伊豆の穴場ダイビングエリア「妻良(めら)」の新鮮な驚き
ベストシーズンの伊豆潜り歩き2日目。
初日はビーチダイビングだったので(海獣カメラマン越智隆治、滅多に潜らない伊豆でマクロ1本勝負)、2日はボートダイビング。
しかも、潜ったことがなくて、穴場的な海を潜りたいと伊豆ガイド(伊豆の特定ポイントではなく「伊豆を潜る」ガイドの価値)の村井ちゃんにリクエストすると、「だったら南伊豆の妻良(めら)に行こう!」。
確かに、現地ガイドがいない妻良(めら)は、伊豆フリークでもあまり潜ったことがない海で、伊豆の主要の海はほとんど潜っている自分も初体験です。
意外!?ダイバーが快適に潜れる施設
伊東からおよそ1時間半。
のどかな漁港の目の前にあるダイビングのクラブハウスに到着。
失礼ながら、思ったより施設がいい!
その知名度の低さから、漁師さんが片手間にダイビングもさせていて、施設も残念な感じなのかなと勝手に想像していましたが、ダイバー向けにシャワーが3基、ウエットスーツのまま入れるクラブハウス、そしてすぐ目の前の港にはダイビング専用船と、ダイバーのツボがおさえられています。
現地の窓口となっているボートダイビング海聖丸の清田聖二さんも一見怖そうですが(笑)、ハーレーとワンピース(漫画のほう)をこよなく愛する優しい兄貴。
迫力の海岸線がそのまま水中に再現された海
妻良港を出港すると、まず目を引くのが、海岸線の景観。
妻良の海岸線は、海底火山から噴出された火山灰や軽石でできた地層や洞穴が続き、見ていて飽きません。
地層を縦にぶった切るような斜めのラインはマグマの痕跡(岩脈)で、蛇が崖を横切るように見えることから「蛇下り」と呼ばれているそうです。
※
メインポイント「平島」へは港から5分ほど。
水深30mオーバーから立ち上がる巨大根は、水面上に少し頭を出しています。
水中は、海岸線がそのまま水中に沈んだような、切り立った迫力ある地形。
断崖絶壁の壁やV字に削れたクレバス、岩が折り重なってできたケーブなど、まさに外海の雰囲気。
潮通しもよく、”なんか出る感”をビシビシ感じます。
※
2本目は、岸壁沿いの湾状になった「グイシ」。
1本目とはうってかわって、白砂広がる穏やかなポイントです。
ソフトコーラルやイソギンチャクの着く小さな根が点在し、のんびりマクロ探しがオススメ。
もう一度潜りたい、穴場の海
この日は透明度も悪く、特にこれといったものも出ませんでしたが、それでも水中の状況からは期待値の高さを感じました。
ボートで5分ほどで、潮通しのよい巨大根があり、穏やかな海岸線のポイントもある。
まあ、たったの1日潜っただけでは何とも言えませんが、、ポテンシャルは十分に感じられました。
ただ、ファンダイビングに明るく、定期的に潜っているガイドがいないので、事前に海の情報がなく、使い勝手のよいダイバー向けの施設があるのにあまり知られていません。
また、現地ガイドがいないので、村井ちゃんのようなダイビングショップを通じて潜るケースが多いので、セルフダイビングはせず、現地サービスを使って個人で潜っているダイバーにはなじみのない海となっています。
妻良の海は、良くも悪くも確かに穴場。
知られていなくて「もったいないな~」と思う一方、ダイバー側としては、空いているし、快適に一日を過ごせ、海もおもしろいので、ぜひまた潜りたいと思いました。
潜りたい方は、セルフで潜れるボートポイントも珍しいので、きちんと潜れる方はセルフするもよし、行きつけのショップがあればリクエストするもよし。
時に潮も速いので、落ち着いて楽しみたいのであれば、まずは、村井ちゃんのような、妻良を潜ったことのあるプロと潜るのが安心かと思います。
○協力:ボートダイビング海聖丸
○撮影:越智隆治
○モデル:稲生薫子
海をガイドしてくれたのは…
ダイビングサービスむらい
富戸のガイド16年、伊豆のガイド3年の、今年ガイド歴20年目の”むらいちゃん”。
底抜けに明るいキャラクターと、生物愛、ラブリーなスレート会話、マスク越しの笑顔で、老若男女ファンが多い。伊東を拠点に、状況に応じて、確かなガイド力で伊豆の海をナビゲート。