御蔵島でイルカと仲良く泳ぐドルフィンスイムのコツとツボ「水中編」
台風一過!とは言うものの、この季節の御蔵島はスッキリ晴れ渡る日が少ないのが特徴です。
島で「タケノコナガシ」と呼ばれる生暖かい南西の風が吹いて、御山は雲で覆われます。
その昔、霧の中をびしょびしょになりながら御山のタケノコを採りに行ったことから、この季節の南西風をそう呼ぶそうです。
山の上だけでなく、里のあたりも、もの凄い湿度。
洗濯物がいつまでも乾きません。
しかし!イルカウォッチングには湿度も関係ありません。
だって、海に入ったらどうせびしょびしょですから〜。
というわけで、前回のイルカウォッチングのコツ「船上編」につづいて、「水中編」です。
※前回の記事はこちら。
イルカ調査から学ぶドルフィンスイムのコツとツボ「船上編」 | オーシャナ
ドルフィンスイムのコツとツボ
「船上編」で説明した通り、入水前にイルカをしっかり観察することで、船(自分)とイルカの位置関係をハッキリさせます。
船に近づいてくるイルカを見つめ、イルカが潜っていて見えない場合は「水中のあのへんを通っている! ハズ…」と心にしっかり刻みます。
そして、いよいよ入水です。
しかし焦ってはいけません。
必ず!船長が「入って良いよ」と言ってから水に入るようにして下さい。
船がまだ動いていたり、プロペラがまだ回っていたりして、危険です!
急いでも、決して焦らず、船の内側に向いて船の縁に腰をかけます。
お尻と片手でバランスを取りながら外側へ向き直り、片足ずつ海へ入れます。
このときゆっくり回ると、バランスが取りづらく難易度が上がります。
できるだけササッと両足を水に浸けちゃうのがコツです。
海に両足を浸けたら、お尻をスルッとずらして入水。
この時、船の舷に掛けた片手を使って落ちる速度をコントロールすると、静かに入れます。
肩まで浸かったら、その手で船を軽く押して、船からはなれます。
一旦水中に入ったら、すばやく船からはなれるのも大切です。
船長の気持ちになると、船のすぐ近くで人がプカプカじっといるのはとても怖いものです。
なにより、どかないと次の人が入水できません。
バックロールやジャイアントストライドで「えい!」ボッシャーンと飛び込むのはNGです。
音や泡でイルカがびっくりするかもしれないのと、後に入った人はアワアワで周りが見えず、迷惑がかかります。
いよいよ水中に入ったら泳ぐのですが、泳ぐ方向はその時のイルカと船との位置関係によります。
ありがちな状態をイラストにすると、図2のようになります。
多くの方は、船上からイルカを最後に見た方向へ泳いで行きがちですが、イルカも進んでいるため、それでは行き違いになってしまいます。
船はイルカの進行方向前側に止まっているので、進んでくるイルカの前方まで泳ぎ、後はイルカの来る方向を見ながら待つのが良いでしょう。
誰しも知らない人がどかどかと向かってくるのは怖いものです。
通ってくれるのを静かに待つ方がイルカにもやさしいかもしれません。
私がよくお客様に解説する方法に「キャッチセールスのお兄さん」というのがあります。
キャッチのお兄さんは、普通正面や真横から近づいてきません。
出来るだけ相手に警戒されないよう、スススッと斜め後方から近づいてくることが多いです。
ましてや上から急に降ってきません。
この感じを参考にすれば、イルカにも警戒されず近づけるようになるんじゃないか?と新宿あたりを歩く時、考えています。
もう一つ「ティッシュ配りのお姉さん」も。
よく出来たティッシュのお姉さんは、歩く人の邪魔にならないよう、体は避けて手だけでスッと差し出してきます。
そして相手が受けとるか受けとらないか選択肢を与え、「受けとらない」と判断するやサッと手も引っ込める。
うーん美しい。
不躾でなく相手に選択肢を与える、この感じを参考にすればイルカにも邪魔!と思われず待つことができるんじゃないか?と渋谷あたりを歩く時、考えています。
では、参考に愉しいイルカウォッチングが出来ますよう。
島でお待ちしています!