日本が勧めるスキューバダイビングの最大水深は30m?

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宮古島の地形と洞窟(撮影:越智隆治)

前の記事で、最大水深39mについて書きましたが、今回は、最大水深30mという考え方があることをご紹介します。

その前に、平成27年4月1日に、高気圧作業安全衛生規則(略称高圧則)が、昭和47年(1962年)以来初めて改正されました。

その中で空気呼吸による最大深度が40mになり明文化されるようです。

アメリカ海軍のネービーテーブルが発表されてちょうど50年経ってから、その同じ深度に日本も空気ダイビングの限度を決めたようです。

厚生労働省は空気ダイビングの限度を40mとし、その主な理由を窒素酔いとしております。

そう聞くと、「なんだ、やはり最大深度は39mじゃないか」と思われるかもしれませんが、この40mの限界深度に付随して、30mから40mまでは、できる限り空気ではなくミックスガスを使えとも言っているのです。

あれをしてはいけない、これをしてはいけないというのが、この種の法律なのですが、なるべく空気以外の呼吸ガス(ナイトロックスやヘリオックスなど)を使いなさいとソフトに推奨しています。

これは、遠回しに30mより深い空気ダイビングは危ないよと言っているのです。

もちろん、これらの深度制限は、リクリエーションダイバーのダイビング活動など想定していません。
あくまでの業務で潜水作業をするダイバーを想定したものです。

ましてやリクリエーションダイバーにミックスガスが簡単に入手できるはずもないので、30mをリクリエーションダイビングの最大深度にするというのも、これまた1つの安全への道なのかもしれません。

そして、それより深いダイビングをするには、それなりの呼吸ガスと器材、そしてそれに見合ったトレーニングを通して、リクリエーションダイビングの領域を広げていく時代になっているように思うのです。

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PROFILE
1964年にダイビングを始め、インストラクター制度の導入に務めるなど、PADIナンバー“伝説の2桁”を誇るダイビング界の生き字引。
インストラクターをやめ、マスコミを定年退職した今は、ギターとB級グルメが楽しみの日々。
つねづね自由に住居を脱ぎかえるヤドカリの地味・自由さにあこがれる。
ダイコンよりテーブル、マンタよりホンダワラの中のメバルが好き。
本名の唐沢嘉昭で、ダイビングマニュアルをはじめ、ダイビング関連の訳書多数。
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