【速報!動画あり】八丈島の水深20mで、体長10m越えのザトウクジラに遭遇!ダイバーと見つめ合うシーンも

2015年からザトウクジラが見られるようになった、東京都・八丈島。11月下旬から4月上旬にかけて陸上からは頻繁にその姿が観察されているものの、ダイビング中に水中で遭遇することは滅多にない。そんな中、2月18日(土)、のんびりと泳ぐ2頭のザトウクジラとダイビング中に至近距離で約8分間、遭遇したというニュースが飛び込んできた!

まずは映像をご覧いただきたい。
動画1本目(4分56秒)

動画2本目(1本目の続き)(3分9秒)

今回、ザトウクジラに遭遇したのは島の西側に位置する水深最大20mほどで潮の流れも穏やかなビーチポイントである「八重根」。目撃者である「アルケロンダイビングクラブ」の仲谷順五氏にそのときの様子を伺った。

編集部(以下、――)

まるで夢のような映像ですね。「八重根」で遭遇したとのことですが、このポイントでザトウクジラに遭遇するのは珍しいのでしょうか?

仲谷氏

八丈島でザトウクジラが見られるようになってから今までで、「八重根」でのダイビングで見ることができたのは、私が知る限り4回なので、とても珍しいと思います。潮の流れが早く、ザトウクジラやイルカ、そしてハンマーヘッドシャークといった大物が目撃されたことのある「ナズマド」といった他のポイントも含めても、八丈島での、ダイバーによる目撃情報は多い年で年間15~20回くらいです。

――

やはり、珍しいことなのですね。

仲谷氏

はい。でも今回はエントリー直前に、八重根より少し北側に位置する溶岩大地「南原千畳敷(なんばらせんじょうじき)」方面からこちらに向かうザトウクジラのヒートランが見えたので、“もしかしたら八重根の砂地と根の際を通過するかもしれない”と思い、用意していたマクロ仕様のカメラを置いて、コンデジだけを持って海に入りました。

――

読みが当たったんですね!ザトウクジラと遭遇したときの様子を教えてください。

仲谷氏

潮がかかる根の先まで真っすぐ泳ぎ、キョロキョロしながら水深21mほどにある根でザトウクジラが来るのを待っていました。砂地を優雅に泳ぐ大きなホシエイや、懐っこい3匹のカンパチ若魚がいたので撮影。カンパチが泳ぎ去り、ふと振り返ると、沖側からザトウクジラが通過しようとしていました!

――

水中では何の前触れもない感じだったんですね。

仲谷氏

そうなんです。数枚静止画撮影の後、録画を開始しました。最初は遠かったのでザトウクジラ目撃の証拠映像になればいいな、というつもりで撮影してましたが、通り過ぎるかと思いきや、あれ?どんどん近づいてくる…。水面に呼吸をしに行った後に戻ってきてくれて、さらに近くまで寄ってきてくれました。

――

ザトウクジラは仲谷さんに興味を持っているようにも見えますね。

仲谷氏

はい、完全に見つめ合っていたと思います(笑)。

――

このとき、どのようなお気持ちでしたか。

仲谷氏

おそらく優に10mは越すであろうサイズのザトウクジラの巨体がジリジリと距離を詰めてくるので、正直、怖かったです(笑)。変に刺激をしないように、岩に同化する気持ちで撮影し続けました。ザトウクジラ側に襲う気が無くても、ちょっとでも当たれば大事になりそうだったので…。

――

動かずにいたから、ザトウクジラも寄ってきてくれたのかもしれないですね。

仲谷氏

そうかもしれません。途中、ザトウクジラは水面に呼吸をしにいって、また戻ってきてくれたり、海底(砂)にヒレや口先を着けている場面もあり、貴重な光景を見ることができました。最後は、もう少し沖を泳いでいた別のザトウクジラが、まるで「そろそろ行こうよ〜」と言っているかのように迎えにきて、2頭仲良く、去っていきました。結局、8分以上観ることができました。八丈島で今まで目撃されたザトウクジラは、そのほとんどが数秒程度で通過してしまうものが多く、ゆっくりホバリング中でも多少移動するので2分程度。今回は砂地に静止でしたので特別ですね。もう感無量です。

――

映像を見るだけで、穏やかな水中の世界観に癒されます。
仲谷さんありがとうございました。

最後に映像をもう一度

取材協力:アルケロンダイビングクラブ
東京都・八丈島で、2006年にオープンし、ご夫婦で営んでいる少人数制のアットホームなダイビングショップ。ダイバー専用の宿泊施設を併用しているので、快適にダイビングを楽しむことができる。オーナーの仲谷順五氏はマクロのガイドが大得意で、カメラ初心者にも水中写真テクニックを伝授してくれる。

▶︎公式HP

   

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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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