ウエット?ドライ?伊豆でのダイビングに最適なスーツの選び方
四季のある伊豆半島の海を潜るとき、悩むのがスーツ選び。
「ウエットスーツなら何ミリがいいのだろう?」
「ドライスーツの方がいいのかな」
まず、伊豆のガイド歴20年目のダイビングサービスむらいの村井ちゃんが「絶対に間違っていると思うんだよね」といつも力説するのが…”夏は5ミリワンピースでOK”説。
伊豆っ子だった自分も完全に同意で、やはり、
“伊豆の海に5ミリワンピースは合わない”
が、ひとつの結論です。
7、8月の海でも冷たい二枚潮が入ってくることもありますが、夏は陸が暑いこともあって、ついワンピースで潜って、途中で寒くなることはよくあること。
ましてや、今回の11月取材でも、ワンピース+フードベストで潜っているダイバーが結構いましたが、皆さん、震えていました…。
“大丈夫”の意味は”我慢できる”ではなく”快適”
ダイバーに、防寒に関して「その装備で大丈夫ですか?」「その装備で寒くないの?」と聞くと、「大丈夫、大丈夫」と答えます。
その”大丈夫”に込められた意味の大半は、「我慢できる」「まあ、何とかなる」でしょう。
中には、我慢することを自慢話のように語る人までいます。
しかし、ダイビングにおいて、最大のストレスが”寒さ”。
僕も学生時代は17度を切るような時でも、ツーピースとはいえ5ミリのウエットスーツで潜っていましたが(買えなかったので…)、エントリーして10分で、エグジットすることばかり楽しみになり、エグジット後のお風呂を想像してテンションを上げていました(笑)。
これでは、何のために潜っているのかわかりませんよね。
寒さを我慢するのは事故の一歩手前。
“快適に潜り、余力を残す”のがダイビングの大原則で、”大丈夫”の意味は”快適”でなければならないのです。
伊豆半島で最適なダイビングスーツとは?
では、どんなスーツが最適かということですが、個人差があるので、あくまで僕の見解ですが、まず言えることは、四季のある日本では、陸上と同じように、水中でも衣替えがあって然るべき。
少なくとも2着併用が快適に伊豆を潜るポイントです。
通年、伊豆半島を潜るダイバー
伊豆を潜ることだけを考えれば、ウエットスーツとドライスーツの併用が一般的。
5ミリの2ピース+フードベストで夏~秋、その他はドライスーツがベストだと思います。
また、ガイドがよく着ているロクハン(6.5ミリのスーツ)であれば、ウエットスーツで潜れる期間が伸び、最も水温が下がる時期(2~4月)をのぞけば快適に潜れます。
ちなみに、個人的に一番注目しているのが、「世界一温かいウエットスーツ」とも言われる、フォースエレメントのウエットスーツ「プロテウス」。
わかりやすくいえば、セミドライスーツのようなもので、背中のファスナー部を開けると、中にもう一枚ネックシールがあるしかけ。
22度の海で快適に潜れ、「これは!」と感動してオーシャナでも販売することになったスーツですが、今度は、20度を切った海で7ミリを試してみようとたくらんでいます。
これで快適なら、動きやすくて温かくて言うことないですしね。
※詳細なレビューはこちら。
南の島ときどき伊豆のダイバー
難しいのが、南の島がメインで「たまには伊豆でも潜ってみたい」というスタイルのダイバー。
南の島を軸に置くダイバーは、最初に買うウエットスーツが、3ミリだったり、5ミリのワンピースだったりするのですが、やはり、本来ならウエットスーツの使い分けがベストです。
しかし、「伊豆はたまにしか潜らないし!」というのであれば、夏場に絞るか、秋にちょっと我慢して潜るしかないですね。
ちなみに、「5ミリワンピースでOK」という定説は誤解を生むとい言っているだけで、まあ、いけないこともないですし、潜った後のお風呂がすごく気持ちよかったりもするので(笑)、それはそれでありですが、やっぱり防寒バッチリでこそダイビングという気がしちゃいます(楽しさが2倍は違いますよ!)。
先日、ダイビング雑誌の伊豆付録を見ると、「夏は3ミリでもOK」みたいなことが書いてあり、マジか!と思いました、これもかなり限られた時期に、”まあ、潜れる”ってことだと思います。
■伊豆に通いたいけど、とりあえず1着しか買えない
伊豆を1着で長く潜るというのであれば、先述したロクハンがベター。
インストラクターの中には、何かと便利な通年ドライスーツの方もいますけどね。
ドライスーツがあれば
ベストの伊豆半島を体験できる
12~1月の伊豆半島は、透明度もよく、まだまだ生物も多くカラフルで、個人的には一番好きなシーズン。
多くのガイドや伊豆ダイバーに聞いても同じことを言う人が少なくないのですが、実はあまり潜られていない気がします。
一応、世界、日本中、人より多くの海を潜っていますが、ドライスーツがあるとダイビングの幅、興味の幅はかなり広がりますよ。
スコーンと抜けた冬の伊豆の海を初めて潜った時、南の島の透明度の良さとは違った、緊張感というか荘厳さに、ちょっと世界観変わりました。
余計なお世話ではありますが、ドライスーツ、ロクハン、セミドライなどなど、防寒対策をバッチリして、ぜひとも伊豆の冬も潜って欲しいと願いします。