海獣カメラマン越智隆治、滅多に潜らない伊豆でマクロ1本勝負
ベストシーズンの伊豆半島潜り歩き初日。
「2年近い伊豆マクロだし、ドライだし緊張する~」なんて言っている、普段、クジラやサメなど、大物ばかり撮影している越智カメラマン。
そこで、「小さい範囲で、水深も浅く、伊豆らしい生物がゆっくり撮影できる」とむらいちゃん(いつもの呼び方で)が勧める安良里「黄金崎ビーチ」へ。
普段、伊豆でマクロを撮ることがない越智カメラマンは、ミノカサゴやカワハギ、サビハゼなど、伊豆ダイバーには当たり前すぎてスルーしそうな魚も新鮮なようで、その姿が逆に新鮮。
寄れるネジリンボウを見て、「ヒレナガネジリンボウは海外にもいるけど、ネジリンボウは20年ぶりかも。大きいね」と嬉しそうです。
次々に被写体を見せるむらいちゃんに呼応して、伊豆の人気者を次々に撮影した越智カメラマン。
普段潜らない海だからこその感想を聞いてみました。
安良里「黄金崎ビーチ」はどうでしたか?
水深も深くないし、ゆっくり撮影できる。
生物情報もしっかり把握されていて、ラインもしっかり張ってあるし、砂地で単調な地形でも迷子になりにくい。
ひとつの被写体をじっくり撮影できて、フォト派に向いている海だね。
あまり撮影しない伊豆で感じた率直なことは?
明るい海でばかり撮っていたから、ライトが必要なことが新鮮。
そういえば、以前、八幡野で潜った時にも「これはライトがないとマズイ」と思ったことがある。
だから、自分の中で、ライトは重要な位置にはなかったんだけど、伊豆のダイバーがライトの性能にこだわるのがわかる。
RGBlueがとても使いやすいのが伊豆を潜ってよくわかった。
撮影で気を付けたことは?
海外に比べるとやっぱり地味目な感じになるので、バックを明るくするアングルで撮るように。
単純に色のある背景を探したり、あおり気味で撮れるとバックが青で抜けるので、目線を低くしたり。
そういう意味では、安良里のケイソンがちょうど撮りやすい高さで良かった。
なぜ、50でも100でもなく160ミリレンズ?
1日しか潜れない中で撮りきらないといけないので。
そりゃ、被写体によってレンズを変えたいのは常にあるよ。
例えばサビハゼがいっぱいいたけど、できるなら50ミリで寄って撮りたいし。
ただ、限られた時間の中で撮りきるということを考えれば160ミリってことになる。
ある意味、おさえにまわっているってことだけど、その中で納得してもらえる写真を撮らければいけないし、せめて、あともう1日あればな~。
越智隆治・フォトギャラリー@安良里「黄金崎ビーチ」
○協力:西伊豆ダイビング
○撮影:越智隆治
○モデル:稲生薫子
ダイビングサービスむらい
富戸のガイド16年、伊豆のガイド3年の、今年ガイド歴20年目の”むらいちゃん”。
底抜けに明るいキャラクターと、生物愛、ラブリーなスレート会話、マスク越しの笑顔で、老若男女ファンが多い。