Google Earthで新規ポイント開拓!?阿嘉島に100回潜って見つけたイチオシのポイントとは?開拓ダイビングを取材中にやってみた!
マリンハウスシーサー阿嘉島店のメインガイド・三浦陽さんの趣味は「開拓ダイビング」。
休みの日があると、新たなダイビングポイントを探して一人で年に何十回か潜り、さらに年間4〜5回はスタッフみんなで潜りに行くといいます。
そんな三浦さんと話をしていると、とてもおもしろいことをつぶやき始めました。
「最近Google Earth(グーグルアース)でポイント開拓しているんですよ」
え?
目で見て探すのではなく、Google Earthで!?(笑)
なんでも、最近のGoogle Earthは性能が良すぎて、海の中までも見えてしまうというのです(島の周りの一部のみ)。
まさか衛星写真で探すなんて予想もしていなかったことだけに、とてもびっくりでしたが、さすがガイドさん。目のつけどころが違いますね。
というわけで!
いま三浦さんが一番気になっているという“あるポイント”に、取材班、潜入してみました!
潜ってみたらこんなところだった!
生き生きサンゴの群生を発見
開拓中のポイントにエントリーすると、生き生きとしたサンゴの畝(うね)が目の前にどーん。
さまざまな種類のサンゴがところ狭しと生きていました。
美しい! きれい!
しかし少し進むと、サンゴが死んでいるエリアも発見。
そしてまた進むと生き生きサンゴエリアに突入。
“生き生き”と“がれ場”を繰り返すようなポイントでした。
途中、三浦さんが、指示棒でサンゴの中をほじくり出しました。
なにごとかと思ってのぞいてみると、サンゴの中から貝が。
シロレイシガイダマシです。
ミドリイシ系のサンゴを捕食する、オニヒトデに次いで、ガイドの頭を悩ませる生き物。
オニヒトデは、2000〜2003年に阿嘉島付近では大量発生しましたが、その後駆除され、今では月に1度見るかどうかという程度にまで減少。
それに代わって現在はシロレイシガイダマシに悩まされていると言います。
シーサー阿嘉島店では、開拓ダイビングや、通常のファンダイビングをしながら、サンゴの保全活動も同時に行なっているとのこと。
今回もたくさんのシロレイシガイダマシを発見しました。
*
開拓ポイントの最後の方には、珍しい光景が広がっていました。
一面に広がる、紫色のウミトサカと真っ赤なヤギの風景です。
ハードコーラルばかりだった海が一瞬にしてソフトコーラルの海に大変身!
最後まで楽しませてくれるポイントでした。
エキジットをしようと浮上サインを出し合った瞬間、マスクの隅に、大きなイセエビの触覚が飛び込んできました!
2匹のイセエビは、このポイントの主でもあるかのような大きさ。
このイセエビからも、サンゴからも、ソフトコーラルやヤギからも、普段は誰も立ち入っていないことが伝わるポイントで、久しぶりにワクワクしたダイビングでした。
いつか、このポイントが正式なポイントになって、多くの人を楽しませてくれるといいなと思っています。
開拓ダイビング一問一答
一番のおすすめポイントはどこ!?
三浦さんに、開拓ダイビングを始めたきっかけや、どんな思いで開拓をしているのかなど、いろいろとお話を伺ってみました!
- Q. 2019年5月現在、阿嘉島にシーサーで使っているダイビングポイントは何箇所ありますか?
- A. 80ポイントです。
- Q. そのうち何ポイントが三浦さんが開拓したポイントですか?
- A. 15ポイントです。
- Q. 開拓したポイントのうち、一番のお気に入りはどこですか?
- A. 「トムモーヤ」の南側のポイントです!
- Q. どうやって見つけたんですか?
