「RICOH THETA」が中性浮力をマスター!? 360度カメラ用浮力調整器「STAYTHEE」写真家・むらいさち試用レポート

カメラ周辺のあらゆる空間をレンズに収めることができる、360度カメラ。写した世界を疑似体験させるような臨場感あふれるシーンを撮影できるため、スポーツやレジャー体験、さらにはホテルの客室紹介など、さまざまな分野で活用されている。

そんな360度カメラのフラッグシップモデルといえば、「RICOH(リコー) THETA(シータ)」。2017年に純正水中ハウジングケースが発売されると、デジタルガジェットに敏感なダイバーの話題を独占。今や幅広い層のダイバーに愛され、SNSやYouTubeには、「RICOH THETA」で撮影された水中写真や動画が数多くアップされている。

そして、RICOHが2022年7月20日から100 セット限定で予約販売を開始した純正アクセサリーが、浮力調整器「STAYTHEE(ステイシー)」。

「RICOH THETA」 をプロテクトする水中ハウジングケース「TW-1」または「TW-2」にセットすることで、水中で0〜20gの浮力調整が可能。従来の「TW-1」「TW-2」は手を離すと水面に向かって浮いてしまう特性があったが、「STAYTHEE」を装着すれば、グリップ部分をねじるだけで浮きも沈みもしない中性浮力の状態をつくることができるのだ。

1.360度カメラ「RICOH THETA」 。上部に2枚の超広角レンズがほどこされ、上下左右すべての空間を撮影できる。水中ハウジングケース「TW-1」または「TW-2」に収めることで、水中での撮影が可能に  2.浮力調整器「STAYTHEE」。黒いグリップ部分をねじって伸ばしたり縮めたりすることで、内部の容積が変化し、浮力をコントロールできる。水深に応じて調整すれば、浮きも沈みもしない中性浮力の状態に

1.360度カメラ「RICOH THETA」 。上部に2枚の超広角レンズがほどこされ、上下左右すべての空間を撮影できる。水中ハウジングケース「TW-1」または「TW-2」に収めることで、水中での撮影が可能に
2.浮力調整器「STAYTHEE」。黒いグリップ部分をねじって伸ばしたり縮めたりすることで、内部の容積が変化し、浮力をコントロールできる。水深に応じて調整すれば、浮きも沈みもしない中性浮力の状態に

3.2mのコードが巻かれた「リール付きストラップ(カラビナを除く)」。透明で映像に映り込みづらいコードを使って、中層を流したり水面方向へ浮かせたりしながら、カメラと距離をとって撮影ができる  4.マクロ撮影時にオモリとして使用する「マクロ撮影キット(カラビナを除く)」。「STAYTHEE」を横に傾けた状態で水底に沈ませることができ、砂地の生物などを低い角度から接写できる

3.2mのコードが巻かれた「リール付きストラップ(カラビナを除く)」。透明で映像に映り込みづらいコードを使って、中層を流したり水面方向へ浮かせたりしながら、カメラと距離をとって撮影ができる
4.マクロ撮影時にオモリとして使用する「マクロ撮影キット(カラビナを除く)」。「STAYTHEE」を横に傾けた状態で水底に沈ませることができ、砂地の生物などを低い角度から接写できる

「カメラを安定させてブレやピンボケを防ぎたい」「警戒心が強い生物を近くで撮ってみたい」「撮っている自分だって気軽に写りたい!」とのダイバーの声に応えるため、魚の浮き袋をヒントに開発が進められた、浮力調整器「STAYTHEE」。

写真家・むらいさち氏に「STAYTHEE」を用いた撮影を行ってもらい、その魅力や遊び方の可能性など、率直な感想を伺った。

嬉しい片手サイズ

嬉しい片手サイズ

しっくり片手サイズ
ワンタッチで浮力調整が可能

グリップをねじるだけで感覚的に浮力調整ができる

グリップをねじるだけで感覚的に浮力調整ができる

ーー「STAYTHEE」の操作性をどう感じた?

むらい氏

「RICOH THETA」の長所のひとつが、小さくて軽い点です。「STAYTHEE」はそのコンパクトさを損なわずにセットできる点が優秀ですね。浮力調整の方法はグリップ部分をねじるだけなので、操作に慌てたりミスをしたりする心配はないと思います。

そして、浮きも沈みもしない中性浮力の状態を作れるのが、率直におもしろかったです。中層に浮かべて自分を撮影できるというのは、まるでスマホで自撮りをするような感覚で、今の時代にマッチしているのではないでしょうか。ハンズフリーで「他の人に撮影してもらったかのような自撮り」ができて、とても新鮮でした。

さらに、「STAYTHEE」発売以前は、自撮り棒のようなスティックを360度カメラに固定して撮影していたため、画像の下部分に自分が映り込んでしまい、邪魔に感じることがありました。でも「STAYTHEE」なら、360度カメラと距離を置いて撮影できるので、写真や動画のバリエーションが広がると感じました。

撮影している自分も
被写体のひとつになれる!

