ホースへの優しさは、お財布と自分への優しさ~オーバーホールの達人に聞く!プチ裏技~

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オーバーホールに関する質問をよくいただきますが、
「器材はどれくらい持つ?」
「オーバーホールってどれくらいで出すべき?」
というのが質問の大多数です。

これはなかなか答えづらい質問。

というのも、「使用頻度やケアによる」という答えしか出てこず、
だからこそ「定期的にオーバーホールすれば安心ですよ」と答えるしかないからです。
「そんなの当たり前じゃん!」と言われればそれまでで、
キャラが立ちにくい質問ということでボツにすることが多いです。

しかし、「どれくらい持つ?」ではなく、「長持ちさせるには?」という発想に立つと、
なかなかおもしろい話がたくさん出てきます。
「定期的にオーバーホールに出せばいいじゃん!」と思うかもしれませんが、
器材の劣化具合によって料金がかなり変わってきます。
また、オーバーホールまでのリスクを減らすことにも役立つはずです。

今回は、そんな器材を長持ちさせるケアについて、
オーバーホールの専門店「アイバディ」の園田万伍当(ソノダマコト)さんに、
プチ裏技をお聞きしてきました。
園田万伍当(アイバディ)

元マツダ勤務で自動車整備士資格を持つことからもわかるように、
もともと機械いじりは大の得意。好きが高じて、ショップ経営後、
2006年にオーバーホール専門店《アイバディ》を設立。オーバーホール歴13年。

ホースを長持ちさせるプチ裏技

ホースは1万円前後する決して安くはないパーツ。
ホースに優しく接して、少しでも長持ちさせることは
財布への優しさでもあります。

また、水中でホースが破裂!なんてことも希に聞きます。
もしもに備えることは安全ダイビングの鉄則。
ホースへの優しさは、自分自身を守ることにもつながるのです。

そんなホースへの優しい裏技を園田さんが教えてくれました。

「タンクのバルブを開けるとき、
パージボタンを押しながらバルブを開けるとホースにかかる負荷が軽減されます。
インストラクターさんにも意外と知られていませんが、
こうするだけでホースの持ちは全然違いますよ」

パージボタンとタンクバルブ
パージボタンを押しながら、ゆっくりとバルブを開ける。
シューっとエアがもれるのが聞こえたらパージから指を離してバルブを全開。

バルブを開けると、高圧のエアが一気に流れ込み、
ホースに大きな負荷がかかります。パージボタンを押し、
空気の逃げ道を作ることによって、その負荷を減らしてあげるというわけですね。

う〜ん、優しい!

誰にでもすぐに実践できる裏技なので、
皆さんも、ぜひ試してみてください。

【おまけ】
ちなみに、痛んだホースはエアを通すとぷっくり膨らみます。
こうなってしまったらすぐに交換しましょう。

傷んだホース

■情報・写真提供/アイバディ

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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