変わりゆく沖縄。構造物と生物と……

Dコミュ愛読者の皆さんこんにちは!

突然ですが、沖縄は公共工事が多いことを皆さん知っているだろうか!?
この小さい島に、毎年一千億円近い事業費が投じられているのだ。
これが良いとか、悪いと言うことではないのだが、
沖縄の海岸沿いを歩いてみると、どこかしら構造物が目に入ってくる。
ポストカードの写真の様な景色を探すことが難しいほどに
公共工事や民間工事が日々進められているのだ。

那覇市内に唯一ある海水浴場『波の上ビーチ』

橋梁で風景が阻害され、トラックが行き交い、
沖縄の海とは思えない景色が広がっている。
驚くことに、既存の橋の奥に、更に新しい橋梁工事が進められている。
どこか都会の海辺のようにも感じる。

海にはハブクラゲ防護ネットの青いロープが張られ、
その外側では遊泳が禁止されている。
ネットの内側では生物を見ることが出来なかったので
もう少し広範囲で海の中を見たくなった。
工事が行われているので、那覇市役所に許可を取り、
ネットの外側を潜ってみることにした。

海に入って驚いたのが意外と生物が多かったことだ。
黄色のロープの下には工事用のシートが海底まで張り巡らされ、
工事が始まってから数年間は潮通りが悪くなっているので、
生物が生息する環境では無くなっていると思っていたからだ。

 
既存の橋(右側)と新しい橋(左側)の間にはソフトコーラルが生息している。
またサンゴの周りには小魚達も生息していた

アオリイカの卵や、サンゴの赤ちゃん、小さな生物達も観察できてこの環境の下で
新たな命が育まれていたことに驚いた

地元の年配の方に話を聞くと、昔は、
那覇市内の海はサンゴを踏んで海に入り魚を捕りに行ったと口を揃えてそういう。

わざとサンゴを踏んで海に入ったのではなく、
周囲がサンゴだらけでサンゴを踏まないと海に入れなかったということだ。
生物がいるとはいえ、今ではそんな頃があったことが
想像もつかない海に変わってしまっている。

人は良い生活を求め、努力の結果、
技術の進歩とともに豊かな生活ができるようになった。
しかし、その反面、確実に自然は失われ続けている。

サンゴを守ろうと活動をされている方たちもたくさんいて、
私も見習わなければならない部分もあるのだが、
人のエゴのために活動するのではなく、
海の生物たちを活動の道具にするのではなく、
海に潜りやすくなった今だからこそ、少しでも多くの人が海に接して、
個人個人が環境の変化を感じながら、自然の大切さに意識づいてもらえたら嬉しく思う。

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