むらいさちの南極物語(第1回)

「ワクワクや感動を多くの人に届けたい」。南極ダイビングに挑む水中写真家・むらいさちさんへインタビュー

「いつか行ってみたい」と子どもの頃から憧れる場所はありますか? 実際に訪れた方も、まだ訪れていない方も、その場所へ想いを馳せるだけでもワクワクしますよね。

今回は、そんな幼い頃からの夢を叶えるため、親友の「ダイビングサービスむらい。」の村井智臣さんとともにクラウドファンディングに挑戦し、憧れの地「南極」へ向かう、水中写真家・むらいさちさんへインタビュー。

左:むらいさちさん 右:村井智臣さん

左:むらいさちさん 右:村井智臣さん

子どもの頃から憧れた南極へ

インスタライブでインタビューさせていただきました

インスタライブでインタビューさせていただきました

スイカ

ついに憧れの地、南極に行かれるとのことですが、さちさんにとっての南極とはどんな場所なのでしょうか?

むらい

子どもの頃に日本の南極観測隊に同行したカラフト犬の兄弟、タロとジロの物語の本を読んだのがきっかけです。それ以来、いつか行ってみたいとずっと思っていました。

スイカ

子どもの頃からの夢だったんですね。

むらい

そうなんです。現実には簡単に行ける場所ではないですし、夢見がちな少年として心の中にずっと南極がありました。時間が経ってもその思いが消えることはなく、ようやく今回行けるタイミングが重なったんです。本当は昨年行く予定だったんですが、予約が取れずに今年になりました。長年カメラマンとして頑張ってきた自分へのご褒美でもあります。

静寂が広がる南極の海

静寂が広がる南極の海

スイカ

今回はクルーズで行くと伺いましたが、具体的にはどんな旅程で南極を潜られるんでしょうか?

むらい

まず成田からドバイ経由でアルゼンチンのウシュアイアに向かいます。そこから船で南極に向かうのですが、ペンギンが多く生息する島や、独特な風景の島々を巡りながら最終的に南極へ向かいます。

クルーズ自体は20日間の長旅です。船内では世界中の人々と交流できると思いますし、それも楽しみの一つです。ただ、ドレーク海峡を越える際の揺れが非常に強いと聞いているので、それが少し不安ですね。

極寒の地・南極での活動と準備

スイカ

南極ではどのような活動を予定していますか?また、準備は大変でしたか?

むらい

今回の目的は南極の水中と風景を撮影することです。ただ、南極の水中情報はほとんどネットにも出ていません。ダイビングできる場所は一応あるので、タンクやウエイトは現地のものを借りますが、他の器材は全部持参です。

スイカ

寒いところならではの持ち物などもやはり多くなりますよね。

むらい

そうですね。レギュレーターは寒冷地仕様のものをタバタさんにご提供いただきました。陸でも水中でも防寒は必須ですし、カメラも凍らないような対策が必要ですので、通常のダイビングや撮影に比べると持ち物は増えますね。

スイカ

これまで寒冷地でのダイビングの経験はあるのでしょうか?

むらい

知床の流氷ダイビングにここ数年は毎年行っていました。その経験が役立つと思います。

スイカ

南極でのダイビングのイメージも大体ついていますか?

むらい

実は情報が全然ないんですよね。水温やどれくらい潜れるかなど、聞いてはいるんですが、海況によるとしか言えないみたいです。でもネットを調べれば世界中どこでも情報が出る時代に、これだけ情報が事前に手に入れられない旅って逆にないのかなと思って、 そこが楽しみだなって結構思ってます。

スイカ

確かに、そうですね。撮影については、具体的なイメージや狙いはありますか?

むらい

正直、どんな写真が撮れるのかまったく分かりません。南極の風景や水中をその場で感じたままに撮りたいと思っています。ペンギンや氷山など、絵になる被写体はたくさんあると思いますし、氷の下から景色を見てみたいというのもあります。一緒に潜る村井ちゃんは伊豆のガイドさんなので、生き物をとにかく探したいと言っていました。

生命の強さを感じる南極のペンギンたち

生命の強さを感じる南極のペンギンたち

スイカ

お二人が全然違う視点で南極を見てそうですね! それぞれどんな様子が見られるか楽しみです。

むらい

そうですね。でも、あまりイメージを固めずに行こうと思っています。僕は感覚派なので、事前に情報を入れすぎると他人と同じ写真を撮ってしまう可能性があります。その場で心がどう動くかを大切にしながら、自然の力をそのまま写真に収めたいです。

クラウドファンディングと支援者への思い

スイカ

今回、クラウドファンディングで多くの方から支援を受けていますが、その思いをどのように形にしていきますか?

むらい

支援者の方々には、旅の様子をリアルタイムで配信する予定です。Facebookグループを通じて日々の出来事を共有し、現地で撮影した写真や映像も随時お届けします。また、帰国後には写真展や報告会を開催し、成果を皆さんに直接お見せしたいと思っています。

僕にとって、写真はエンターテイメントであり、人を幸せにするものです。南極での挑戦を通じて、多くの方にワクワクや感動を届けたいと思っています。

最後に

スイカ

最後に、今回の旅への意気込みをお願いします。

むらい

南極は子どもの頃からの夢の場所であり、特別な挑戦です。準備は大変でしたが、多くの方々の支えがあって実現しました。この旅を通じて、未知の世界を皆さんと共有し、新たな感動を届けたいと思います。

応援してくださる皆さん、本当にありがとうございます。全力で楽しみながら頑張ってきます!

スイカ

さちさん、ありがとうございました! 気をつけて行ってきてください!!

さて、南極ではどんな冒険が待っているのか。すでに日本を出発し南極へ向かう途中のさちさん。その様子をocean+αでも少しずつ連載でお伝えしてくれるそうなので、お楽しみに。

むらいさち
むらいさち
沖縄県座間味村でのダイビングガイドを経て、写真の世界へ。雑誌や広告での撮影をメインに、エッセイの執筆、トークショー、メディアへの出演や、旅を楽しみながら撮り方を教えるワークショップ、町おこしを応援するフォトツアーの企画開催など、その活動は多岐に渡る。水中からオーロラまで地球全体をフィールドに、一年の多くを取材先で過ごし、「しあわせな瞬間」を追い求め撮影を続けている。描くように撮る独自の手法で、他にはない、やわらかく優しい色の世界を表現した作品は、癒やしを求める女性から、人気を博す。
著書:写真集「Life is Beautiful」(LiBbooks)、「ALOHEART」「LinoLi」(LifeDesignBooks)、「きせきのしま」(小学館)、FantaSea(BUNKADO)、「しあわせのとき」(LibroArte)写真絵本「よるのこどものあかるいゆめ」詩:谷川俊太郎(マイクロマガジン)
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  1. 「ワクワクや感動を多くの人に届けたい」。南極ダイビングに挑む水中写真家・むらいさちさんへインタビュー
  2. 写真家・むらいさち、夢の南極冒険記。①経由地ブエノスアイレスからその想いをお届け
writer
PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
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