ダイバーなら知っておきたい減圧症にかかりやすい条件
どんな人が減圧症になりやすいのか?
前回の記事でも書きましたが、減圧症の最大の誘因は、深く長く潜り、それに見合った減圧をしないことです。
潜水深度や潜水時間、浮上速度などの条件に加え、身体の状態、ダイビング後の行動、水温や気温など、いろいろな条件が減圧症の誘因になります。
身体的な誘因には、以下のものがあります。
- 肥満
- 高齢者
- 疲労
- 脱水
誘因になる行動には、以下のものがあります。
- 潜水直後の激しい運動
- 潜水後の航空機搭乗
- 高所移動(低圧環境に曝される)
それらをふまえて、以下は減圧症を発症しやすくする主な要因です。
- 40歳以上
40歳以上の男女はそれ未満の年齢よりリスクが高くなります。 - 肥満
BMI(ボディー・マス・インデックス)が25以上あるとリスクが高くなります。
*BMI=体重Kg÷身長m×身長mで求めることができます。 - 減圧症の既往
減圧症の治療をしたしないに関わらず、減圧症の診断がついたことがある方はリスクが高くなります。 - 飲酒
ダイビング前夜のアルコール摂取によって脱水になっているとリスクが上がります。 - 脱水
アルコール摂取、下痢や嘔吐による脱水だけでなく、ダイビング当日、水分摂取が少ないとリスクが上がります。 - 体調不良または病気
体調不良や病気のときはリスクが上がることが考えられています。 - 月経中
月経中はリスクが高くなることを示す報告があります。 - 気温
気温が低く、水温と気温差が大きいとリスクが高くなります。 - 冷え
ダイビングをしたあとに体が冷えるとリスクが高くなります。 - 水深30m以上
水深30m以上のダイビングをしても、それに見合った減圧をすれば発症率はそれほど高くなりません。しかし、浮上速度が遅すぎたり(例えば水深の深いところで毎分3m以下など)、最大深度より少し浅めの水深(例えば水深20~25m)に長く留まるようなダイビングをするとリスクが上がります。 - 3本/日以上
1日3本以上ダイビングをするとリスクが上がります。 - 激しい運動
ダイビング中、息切れしたと感じるくらいの運動をするとリスクが上がります。 - 潜降・浮上の繰り返し
極端な潜降・浮上を繰り返したダイビングをしてもリスクが上がると考えられます。 - 急浮上
コンピュータの警告音を無視して浮上するとリスクが上がります。 - エアー供給不良
エアー供給が少なく息が苦しいと感じるダイビングをするとリスクが上がると考えられています。 - 潜水直後温浴
身体が冷えているときに熱いシャワーやお風呂に入るとリスクが上がる可能性があります(報告例があります)。 - 潜水後の運動
ダイビングの後に激しい運動をすると気泡ができやすくなり発症率が上がります。 - 高所移動
米国海軍の反復グループ記号でDより残留窒素が多いまま標高300m以上を移動するとリスクが高くなります。 - 航空機搭乗
1日2本以上ダイビングをしたとき、エグジット後18時間以内に航空機搭乗するとリスクが上がります。
いかがでしょう。
当てはまる状況がいくつかあったでしょうか?
上記の項目に該当すると必ず減圧症にかかるというわけではありませんが、当てはまるものを減らせば減らすほどリスクは低くなります。
普段からこれらのことに気を付けてダイビングの準備をしたり、注意して潜ることをおすすめします。