伊豆の特定ポイントではなく「伊豆を潜る」ガイドの価値

伊豆半島はベストシーズン真っ只中!
ということで、3~4日の短い滞在で伊豆のいいとこ取りダイビングをしようと、ダイビングサービスむらいへ。
なぜ、このショップを選んだかといえば、もちろん、ガイドの村井智臣さんのキャラクターやガイド力も大きいのですが、「伊豆の○○で潜りたい」というより、ベストシーズンの「伊豆半島を潜りたい」と思ったからです。
新しいガイドスタイル
“伊豆ガイド”の価値
世界的に見ると、伊豆はなかなか特別なダイビングスタイルだと思います。
以前から常々思っていたのは、”ダイビングエリア”をカテゴライズするとき、例えば、パラオ、モルディブ、西表島と並列になるのは、規模感からいえば、富戸、八幡野、大瀬崎、安良里ではなく”伊豆”ではないかと。
そして、現在、伊豆のダイビングエリアとしてカテゴライズされている海は、規模感からいえば、ダイビングポイントという位置づけになります。
それが、ここまで細分化されているのは、日本独自の海の縄張りといった話もありますが、フィッシュウオッチングの成熟という側面があります。
四季折々で変化するひとつの海をウオッチし、生物情報に精通した現地ガイドの需要があるということでしょう。
成熟した、一方でマニアックな、世界に誇る伊豆のダイビング文化です。
出身地を聞かれたとき、僕などは「埼玉」と答えますが、神奈川でなく「横浜」と答える人がいるのと似ています(笑)。
あれも、横浜だけでしっかりブランディングできているからです。
※
一方で思っていたのが、「パラオのブルーホールに潜りたい!」というより「単にパラオを潜りたい!」という人がいるのと同じく、伊豆の○○で潜りたいというより、「伊豆で潜りたい」というダイバーも多いのではないか? ということです。
実際、伊豆のひとつの海に通う人でも、そこまで海の中やポイントに明確な目的を持っていないダイバーも多く、海というより、好きなダイビングショップ、ガイドがいるから通っているという人も多いのではないでしょうか。
そういう意味で、「ダイビングサービスむらい」のように、伊豆の各海どこにも行きやすい伊東を拠点に、当日の朝にベストな伊豆半島を決めて潜るスタイルは、実は多くのダイバーが望んでいるスタイルのような気がします。
それなら、東京にあるような都市型ショップのツアーでもいいのでは?
という声もありそうですが、やはり、ガイドに特化し、村井さんのような伊豆でガイドを20年近くやっていて“伊豆勘”とネットワークがあるショップとでは、ガイドの質が違ってきます(都市型は都市型で違うメリットがありますけどね)。
伊豆の○○のガイドではなく、”伊豆のガイド”の価値は上がってくる気がします。
その日の朝に潜るダイビングエリアを決めるスタイル
早朝、潜る海を決定
ゲストのリクエスト、レベル、そして何より、日々変化する生物情報と海況を当日の朝にチェックし、総合的に判断してその日に潜るダイビングエリアを決定。
東伊豆なら近くて30分以内、西伊豆なら1時間~でアクセス。
現地のダイビングセンターと情報交換
現地のダイビングセンターから情報を聞き、ダイビングプランを考えます。
基本、何度も潜っている海なので、生物情報がメインとなります。
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「黄金崎ビーチ」は、生物情報が随時チェックされているので、ガイドとしてはありがたい存在。海自体には村井さんも精通しているので、「○○のケイソンの北側にハナタツが……」といった、プロ同士の短い会話で済む
ブリーフィング
情報を元にプランを立てたら、ゲストにブリーフィング。
海の注意点やコース、生物情報などを伝える。
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あとは、通常のダイビングスタイルと同じ。
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この都市型ショップと現地ガイドの中間のような”伊豆ガイド”スタイル。
「とりあえず伊豆を潜ってみたい」「いろんな伊豆に潜りたい」という人にはおススメです。
○協力:西伊豆ダイビング
○撮影:越智隆治
○モデル:稲生薫子
ダイビングサービスむらい
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富戸のガイド16年、伊豆のガイド3年の、今年ガイド歴20年目の”むらいちゃん”。
底抜けに明るいキャラクターと、生物愛、ラブリーなスレート会話、マスク越しの笑顔で、老若男女ファンが多い。