おさかなアートクリエーター・鈴木翔太、ダイビングに初挑戦!
スキューバダイビング(以下、ダイビング)には、本格的にダイビングを始める前にダイビングをお試しできる「体験ダイビング」というコースがあるのをご存知だろうか。10歳以上から参加可能で、プールや海で水深12mまでのダイビングを体験できるコースだ。インストラクターが、ダイビングの基本的なルールや注意点、器材の使い方、水中の楽しみ方などを説明し、実際に器材をつけて水中世界へ挑戦するというもの。今回、この体験ダイビングに挑戦したのが、ダイビング未経験者のおさかなアートクリエーター・鈴木翔太くん(11歳。以下、翔太くん)と翔太くんのお父さん。はたして無事に “初ダイビング”を楽しんでもらえるのか、早速レポートしていきたい。
Who is 鈴木翔太くん?
翔太くんは最近各メディアでも注目を集める、静岡県沼津市公認の「おさかなアートクリエイター」だ。1歳で初めて絵を描き、もともと絵を描くのが好きだった翔太くんは、小学2年生当時のお正月に放送されていた「体感型動物園izoo(イズー)」の『巨大池建設プロジェクト』 に関するニュースを観ていた時に抱いた、「カメが困っているからぼくが手伝う」というシンプルな気持ちから、「絵を売って寄付したい!」と考えるようになったのだそう。自分で描いた絵で展示会を開催するだけでなく、その絵をオークション形式で販売し、売り上げを深海魚のPRに取り組む一般社団法人に寄付を行ったこともある。そんな翔太くんが、今回初めて海の中で実際に泳ぐ魚と触れ合うこととなった。
初めてのダイビング体験の舞台は、西伊豆・平沢
静岡県沼津市西浦平沢のビーチ。風や台風などの影響を受けにくい環境もあって穏やかなコンディションの日が多く、かつ比較的浅い水深とあって、特にビギナーの方やダイビングが初めてという方には最適なダイビングエリア。ウミウシや甲殻類、小魚たちの群れをはじめ、ごく稀にアンコウやウミガメが出現することもある。
体験ダイビングスタートで親子バディ誕生!
健康チェックをしたら、ダイビングの基本を学んでいく
海に到着したらまず、体調や健康状態についての確認用紙を記入。そのあとは、水中で体に起きる変化や水中での呼吸方法、水圧で耳が痛くなったときの対処方法、器材の使い方など基本的なダイビング方法を教わっていく。体験ダイビングで使う器材はフィン、シュノーケル、マスク、グローブ、ウエイトベルト、ウエットスーツ、ブーツ、BC(浮力を調節するベスト型のもの)、レギュレーター(空気を吸うためのもの)、オクトパス(緊急用のレギュレーター)、コンソールゲージ(タンクの残圧を示す残圧計と方位を示すコンパスが一体となった計器盤)の11点。種類多くて覚えられない!というのが皆さまの感想だろうが、インストラクターが丁寧に使い方を説明してくれるうえ、基本的にすべての器材をレンタルできるのでご安心を。今回は、翔太くんとお父さんもダイビングショップが用意したレンタル器材を使用した。
レクチャーを受け、ひととおりダイビングの基本を学んだ二人はいよいよ海へ。いきなり深場へと行くのではなく、最初は浅場でレギュレーターを使った呼吸方法やマスクに水が入ったときの対処法など、ダイビングに必須のスキルをインストラクターの丁寧な説明のもと練習していく。
浅場でみっちりスキルの練習
水中で落ち着いて楽に呼吸するための呼吸練習、マスクの中に水が入ってきたときの対処方法、水深が深くなったときに耳が痛くならないように耳ぬきの練習など、“水中”という特殊な環境で行うスポーツ独特のスキルを繰り返し練習し、徐々に器材や水に慣れていく二人。
特に耳抜きは深く潜るために必須のスキル。それを知っていた翔太くんとお父さんは、事前に家のお風呂で一緒に耳抜きの練習をしていたそう。その練習の成果が出ていたのか、耳抜きも難なくクリア!