- A. 「トムモーヤ」がおもしろいポイントだったので、ガイドのないときに一人で探してみました。すごく広いエリアなので、どこに魚群が出るかわからない。いろいろな角度から潜り倒して、500m四方くらいは見ましたね。
合計で100回くらいエントリーして、全体像を把握しつつあるポイントです。
とはいえ、まだ把握し切れていない部分もあり、引き続き勉強中です。 - Q. 100回!すごいですね! そこはどんなポイントなのでしょう?
- A. 海底山脈、群れ(イソマグロ、グルクン、テングハギモドキが300〜400匹がタワーみたいになっていたり、サメ系、ノコギリダイなどがいる)がたくさんいて、平均点は基本的に高いです!
- Q. 誰でも潜れるのですか?
- A. 完全に上級者向けのポイントです。ボトムは25mくらいですが、かなり流れます。
スムーズなフリー潜降で、目標の根に降りる必要があります。
なので、100本以上、3ヶ月以上のブランクが無い方が望ましいです。 - Q. Google Earthで見つけたポイントはどこですか?
- A. 嘉比島周辺の隠れ根はGoogle Earthで見つけました。
おもしろそうな露出岩があって、潜ってみたらやはりおもしろかったという感じですね。 - Q. 他にもありますか?
- A. 完全に海底にあって見えないという意味では、阿嘉島の南側にあるサンゴのエリアはGoogle Earthで見つけました。浅くなっていたので、怪しいなと思って(笑)
あとは「伊釈加釈隠根(いじゃかじゃかくれね)」なんかは、絶対にGoogle Earthでなかったら見つけられませんでした。 - Q. Google Earthで見つけて潜ってみて、ボツになったポイントもありますか?
- A. たくさんありますよ。浅いので潜ってみたけど、全部がれ場だったり……。
- Q. 今、潜ってみたいポイントありますか?
- A. いろいろあります! 社外秘なので具体的な場所は言えませんが(笑)
- Q. Google Earthで探していることを記事でばらしていいのですか?(笑)
- A. 全然OKです! みんなやっていると思うし、むしろみんなやってもらって、ポイントをもっと増やして欲しいと思っています!
すごい……聞いているだけで潜りたくなりますね!
というか、慶良間ののんびりとしたイメージからはあまり想像もつかない海ですね。
「休みがあると外地島をシュノーケリングで1周(3〜4時間)したりして、新しいポイントを探す日もあります」と三浦さん。
どんだけ開拓好きなんですか!!(笑)
*
「“慶良間にはもっといろいろなタイプのポイントや楽園のようなサンゴ礁があるんじゃないか”、その気持ちが原動力になっています。
約10数年前はサンゴも死んでしまっていたし、私の経験もまだ少なく、潜れる場所が少なかったんです。
約20~30箇所のポイントをよく使っていました。
そのときに、自分自身がもう少しいろいろな慶良間を見てみたいし、ゲストにも見せてあげたいと思いました。
また、ここ数年、慶良間のサンゴがすごく復活しているのもあり、他にもまだまだサンゴが復活している場所があるんじゃないか? それに、もし誰も潜らない場所でオニヒトデが発生していたら困る、という思いもあります。
今では、
1:ゲストを飽きさせたくない
2:慶良間って「イメージしているよりも、いろいろな表情がある海なんだぞ」と知ってもらいたい
3:ゲストにあらゆる慶良間を見てもらいたい、シーサーでないと行くことができないという付加価値をつけたい
という思いで開拓をしています。
慶良間は優しい癒し系の海というイメージがあると思いますし、僕自身も当時はありました。
でも開拓をしていったら常連さんがもっと喜んでくれて、“こんな慶良間もあるんだね”と言われるようになりました。そういう声があるから、やめられないんですよね」
*
ネット上には載せていない、マル秘ポイントがある!と伏線を張ったような状況で終了したインタビュー。
シークレットポイントもたくさんあるらしいので、気になる人はマリンハウスシーサー阿嘉島店に、ぜひ潜りに行って確かめてみてください♪(そしてこっそり教えてくださいね!笑)
レポート/稲生薫子
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