかも?とご紹介したいのが、アロマテラピーです。
私はアロマテラピーを勉強し、プロライセンスを取得しており、その中での持論ではありますが……。
今回のテーマ「減圧症予防」に効果的な利用法としては、血液から全身へ伝わる3つの経路の一つでもある皮膚からのアプローチではないかと思います。
新陳代謝を良くし、血液の循環を良くすることで、数ある減圧症の原因の中で、少しは予防対策として役立つのではないかと私は考えました。
皮膚は通常、簡単に物質を通過させたりはしません。
それは、皮膚の表皮を覆う、皮脂膜や角質層のバリアゾーンがあるからです。
しかし、精油(エッセンシャルオイル)は小さな分子構造をしている上、親油性ですから、これらを容易に通過します。
そして真皮層の血管やリンパ管に入り、血液を介して全身組織、器官へと広がります。
1992年にオーストラリアの研究者たちの発表によると、ラベンダー精油を入れたトリートメントオイルを皮膚に塗ると、5分以内にラベンダー精油中のリナノールと酢酸リナリルが血液の中に検出されて、20分後に最高値となり、90分以内にその大部分が血液中から消失したということです。(鳥居鎮夫著「香りの謎」より)
減圧症対策としては、うったい(うっ滞)除去作用や血管拡張作用があるとされている精油、レモングラス・サイプレス等がおすすめです。
(個人差はあるとは思いますので、実際にトリートメントを受けなくても香りを嗅ぐだけでもよいのかもしれません。)
精油を用いて体内血流量を向上させることにより、血中に蓄積された窒素を効率よく体外に排出し、減圧症の原因である細胞に溶けた窒素が過飽和化となり気泡化するのを防ぎ、減圧症になりにくい体質をつくるお手伝いをしてくれます。
一つの精油にいろいろな薬理作用があるのはなぜなのか?
それは、精油が一つの成分で構成されているのではなく、数多くの有機化合物の集まりであるからです。
これらの物質は植物が作り出したものですが、植物により構成成分の種類や割合が異なります。
これにより、精油はそれぞれの個性のある香りと異なる性質を持ちます。
精油の構成成分の一部は、薬と同じような働きをするものがあります。
これらは今私たちが使用している薬の成分でもありますが、合成されている成分でも、もともとは植物から発見されたものが多いのです。
精油は薬とはいえませんが、過去にアロマテラピーで初期のがんに効果があったというようなお話もあります。
減圧症の予防にダイビング前にマッサージをしたり、香りを嗅いでダイビングに対する緊張を緩和させたりと様々な効果が期待できるのかなと私は考えます。
ぜひ、効果的にアロマテラピーを利用してみてください。
美の館 オーナー美沙子
※あくまで筆者の考える減圧症対策の論考で、必ずしも効果があるとは限りません。