器材を身につけるとき、お父さんが息子を助け、息子もお父さんを助ける様子が見られた。ダイビングでは二人一組でバディになり、お互いを信頼し支え合う。小学校6年生になった翔太くんはきっと、幼少期ほどお父さんに頼ることはなくなり、お父さんとこんなに近くで接することは少なくなったのではないかと思う。しかし不慣れな水中という場で行うダイビングを通じて、お互いが歩み寄り、助け合い、その中に親子の絆が垣間見え、取材に同行していた筆者も温かい気持ちになった。
翔太くんは海に入る前は少し緊張していたのか、言葉数が少ない印象だった。しかし潜って魚を見た瞬間、一気に胸が躍り始めたのを横から見ていた筆者も感じた。浮上したとき、翔太くんが目をキラキラさせながら、口から出た一言目の「楽しかった‼︎」という言葉だった。
少し休憩…。
さすが、おさかなクリエーター。インストラクターが紹介する魚に興味津々だ。翔太くん自ら魚の漢字クイズも出してくれるなど、ダイビング前に比べ緊張もとけたせいか生き生きとして楽しそうな様子。水中で魚を観れたことによほどテンションが上がったのだろうか、観ているこちらまで嬉しくなった。
いよいよ深場にチャレンジ!
浅場でスキルを練習したらよりディープな海の世界へ。スポットにもよるが、今回の平沢のビーチは水面のブイから海底までロープがつないであり、それにつかまりながら水深を下げていく。鼻をつまんで耳抜きをしながらゆっくり水中へ。浅場とはまた違う世界が広がる。
初めてのダイビングは水中でバランスを取るのが難しく、お父さんは苦戦していたが翔太くんは物ともせず、すぐに慣れていた様子だった。水の中にいる時間はあっという間の30分程度だが、魚たちや青い海の美しさ、宇宙遊泳しているようなふんわり感を感じてもらえているようだった。
翔太くんダイビングを終えてみて
「めちゃくちゃ楽しかった!一番楽しかったのは深いところに着いたときと、岩場に沿って泳いでいるとき。深いところでも全然怖さは感じませんでした。お父さんと一緒にダイビングをできたことも嬉しかったです。絵で描いたことがあった、キュウセンもじっくり見ることができて、テンション上がりました。次の絵はキュウセンをまた描こうかな。ハゼも観られたから描いてみたいです。やっぱりサメは一番好きなので、ダイビングでもサメを観てみたいです。南伊豆にいるハンマーヘッドシャークは絶対観たいです!」。
一緒に潜ったお父さんからは、「父親らしい頼れる姿を見せようと思ったが、逆に手を引っ張られてしまって…(笑)。翔太の水中に順応する才能に驚かされました」と翔太くんの意外な一面を知り、褒めていたのが印象的であった。
編集部員セリーナより
今回、初めて翔太くんにお会いし、体験ダイビングのサポートと取材のために同行させていただいた。翔太くんはなんと、幼稚園生のころからダイビングに興味を持ちはじめ、いつかは体験してみたいと思っていたという。今回、その念願の瞬間に立ち会うことができ、さらに翔太くんの楽しそうな姿を間近で観て私まで嬉しくなった。次は銀座で行われる自身の個展に向けて絵を描くそう。これからも翔太くんに注目し、応援していきたい。
■鈴木翔太くんについて
2010年1月31日生まれ 静岡県沼津市内の小学6年生
沼津市公認おさかなアートクリエーター
公式HPはこちら
オンラインショップはこちら
■オーシャナの過去記事
・連載スタート!おさかなアートクリエーター・すずきしょうた、今月の1枚
・おさかなアートクリエーター・すずきしょうた、今月の1枚 VOL.2
・おさかなアートクリエーター・すずきしょうた、今月の1枚 VOL.3
・おさかなアートクリエーター・すずきしょうた、今月の1枚 VOL.4
■今回利用した現地のダイビングサービス
平沢マリンセンター
奥駿河湾の海に面した場所に位置しており、スキューバダイバーやシュノーケラーの皆さま専用の有料施設で、世界最大のシェアを誇るスキューバダイビング教育機関「PADI(パディ)」公認のダイブリゾートでもあり、PADIインストラクターが常駐。