競技性が魅力の水中写真選手権大会。3回目のチャレンジでついに銅メダル獲得へ!
「私がダイビングをする理由」というテーマでエッセイを大募集中〜!
応募作品の中から、編集長の心に響いた作品を連載形式でお届けします。
今回は、2019年9月に開催された第17回アジア水中写真世界選手権のワイドアングル部門で第3位に輝いたという、「白山貴浩」さんのストーリーをどうぞ。
テーマ「私がダイビングをする理由」
カメラマンとしての幅を広げたい…
その思いで始めた水中写真にいつしかハマる日々
海や水中写真がすごい好きというわけではない。
器材の準備はしんどいし、今でも深いところや洞窟や沈船などは、暗いしドキドキして息苦しいし、なんか怖い……
スキューバダイビングを始めたきっかけは、職業カメラマンとしての幅を広げるためだった。
それまで頑張っていたスポーツをケガで断念し、何か別のものを探していたことも理由かもしれない。
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初めての海洋講習は真冬の1月、水温は7度。風が強く、海上に雪が降っていた。
インストラクターから最初に教わったダイビングスキル(?)は、手鼻をかむこと(笑)
それでも、苦労して見た海の中の世界は予想以上。
魚たちが目の前で泳いでる! 私のことなんて目もくれないほど、気ままに優雅にのんびり生活していた。
おっと、カメラで撮るために潜ったのを忘れるところだった。
しかし、水中写真はそんなに簡単に撮れるはずがない。
そこからは、トレーニングの日々。休みがあれば年中、海へ行った。
少しずつ写真が撮れるようになってくると、さらに欲が出る。
せっかく撮った写真なので、周囲の友人に見てもらって喜んでもらえるのはとても嬉しかった。
さらにフォトコンテストに応募してみると、いきなりとんでもない賞をもらってしまってしまったので、私は当然のように調子にのってしまった。
考えてみると、これがその後のダイビングとの関わり方を決めてしまったのかもしれない。
水中カメラはどんどん大きくなっていった。
水中写真選手権大会で銅メダル獲得!
表彰台を日本人で埋め尽くすのが夢
あるフォトコンテストの表彰式の場で、私に声をかけてくれた人がいた。
「水中写真の世界大会に出てみませんか?」
話を聞くと、フォトコンテストとは違い、指導団体CMAS主催の「水中写真世界選手権」というものだった。その場で潜ってその場で評価される競技らしい。
調子に乗っている私は楽勝だろうと思って参加してみることにした。
結果は、まったくダメダメだった。
英語ができないせいで超複雑なルールを理解していなかったせいもあるが、海外の海や生物の生態・種類、そして写真の「好み」が日本のそれとはかなり違っていた。
だが、2019年9月、3度目の挑戦で水中写真世界選手権で、日本人として初のメダルを獲得することができた。
日本チームのみんなをはじめ、競技中には海外の選手達にも優しくしてもらった。
何よりたくさんの友人に応援してもらった。
これがわかっただけでも、ダイビングをやっていて本当によかったと思うことができる。
この競技、世界一になるまでは続けていきたいとは思いながらも、長期の休暇や自費での参加など、たくさんのエネルギーを使うため、なかなか参加しようという選手はいない。
そもそもダイビングも写真も、誰かと競ってやるものでもないという考え方もある。
それでも、これまでのダイビング人生で、自分なんかよりはるかに技術の高いマニアックな水中カメラマンたちとたくさん知り合ってしまっているので、さらに欲が出てきてしまう。
世界中のほとんどのカメラマンが日本製のカメラを使っているのと同様、表彰台を日本人ダイバーで埋め尽くしてみたい。
ぜひ、非力で怖がりの私と一緒に世界へチャレンジしてみませんか。
今日のダイバー
名前:白山貴浩
SNS:Facebook/https://www.facebook.com/takahiro.shiroyama2
ダイビング歴:12年/880本
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決められた時間、決められたエリアで水中写真を撮るという水中写真世界選手権。
プロもアマチュアもない、全員が同じコンディションで撮影を行うという競技性が非常に魅力的です。
次回はさらに上位を目指して、がんばってくださいね!
素敵なダイビングライフを!
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ダイバーの数だけ、物語がある。
ぜひ、あなたのストーリーを聞かせてください。
「私がダイビングをする理由」というテーマで、エッセイ募集中です!