水中写真家・茂野優太、北極ダイビングへのチャレンジ
狙う被写体は氷河とニシオンデンザメ
では、北極で撮影したい景色や生き物について教えてください。
まずはやっぱり氷河ですね。先ほどお話ししたブラインもですし、透明で巨大な氷を縦にドーンと撮りたい。氷河は流氷と違って白くないんです。流氷は海が凍る時に気泡が含まれて白く見えるんですけど、氷河は陸上の雪がどんどん積み重なって凍るため、気泡が押し出されて透明になるそうなんです。そこで、北極ならではの青いグラデーションが出せると思うんです。それと、ニシオンデンザメも狙っています。
ニシオンデンザメ?
400歳まで生きると言われる深海ザメで、体長は7mを超えることもあります。グリーンランド周辺に生息していて、1週間あれば遭遇できる可能性が高いらしいんです。
すごいですね!氷河とニシオンデンザメ、両方狙うんですね。
はい。でも、生き物は8月にも行って撮影しようと思っています。今回は透明度を活かして、とにかく氷河と大きな氷、そしてニシオンデンザメに集中する予定です。
なるほど。撮影のスケジュールも考えられているんですね。
そうですね。この冬は、ロビンソンの西村さんも一緒に来てくれるので、ワイドレンズ2台体制で、壮大な景色とダイバーを絡めた写真を撮りたいと思っています。

流氷用に作ったドライスーツで西村さんと
長い期間をかけて北極の姿を捉えていきたい
どんな形で発信していく予定ですか?
クラウドファンディングで支援してくれた方には、日々の報告として、一日一枚の写真と文章をまとめたPDFをお送りする予定です。それとは別に、帰国後には北極の報告会も開催します。
それ以外の発表の予定は?
今回だけで終わらせるつもりはなくて、夏にも撮影する予定です。さらに、2〜3年かけてスヴァールバル諸島にも足を延ばすなど、継続的に撮影をしていきたいなと。
長期プロジェクトですね。最終的には?
写真集や写真展としてまとめることを考えています。すぐに発表できるものではないですが、長い時間をかけてしっかり形にしていきたいですね。
楽しみですね! 気をつけて行ってきてください!
ありがとうございます!
極寒の北極に向けて準備も万端、ワクワクした様子でお話ししてくれた茂野さん。インスタライブでは本記事の内容以外にも、北極への思いや準備をさらに詳細にお話しいただいたり、視聴者からの質問に答えたりしてくれているので、ぜひご視聴を。北極へ向かう茂野さんの続報を楽しみに、応援していきたい。
水中写真家 茂野優太
