メキシコのコガシラネズミイルカを救うための最後の取り組み

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世界はメキシコ湾太平洋沿岸に生息するもっとも小さな海の哺乳類をやがて失うことになるかもしれません。

コガシラネズミイルカ(vaquita porpoise)は、現在30頭しか存在していません。もうすぐ完全に絶滅してしまう可能性もあります。今メキシコ政府はこの瀬戸際に立たされた種を救う緊急アクションを行っています。

カリフォルニア湾の浅瀬に生息するこの生物は、この20年間に90%以上数が減少するという、悲惨な状況にあります。主な原因は、中国でその浮袋が高級料理として珍重され、乱獲されているトトアバの違法漁の結果です。

トトアバを捕えるための巨大な刺し網に巻き込まれ、コガシラネズミイルカは、海の表面に呼吸をしに行くことができず、溺れてしまうのです。そしてトトアバも絶滅種に指定されています。

6月7日に、メキシコのエンリケ・ペニャ・ニエト大統領は、刺し網の禁止期間を延長し、最終的にはそれを恒久化すると発表しました。この決定は6月30日に発効しています。彼はまた、保護のための追加条項を詳細に規定した協定書にも署名しています。夜間の漁は禁止され、保護区域で操業する船舶は、入港も出港もモニターされた地点を通らなくてはなりません。メキシコの環境、農業、海軍の長官も同協定書に署名しています。

さらに、コガシラネズミイルカのうち、何頭かは捕獲され、繁殖プログラムに導入される予定です。今はこれだけが、彼らを存続させる唯一の希望ですが、捕獲されたこの動物は外乱やストレスに非常に敏感であるため、成功できるかどうかは保証できません。

米海軍の訓練されたイルカたちは、航空機や位置探索船とともに、コガシラネズミイルカを探し出し、サケ用の軽い刺し網で捕獲します。何頭かは研究目的で、サテライトタグをつけて海に帰します。繁殖のために捕獲され手厚く保護されるものもいます。ひとたび、生息地域の刺し網が禁止されれば、捕獲されたコガシラネズミイルカは野生に戻すことができます。

メキシコのビジネスマン、カルロス・スリム・ヘルとアメリカの俳優で環境アクティビスト、レオナルド・ディカプリオの基金はこのコガシラネズミイルカを救うことを誓約しています。

UNEP本部は、今“Fantastic Beasts”に出演して、大人気のアリソン・スドルが支持する、野生動物キャンペーンの14番目の種としてコガシラネズミイルカを入れつつあります。どうかあなたも私たちと一緒に参加してください!

<コガシラネズミイルカについて>
●7月8日は『世界コガシラネズミイルカデー』
コガシラネズミイルカが発見されたのは1958年、まだ知られて間もない動物です。
●海外ではVaquita と呼ばれていますが、これはスペイン語で“小さな牛” の意味です。
●体長約1.5m 海の中でもっとも小さなクジラ目の動物です。
●行動範囲は約4,000平方キロメートル、Los Angelesのたった4分の1ほどです。
●赤ん坊は3月もしくは4月に生まれ、20-21歳まで生きます。
●水族館で飼育されたことはありません。
●今、世界の海洋の中で、もっとも希少で絶滅に瀕している哺乳類です。

一般社団法人日本UNEP協会
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UNEP(国連環境計画)は、世界の環境問題や持続可能な開発に向けた環境対策への取組みなど、地球規模でさまざまな環境問題の対策を実施している国連組織です。
1972年国連人間環境会議(ストックホルムにて開催)の決議により設立されました。

日本では2015年に、一般社団法人 日本UNEP協会 が発足。日本におけるUNEPの活動の普及を図るとともに、UNEPを通じて日本と海外とを結び、環境保護活動を積極的に推進しています。
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