はじめてのパプアニューギニア。原始の海に大感動!(第2回)

ラバウルとキンベのダイビングポイント、ベスト5をチョイス!水中カメラマン・関戸紀倫が感動した水中景観はこれだ

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パプアニューギニアは、オーストラリアの北に位置している人口670万人の独立国で、主に首都ポートモレスビーがあるニューギニア島、そして、ニューアイルランド島、ニューブリテン島、ブーゲンビル島のほか、およそ1万以上の島々でなる国です。

ずっと憧れていたこの、パプアニューギニアの海に、はじめて潜ることができました。

今回は、ニューブリテン島の最北端のラバウル地方と中央にあるキンベ地方を取材してきました。
ラバウルでは、ココボビーチバンガローに宿泊、キンベではワリンディプランテーションリゾートに宿泊。それぞれダイビングをメインに過ごしてきました。

僕の脳裏に深く刻まれた、ラバウルとキンベのダイビングポイント、ベスト5をご紹介します!

ラバウルのダイビングポイント
BEST5

1.リトル・チャイナ
リトル・チャイナの部位の近く、水深5〜8m付近には、いろいろな種類の枝サンゴが群生していて、その周辺には、南国でよく目にするハナダイやパープルビューティが、見たことがないほどの数で群れていた。

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2.エブリンスリーフ
エブリンスリーフは、まさに竜宮城。潮あたりのいいコーナー付近の周辺には、見たことがないほどの高さ3mはあるだろうかという超巨大イソバナが群生している。その間を魚たちの大きな群れが通過していく。

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3.リトルピジョンウォール
メインは、船が付いているブイ付近から外洋へ行ったところにあるダイナミックなウォール。ただ、個人的には、船の下のユビエダサンゴの群生も見逃せない。贅沢をいえば、ユビエダで1本、ウォールで1本潜りたい。

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4.ジャパニーズタンク
旧日本軍が、陸上に失敗して海に落としてしまった2台の戦車がポイントになっている。水深3mと浅場にあるので、スキンダイビングで撮影した。意図的に落とした訳ではないのに、まるできれいに並べたかのように眠っているのが、個人的に不思議だった。

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5.アトゥーンレック
1984年に地元ダイバーたちによって意図的に沈められた水深20mほどの場所にある台湾のマグロ漁船。今となっては、船一面にハードコーラルやソフトコーラルがついていて、ダイビングポイントとして多くのダイバーに愛されている。

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キンベ・ワリンディのダイビングポイント
BEST5

1.オットー
リーフをぐるっと一周でき、そのリーフのトップはサンゴの森となっている。リーフには灯台が立っているのだか、灯台付近のテーブルサンゴは段々になっていて、まさに「サンゴの階段」を思わせる。ワリンディリゾートのガイドのケイコさん曰く、「10年前にストームで破壊されてしまった頃から潜っておらず、今年7月に久しぶりに浅瀬を泳いで見た時、テーブルサンゴが一面になって復活していた」とのこと、これもパプアニューギニアならではの、成長の早さだろう。

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2.バネッサ
バネッサで見た、このウィップコーラル(ムチヤギ)は、水面まで伸びていそうなほど長く、そして、光を当てれると美しい赤色に輝いた。パプアニューギニアの透き通った海の青と素晴らしいマッチングをしていた。

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3.サウスエマ
少し離れた根の潮通りのいいところに、多くのタカサゴや黄色い尻尾がポイントのユメウメイロが群れる。そして、それを狙うロウニンアジやカスミアジなどのハンターもやって来る。

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4.ブラッドフォード
キンベ地方代表するポイント。「これでもかっ!」と言うくらいブラックフィンバラクーダの群れに近づくことができる。赤道付近に位置するパプアニューギニアならではの太陽の光を背後に置きつつ、バシッとバラクーダを写真で収めたくなる、カメラマンには夢のようなポイントだ。

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5.ZERO
旧日本軍の零戦が沈んでいる。パプアニューギニアには、多くの第二次世界対戦時の爪痕が残されている。会話ができない水中で1人、黙々と「忘れたいけど忘れてはいけない」戦跡と対峙した。歴史がグッと背中を引っ張って、自分へ訴えかけて来ているような感覚を覚えた。

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昔は普通だったであろう「本来の海」
自然と共存する地元民のあり方

世界中で環境汚染が叫ばれる現在でありながら、昔は普通に見られていたであろう「本来の海」がそこにありました。
パプアニューギニアの人々も、自然本来の力強さを目の前の海で見せつけられるからこそ、生きる源が目の前にあるということを理解しているのでしょう。
自然と共存しながら、素朴な生活が営まれていました。

「自然との共存」と言葉で言うのは簡単です。
ただ、先進国で暮らす僕らにとっては、これからの自然を残していくために考えなければならない最も重要な鍵の一つだろうと思います。

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空港からラバウルに向かう途中のコポポビーチバンガローと提携している老舗ダイビングセンター。ドューク・オブ・ヨーク群島を始めラバウル周辺のダイビングなどはもちろん、早朝に行なっているドルフィンスイムも人気を集めている。

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広大なパーム椰子のプランテーション農場が続く海沿いのジャングルの中にある静かなリゾート。日本人スタッフがいるダイビングサービスがあり、フェブリナ号や2019年に新しく就航するキンべ湾近郊を巡るダイビングクルーズ船も人気を集めている。世界的有名なメディアのカメラマンも通う「秘境」ポイントが揃うエリアだ。キンべボミー、ブラットフォードなどは、一度は潜ってほしい。

■取材協力
パプアニューギニア政府観光局

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PROFILE
1988年7月6日生まれ
東京にフランス人の父、日本人の母の間に生まれる。生まれて間もなくフランスのパリに移りフランス人として成長し10年。父は写真家、ダイビングインストラクター。
小さい時から父にフィリピン、タイ、ガラパゴス諸島など自然豊かな場所に連れて行ってもらい、いつの間にか自然が大好きになる。時が経ち2010年にダイビングを始め2011年から沖縄でダイビングインストラクターとして活動。2013年からオーストラリアのダイビングクルーズ船にて働くことになりそこで船内販売用に写真を撮る。今度は撮った写真をソーシャルネットワークにも載せたりするようになり友達に『世界にはこんな場所がある!こんな海がある!』などと紹介するのが楽しくなる。2014年10月にクルーズ船の仕事を終え帰国前にオーストラリアを一周することに決め念願の一眼レフを手に入れ放浪。 現在は、自然写真家として水中写真をメインに世界中を撮影し活躍中。
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