自分とロウニンアジを360度撮影

自分とロウニンアジを360度撮影

グルッと水面まで写した360度カメラならではの水中写真

グルッと水面まで写した360度カメラならではの水中写真

むらい氏の周りを回遊するロウニンアジをとらえた360度動画がコチラ

※360度動画は指でクルクルと回して画角を変えて見ることができます。VRゴーグルで見ることも。

ーー360度カメラの魅力とは?

むらい氏

撮影者も含めて、360度すべてが構図になり得ることですね。僕が日頃の撮影で使用している機材は、フィッシュアイレンズを装着しても180度くらいの画角なので、撮っている自分まで写るというのは、今までなかった新しい刺激です。

だからこそ360度カメラには、目の前の被写体だけではなく、撮影する自分も演者となって作品の一部になれるおもしろさがあると思います。自分も写ることをふまえて、撮影ポーズを意識したり構図に工夫を凝らしたりしていくと、楽しみがどんどん倍増していくのではないでしょうか。

生物に警戒心を与えず
ネイチャーシーンを撮影

魚群の中を通してみよう

魚群の中を通してみよう

群れと同化した360度カメラがとらえたネイチャーショット

群れと同化した360度カメラがとらえたネイチャーショット

群れの中に突っ込む迫力の360度動画がコチラ

潮の流れに乗せて一緒に泳ぐのも◎

潮の流れに乗せて一緒に泳ぐのも◎

ーー「STAYTHEE」だからこそできる撮影方法とは?

むらい氏

潮の流れを読みながら、魚の群れに向かって流してみたら、迫力ある動画を撮影することができました。いくら小さなカメラでも、ダイバーが手で持ったまま近づいたら、魚は逃げてしまいますからね。こんな撮影ができるのは、「RICOH THETA」「TW-2(TW-1)」「STAYTHEE」のセット(以下「STAYTHEE」)ならではだと思います。

録画状態の「STAYTHEE」から距離をとって観察していると、魚によっては、光を浴びてキラキラする水中ハウジングケースに向かって寄ってくるんです。「キンギョハナダイは好奇心旺盛だな」「クマノミは意外に臆病だな」など、魚によって性格が違うことがわかって興味深かったです(笑)。

「STAYTHEE」を離れた場所にセットして生物を撮影

「STAYTHEE」を離れた場所にセットして生物を撮影

ヨスジフエダイの群れの仲間に入れてもらったみたい!な360度動画がコチラ

ーー「マクロ撮影キット(オモリ)」を使った感想は?

むらい氏

「STAYTHEE」をマイナス浮力いっぱいにしたときよりも、さらに重みを加えることで、横に寝かせた状態で水底に固定できるようになります。「STAYTHEE」を立てて沈めた状態では、どうしても潮の流れを受けて動いてしまうのですが、横にすることで、「STAYTHEE」を安定させつつ、水底ギリギリからのショットを狙うことができます。

沖縄で撮影したトウアカクマノミや、近寄りづらいハゼ類などを被写体とするときに、生物のテリトリー内にそっと設置しつつ、離れて観察しながら撮影したら、おもしろい動画が撮れるのではないでしょうか。ただし、「STAYTHEE」を横にすると、下部のグリップや水底が映って邪魔になることもあるので、上部の映像だけを切り出して編集するなど、工夫が必要かもしれませんね。

マクロ撮影キットを使えば、「STAYTHEE」を水底に寝かせた状態で固定できる※砂を巻き上げたりサンゴや生き物の上に置いたりしないように注意

マクロ撮影キットを使えば、「STAYTHEE」を水底に寝かせた状態で固定できる※砂を巻き上げたりサンゴや生き物の上に置いたりしないように注意

水底ギリギリからトウアカクマノミを撮影した360度動画がコチラ

ーー「STAYTHEE」が実現するバディとの楽しみ方とは?

