御蔵島の気まぐれなイルカたち ~イルカからの~、ハンマーヘッドシャークへ!~

先週の金夜出発で本御蔵島へ行ってきました。
土日で3本、ドルフィンスイム。

御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

もう何年も御蔵島へ通っていますが、今回の御蔵島では「自然って気まぐれだな~」と改
めて思いました。

まず、人の思惑など知らんぷりの自然をよく表す写真をご紹介。

使用前
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)


使用後
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

本人達に掲載の許可を得ていないのですが、きっと許してくれるはず(笑)。

今回の参加者の皆さんは、放っておいてよいほど上手だったのですが、「イルカと遊びたい!」とやってくる人の中には初心者も多く、イメージ先行ではじめのうちはテンションMAXなんですが、実際にドルフィンスイムをやってみると、船酔いしたり(特に三宅から)、ボートに乗り降りしたり、意外と体力的に大変で、最後はぐったりというケースも少なくありません。
今回もうねりが入っている場所にイルカが集まっていて、僕も水面酔いで吐きそうでした。

人間の思惑の範囲外で時間が流れる自然と遊ぶには、こちらが自然に寄り添うしかありません。
よ~く考えると、東京からひと晩寝ればイルカと遊べるだなんてちょっとした奇跡。

御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

自然と付き合うということは、長く付き合って、その変遷、物語を楽しむものだと個人的には思っています。
大半は特に何も起こらない自然の中で、たまに起きる奇跡を目撃した時の感動は忘れられないものとなるわけで、いきなりその奇跡に遭遇して、それが当たり前に思ってしまうことは、ちょっとつまらないな~とも思ってします。

ただ、たまの休みを効率よく過ごし、費用対効果の良い遊び方をしたいというのも当たり前のこと。
ゲストの要望に寄りそうことが商売の基本ですから、自然に寄りそうこととの兼ね合いは難しいところです。
前者は短期間に効率よく、後者は長期的にあるがままを受け入れる、ですからね。

御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

ここ数年、御蔵島へ通っていて思うことは、イルカの数が減ったということ。
実際、50頭ほど減ったとのことで、その上、シーズンインからだいぶ経って人間に飽きてきたのか、そう簡単に遊べなくなってきたな~という印象です。
自然はやはり気まぐれで、その一部であるイルカもやっぱり気まぐれだな~と思いました。
だからこそ、「なんで減ったんだろ?」と考える楽しさがあり、遊ぶために気をひく方法を考える楽しさがあります。

たとえイルカが減ったとしても、それでもイルカにこれほど確実に会える海は珍しいのですが、イルカと遊びまくっている映像が出回っていますから、みんな若干、不感症になっているという話を聞きます。
一緒に遊べるのが当たり前になっているようですが、野生のイルカと遊べるというのは、やっぱり、なかなかの奇跡なんだと思います。

そんな奇跡を手繰り寄せるためには、長期的に寄り添うほかには、体力つけてスキルアップするしかありません。
商売的には「体力なくても誰にでも」を目指したいところですが、こちらから自然に寄り添うとすれば、体力はあったにこしたことはなく、技や知識もそれなりに必要になってきます。
具体的には、ヘッドファーストをマスターし、効率よく水中にいられるようになれば、一層イルカと深く付き合えることは確かなことです。

イルカの進路を先取りして潜ることができれば、イルカも「ん? なんだ、君?」と、こちらに興味を持ってくれる可能性が高くなります。
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

水中にしばらく留まることができれば、太陽光を入れて、イルカを下から見上げることができたり、近付くこともできます。
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

ヘッドファーストは、一度体系的に教えてもらえば、すぐに5メートルくらいは行けるようになるので、ぜひ講習を受けることをオススメします。
5メートルにしばらくいられるようになれば、いろんなイルカのシーンを間近に見ることができるはずです。

タカベとイルカ
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

イルカのつるつるお肌を観察
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

遊んでおねだりイルカ
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

浅瀬でサーフィン中のイルカ
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

子連れのイルカ
御蔵島のドルフィンスイム(2012年8月)

短期的に効率よく最高体験ができる楽しさがある一方、長期的な付き合いの中で、普通を喜び、偶然に感動し、その一瞬を狙う、という楽しさも知ると、自然で遊ぶのがより一層楽しくなるのかもしれませんね。

御蔵島のドルフィンスイムのカメ(2012年8月)

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詳細はこちらの記事をご覧ください。
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そんなことを思ったのは、御蔵島からその足で神子元に来ているからかもしれません。

18年前に初めて潜ってから、神子元はちょこちょこ潜っているのですが、その代名詞ともいうべきハンマーヘッドシャークに出会ったことが未だありません。
そんな自分を励ますために、「自然とは気まぐれだから」と言い聞かせているのかも……(笑)。

さて、今日はどうなることやら。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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