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“ジオサイト”鳥取・田後の海でダンゴウオ三昧(第3回)

24時間営業のナイトダイビング!? ~浮遊系からタツノオトシゴの決定的瞬間まで~閲覧無制限

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現地からレポート
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鳥取田後のナイトダイビング(撮影:中村卓哉)

(撮影/中村卓哉)

「ナイトダイビングは何時頃にしますか?」と、当たり前のように言うザキさん(山崎英治)だが、もともとナイトダイビングよりビール派。
しかも水温11度の雨模様とくれば、一瞬ひるむ。

もちろん、仕事なので「いいですね!」となるわけだが、「テラさん、わかりやすいですよね~。大丈夫、ちゃんと楽しめますから」。
ちゃんとバレてる(笑)。

ビールを我慢し、日没を待って出港。
「ゴイシワラ」にエントリーした。

いろんなダンゴウオが撮りたいなら
ナイトダイビングは、はずせない

まずは、ザキさんが暖色系とLEDの水中ライトを、それぞれいろいろな角度に照射する格好で水底に設置。
ライトを仕掛けると、いつもはあまり出会わない、おもしろい生物が集まって来るという。

その間、根の周辺を探索すると、天使の輪ダンゴ(幼魚)が多いこの時期、日中にはほとんど見られない親ダンゴウオが登場。

鳥取田後のナイトダイビング(撮影:中村卓哉)

指第一関節ほどの大きさのダンゴウオ。日中、2~3ミリの幼魚をたくさん見たので、あまりの大きさに感動する

この時期(3~4月ごろ)はベビーラッシュで、日中、大人(成魚)はほとんど見られないが、ゴールデンウィークごろからは、赤、緑、ピンクなど、バリエーション豊富な大人のダンゴウオが見られるようになってくる。

なぜ夜に見られるかといえば、きっと狙われにくい夜に食事ということなのだろう。
赤ちゃんは日中ノーガードなので、結構、食べられちゃうんでしょうね……。

一度にダンゴウオのバリエーションを撮りたいなら、ナイトダイビングははずせない。

ちなみに、日本海でも5月に抱卵しているダンゴウオが見られているので、日中でももちろん見られるチャンスはある。

「水温が高くなる夏場は、ダンゴウオは深場へ移動する」なんて話も聞くが、ザキさんによれば、ダンゴウオの遊泳力を考えると行動範囲はかなり狭く、もしかしたら1年中いるのでは?とのことだった。

夏場はワイドシーンが見どころの田後の海だが、あえてダンゴウオ探しをするのもありかも。
個人的には深場へ大移動しているダンゴウオなんてのも見てみたいけど(笑)。

ナイトダイビングで
ブームの浮遊系生物を撮影

やはりナイトダイビングでもダウンゴウオが注目される海だが、「浮遊系もやってみましょう」とザキさん。

現在、“浮遊系”と呼ばれるプランクトンの仲間の撮影がブームとなっているが、田後でもチャレンジしてみることに。

ダイビングの後半、水底に設置してあったライトに行ってみると、見たこともない、気持ち悪い……いや、キモカワイイ生物たちがウニョウニョワラワラ集まっている。
おもしろいのが、暖色系ライトとLEDライトで集まっている生物が違う。

こんなエイリアンみたいな写真、撮ってみたいですね。

ツノウミノミらしきウミノミ

ツノウミノミらしきウミノミ

ライティングからピントなどの撮影テクニックはもちろん、ダイビングのスキルも問われるので、きっとフォト派は燃えて萌えるはず。

24時間営業のナイトダイビングで
決定的瞬間シーンが生まれた!

ダンゴウオや浮遊系のほか、まだまだ夜の魅力はたくさん。

例えば、エビ・カニ(甲殻類)。
夜に活動的になるので、多くの種類が見られるようになる。

鳥取田後のナイトダイビング(撮影:中村卓哉)

背中に海藻を乗せてカモフラージュするコノハガニ

鳥取田後のナイトダイビング(撮影:中村卓哉)

アシナガモエビモドキ

そして、夜のウミウシは一層妖艶な魅力を放つ。

鳥取田後のナイトダイビング(撮影:中村卓哉)

スギノハウミウシ

さらに、昨年、NHKの「ダーウィンが来た」でタツノオトシゴの貴重な生態シーンが撮られた海もここ田後。

■オスが出産!? 珍魚タツノオトシゴ
http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/detail.cgi?sp=p432

この貴重な出産の決定的瞬間が撮られたのは深夜2~3時にかけて。

鳥取田後のタツノオトシゴの出産(撮影:山崎英治)

写真提供/ブルーライン田後

鳥取田後のタツノオトシゴの出産(撮影:山崎英治)

写真提供/ブルーライン田後

鳥取田後のタツノオトシゴの出産(撮影:山崎英治)

写真提供/ブルーライン田後

24時間営業の田後なら、同じようなシーンをアマチュアでも狙うことも可能だ。

鳥取田後のタツノオトシゴの交接(撮影:山崎英治)

交接シーンは日中の海で撮影できる。交接から出産まで、24時間営業の海で狙うのもおもしろい 写真提供/ブルーライン田後

結局、カメラを持って潜ったところ、寒さも忘れて夢中になって1時間半も潜ってもた……。

自分もそうだが、ナイトダイビングをあまりしない人は出不精みたいなもの。
普段でも「出かけるのが面倒くさいな~」と思いつつも出かけてみると「行ってよかった~」ってことありますよね?

意外とドライスーツを履いた瞬間、楽しくなってきて、結局、充実した時間を楽しめる。

自分の場合、それでもビールの力は絶大なのだが、ゴールデンウィーク以降の田後のナイトは、是が非でも潜りたい。

ビールよりダンゴ。
そう思わせてくれた田後の夜だった。

(撮影/中村卓哉)

ブルーライン田後

「地元の海でダイビングショップを開きたい!」との思いから、地元出身の山崎英治さんが日本海に面する鳥取県の田後にオープンした現地ダイビングサービス。オープンから7年目となり、ダウンゴウオをはじめ、生物のデータもそろってきて、多岐なリクエストに応えてくれる。日本海の撮影ガイドも多く引き受け、NHK取材班とはタツノオトシゴの貴重な交接シーンの撮影にも成功。施設、港、ダイビングポイントとコンパクトにまとまっており、ダイバーが過ごしやすい施設も整っているので、一日を快適に過ごすことができるだろう。

ブルーライン田後
〒681-0071鳥取県岩美郡岩美町田後37-1
TEL&FAX 0857-72-8520
http://3seens.com/

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