バディと他撮りのような自撮りを♪

バディと他撮りのような自撮りを♪

むらい氏

水中での移動や安全停止のときに、僕とバディの間に浮かべて記念撮影ができたのも、新鮮な経験でした。今までは、お互いに撮り合ったり、インストラクターに撮ってもらったりするのが一般的でしたが、ハンズフリーで2人だけで撮影できるので、よりリラックスした自然な表情を収められると思います。

ドリフトダイビングのときに、リール付きストラップを使って、自分とバディの横に「STAYTHEE」を流しながら撮影してみるのも、おもしろいかもしれませんね。

どんな画像が撮れているか
ダイビング後に知るワクワク感

群れの奥に回り込んで記念写真

群れの奥に回り込んで記念写真

ーー「STAYTHEE」の楽しみ方をあらためて読者へ!

むらい氏

魚の群れの中を通したり、洞窟の中をくぐらせたり、とにかく360度の世界を楽しんでほしいですね。360度の構図の中に自分を入れつつ、一般的なカメラでは撮影できない海の表情を切り取ってもらいたいです。僕も360度すべてが魚でいっぱいの写真が撮れるように、いろいろ工夫したいと思っています(笑)。

そして、撮影した写真や動画を、VRゴーグルで見るのもおすすめです。中層をプカプカと漂いながら「STAYTHEE」が撮影した画像は、まさに魚の目で見た海中世界そのものだと思います。みなさんが「STAYTHEE」を使って撮影した水中写真や動画を、SNSやYouTubeで拝見することを楽しみにしています♪

写真家・むらいさち氏が感じた「STAYTHEE」の魅力はココ!

・コンパクトで操作が簡単
・カメラから離れて魚の目で見たような景色を撮影できる
・撮影者も被写体として作品の一部になれる
・魚群や好奇心旺盛な生物を間近で撮影できる
・バディと「他撮りのような自撮り」ができる

2022年7月20日より100台限定予約販売スタート
RICOH STAYTHEE
限定版のみ底蓋にシリアルナンバーと名前を刻印!

刻印イメージ

こちらは刻印イメージです。実際の色味やデザインは、多少変わる可能性がございます

◯価格:48,400円(税込み)
◯発売セット数:100セット限定
◯耐圧水深:30m
◯浮力調整量:0〜20g
◯寸法:135.4mm(W)×130.0mm(H)×48.5mm(D)
◯重量:フラップ開時約244〜259g(対応機種により違いあり)
◯付属品:マクロ撮影キット、リール付きストラップ(2m)、レンズカバー
◯対応機種:THETA-SC2+TW-1、THETA-V+TW-1、TEHTA-X+TW-2
※取り付ける「RICOH THETA」および水中ハウジングケースの形状により浮力が異なるため、下記3形状でのご用意となります。本体には、100番までの通しのシリアルナンバーとお名前を刻印します。
・「RICOH THETA SC2」およびRICOH THETA専用水中ハウジングケース「RICOH TW-1」
・「RICOH THETA V」およびRICOH THETA専用水中ハウジングケース「RICOH TW-1」
・「RICOH THETA X」およびRICOH THETA専用水中ハウジングケース「RICOH TW-2」
◯予約期間:2022年7月20日~2022年8月20日
※下記リンクから予約をお願いします。
https://STAYTHEE.ricoh/

\「おじさん達の挑戦物語」もぜひご覧ください/
STAYTHEEの発売にいたるまで、開発者である「おじさん」たちの想いや試行錯誤が詰まったnote。涙なしには読めない…かもしれない。
https://note.com/staythee

Sponsored by 株式会社リコー

リコーグループは、お客様のデジタル変革を支援し、そのビジネスを成功に導くデジタルサービス、印刷および画像ソリューションなどを世界約200の国と地域で提供しています(2022年3月期グループ連結売上高1兆7,585億円)。
imagine. change. 創業以来85年以上にわたり、お客様の“はたらく”に寄り添ってきた私たちは、これからもリーディングカンパニーとして、“はたらく”の未来を想像し、ワークプレイスの変革を通じて、人々の生活の質の向上、さらには持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://jp.ricoh.com/

取材協力:アークダイブOPGスキューバカンパニードルフィンむらいさち
撮影機材:RICOH THETA X、Insta360、SONY RX100、NIKON D810

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PROFILE
学生時代にアルバイトをしながらダイビングを始め、『マリンダイビング』編集部を経て独立。2007年にオーシャナの前身となるダイビング・ドット・コミュを立ち上げる。
現在はフリーライターとして活動。旅行ガイドブックや企業インタビュー、WEB記事など、多くのジャンルとメディアにおいて、取材・撮影・執筆を行なっている。
モットーは「楽しく安全なダイビング」。苦手なスキルは耳抜き……。
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