ダイビング器材もネット通販の時代!?~Oリングからリブリーザーまで、世界どこでも、無料で、即日発送、返品自由~
このヤドカリ爺は、ダイビング器材はすべて、懇意にしていただいたダイブショップ、いわゆるプロショップでお世話になって購入しておりました。
もちろんそのメンテナンスもお願いしておりました。
そのショップのフランチャイズディーラーであるブランドで揃えておけば、何かと便利でもありました。
違った見方をすれば、当時は器材の選択の幅も少なく、結果的には、一度あるブランドで揃えると、モデルが変わっても同じブランドばかりであります。
ショップとの個人的な人間関係で器材が決まるという面もございました。
ところが近年は、インターネットの世の中、商品情報が溢れております。
あっちを見たり、こっちを見たりで、ブランドも価格も、つねに比較検討できます。
先日はこのocean+αもオーバーホールの問題を取り上げておりました。
そこでこのヤドカリ爺も、外国ではどうなっているのだ、そのパーツ代などを調べてみると、器材のオーバーホールの費用というのはあまりはっきりしないのであります。
このご時勢、全体の印象では予備に同じモデルを買ってしまう、あるいはホースとか、ファーストステージ、セカンドステージをアセンブリーで通信販売でそっくり購入して、セルフサービスで交換しちまったほうが、割安らしい(あくまでもらしいでありますが)ようです。
かのアメリカのように、カリフォルニア州1つが日本と同じぐらいの大きさのお国では、こういった通信販売が、伝統のお国振りです。
あるダイビング器材のショップ、例えば、アメリカのDIVE GEAR EXPRESSというショップのサイトですが、世界中どこにも、即日発送、送料フリーとあります。
世界中どこでも送料無料のキャッチコピーにたがわず、日本円と米ドルが並んで表示、しかもその日の為替レートで換算されております。
つまりアメリカ国内と日本と同価格ということであります。
もちろん3000円のスノーケルを日本に無料で送れるはずもなく、約4万円以上が条件であります。
ただ、自分の器材を、顔の見えない、アメリカに注文するのは、心配な人もいるでしょう。
期待に添えない商品は返品自由だとしてもその手続きが面倒だし費用もかかる……と思いきや、返品費用支払い済みの返送ラベルつきというのです。
注文問い合わせはどこの国の言葉でもOKと、英語に弱い日本人にはうれしいことも書いてあります。
“経験ダイバーのためのショップ”というのがこの通販ショップのキャッチフレーズです。
経験ダイバーのためというのがキーワードで、注文をするダイバーに、ある程度の商品の知識があることを前提にしております。
そのラインアップの主力は、ヴェテラン、エキスパート向けの品揃えでありますが、マスクから、BCD、タンクはもちろんのこと、ナイトロックス、トライミックス対応のダイブコンピューターがずらり並んでおります。
さらにはオプチマ、メガロドン、ポセイドンといった最近話題のリブリーザーも常時在庫を謳っております。
驚くのは、レギュレーターを例にとると、ファーストステージ、セカンドステージ、ホース、接続用のアダプター、Oリングまで、ありとあらゆる小物パーツからコンポーネントまで、すべて写真入で網羅されております。
コンポーネントの買い方次第では、オーバーホールするよりもお安いということが、事実としてあるわけです。
はじめからオーバーホールを想定して、もう1セットまとめ買いをして、スペアとしてとっておくという策もありますな。
それができる価格設定になっています。
そのときに備えて、予備のOリングなども買っておけばさらに安心です。
ヤドカリ爺は地元のプロショップとのお付き合いを、否定するわけではございません。
気心知れたプロショップのアドヴァイス、商品情報は重要であります。
しかしこのインターネットで世界の情報が瞬時に飛び交う時代には、自分の器材選びにある程度の判断能力をお持ちの経験ダイバーであれば、このような器材購入が十分可能な時代が到来しているのは否定のできない事実なのです。
それでもなお、ご心配な方もおられましょう。
テックダイビングの器材については、このocean+αでも、田原浩一巨匠が、スプール(フィンガースプールなどと言うようですが)を例にとって、器材の使いこなしの深遠さを語っておられ、このヤドカリ爺もなるほどなるほどと読ませていただいております。
器材というのは使い方をマスターしてこそ器材であります。
たとえば、このアメリカの通販ショップの、スプールのコーナーには、使いこなしの注意点が、いわく、「購入したままで使うな」「ラインが硬く巻き込まれているので、スムースに解けるように常に巻きなおせ」、「安全な環境で実際に練習してから使え」などなど、まことに丁寧に説明をしております。
つまり通販サイトというのは、商品情報だけでなく、その使いこなしについての、メディア的性格をあわせもっていることを物語っております。
とまあ、ヤドカリ爺は、こんな通販サイトを見つけて、世界はもはやボーダーレスの時代になったことに、ただただ驚いております。
また日本ではかなりニッチなダイビングマーケットと思われているテックダイビングが、世界では大きく広がりつつある1つの証かとも思うのであります。
またテックダイビング器材を通販するには、これほど膨大な品揃えが必要であることを知るよい機会でもあります。
クリックするたびに新しい発見がありましたぞ。