パラオのレジェンドガイド 長野浩さんインタビュー 「コース取りとガイドの力量で、パラオはビギナーから楽しめます!」
「パラオの魅力を教えてもらうなら、この人をおいてほかにいない!」とオーシャナ編集部が白羽の矢を立てたのが、「パラオのレジェンドガイド」と呼ばれる長野浩さん。
長野さんは27歳のときにパラオへ渡り、以後ダイビングガイドとして26年間、潜り続けてきた。そんな長野さんに、編集長・寺山がぶっちゃけトークも交えつつ、お話を伺った。
■インタビュアー/寺山英樹
■撮影/菊地聡美
「ここ以外の海はない」と思い、
パラオでガイドを始めた
寺山
そもそも長野さんがパラオでガイドになられた経緯、その理由は何でしょうか?
長野
ダイビングを始めて最初の頃は、伊豆でばかり潜っていました。その後ダイビングの仕事に就くようになって、沖縄でしばらく働いていました。そしてパラオへ初めて行ったのは、27歳のときです。当時、ハワイにあるダイビングショップで働いていたのですが、そこの社長からパラオの手伝いに行けと言われて行きました。
実際に潜ってみて、透明度がいいのに、大きい魚から珍しいマクロ生物など見られる魚の種類も豊富でとても驚きました。しかも一年中暖かいので、「ガイドをするならパラオしかない!」と思い、27歳のときからパラオでガイドを始めました。
寺山
パラオは今でもスゴイ海ですが、昔を知るダイバーやガイドの方からは、「昔のパラオはすごかった!」と聞きます。やはりそうなのでしょうか?
長野
潜り始めた1980年代と今ではそんなに違わないとは思います。ギンガメアジの群れなんかは、今シーズンが一番すごかった気がしますし。
ただサメは昔のほうが多かったですね。一度に50匹くらいのサメが登場することは珍しくないことで、当時は、サメが20匹くらいだと少ない感じでした。
あとボートの数が増えましたね。当時は「ブルーコーナー」にボートが1艘だけなんてことも。何艘もいることのほうが珍しかったです。
90年代からマンタスポットも見つかり、
人気は不動のものに
寺山
今では日本のダイバーの間では、絶大な人気を誇るパラオですが、人気に火がついたのは、いつ頃なのでしょう? 何かきっかけはあったのでしょうか?
長野
ちょうど80年代が黎明期という感じで、だんだん人気が出てきましたね。1987年12月に『ダイビングワールド』の取材が来て、雑誌で紹介されてから人気がさらに上がってきましたね。その頃はまだ今のように潮を読んで潜ったりしていなかったので、ガイドもまだ手探り状態でした。今は潮の流れや見られる魚までデータ化されているので、今のガイドさんはラクですよ(笑)
寺山
当時のダイバーは、何を求めてパラオに来ていたのでしょうか?
長野
サメ、ナポレオンなどの大きな魚とギンガメアジやバラクーダなどの魚群が目当てでしたね。その頃はまだマンタポイントは見つかっていませんでしたから。
寺山
マンタと会えるポイントが見つかったのは、いつ頃なのでしょうか?
長野
「ジャーマンチャネル」が見つかったのは、1990年か91年くらいだと思います。それまでも潜っていてマンタを見ることはあったのですが、クリーニングステーションの存在がはっきりわかってきたのが90年頃だと思います。
80年代は、マンタスポットは沖縄の「ヨナラ水道」くらいだったんじゃないですかね。
その後、90年代に入つてからクリーニングステーションにマンタが集まってくることがわかって、世界のあちこちでマンタポイントが見つかってきたと思います。
新種やパラオ初記録種も見つけた
「深海の貴公子」伝説
寺山
その後、長野さんが「マリンレイク」でのマクロ生物などを紹介するようになって、「マクロといえば長野さん」というイメージが定着してきましたね。大物が人気のパラオで、マクロ生物に目を向けるようになったのは、きっかけがあるのですか?
長野
「シャンデリアケーブ」でニシキテグリを見つけたとき、「おおっ!」と思ったのがきっかけです。
当時、魚図鑑というと益田一先生(水中写真家、魚類研究家。伊豆海洋公園ダイビングセンター創始者)のものくらいしかなかったので、マクロ生物の名前もなかなかわからなかったですね。
また、休みの日に「ブルーコーナー」にマクロレンズをつけたカメラを持って垂直に深く入っていたところ、アケボノハゼを偶然見つけました。その頃『ダイビングワールド』で連載を持っていたのですが、モンツキカエルウオの正面からの愛らしい顔を最初に撮って紹介したのは、僕なんじゃないですかね。
ほかにもパラオで見つかった新種のハナダイの仲間を紹介したときは、色がとてもきれいな魚だったので、お客さんはもちろん、日本人のガイドの方たちも見に来ていましたよ。
寺山
長野さんは、深場まで潜って新種やパラオ初記録種をいろいろ見つけられ、「深海の貴公子」と呼ばれていましたが(笑)。深い海には、何か引き付けられるものがあるのですか?
長野
人が行っていないところに行くと、いろんなものが見つけられるんです。そこで新種やパラオ初記録種なんかも見つけました。
僕が見つけたハゼには、通称「ナガノヒロシ」という名前がついているんですよ(笑)。お客さんも一緒に潜って、いろいろ探していましたね。今でも僕のことを知っているパラオのガイドは、「これはナガノヒロシ」だとお客さんに紹介してくれているみたいです。
パラオの海を熟知したガイドと潜れば、
だれでも楽しめる
寺山
パラオ歴26年の長野さんが思う、ズバリ、パラオの魅力って何でしょう?
長野
ひと言でいうと、透明度の良さと魚の多さのバランスがいい、生物の多様性、ですかね。また内海と外海がはっきり分かれているので、それぞれのダイビングポイントでいろいろな生物が観察できます。
前にセブに行ったとき、マンジュウイシモチとニチリンダテハゼが一緒のポイントににいたのですが、パラオではそれぞれ見られるエリアが違うので驚きました。
寺山
パラオは中級者以上向けの海というイメージがまだまだあると思いますが、ビギナーがパラオに行っても楽しめますか?
長野
大丈夫です。パラオの海をよく知っていて、ビギナー向けの見せ方を知っているガイドと潜れば、どなたでも楽しめると思います。
あとは潮を読んで、コース取りをしっかりすること。ガイドの力量とコース取りで、「ブルーコーナー」などの外海のスポットも安全に楽しく潜れます。
寺山
長野さんは今、パラオのダイビングサービス《スーパーフィッシュダイビング・パラオ》のスーパーバイザーをされていますが、こちらはどんなお店なんですか?
長野
日本人ダイバー向けで、ビギナーから楽しめるパラオをテーマに、上級者からビギナーまでどんなゲストにも対応できる店を目指しています。
パラオ店マネージャーの河合一嘉は、都市型ショップで20年のインストラクター経験がありますので、Cカードを取ったばかりの方でも、シニアダイバーの方でも、安全にパラオの海を楽しんでもらえると思います。ぜひこの夏、パラオの海を楽しみに来てください!
1987年パラオのダイビング黎明期からガイドを始め、パラオガイド歴は26年。パラオでのダイビング本数は約14,000本と、依然最多(?)。さらに、パラオ初記録種は100種類以上、新種も数種見つけている、まさにパラオのレジェンドガイド。
■supported by スーパーフィッシュダイビング・パラオ
ビギナーから楽しめるパラオをモットーに、都市型ショップでのインストラクター歴20年、パラオで長野さんからガイディングをしっかり伝授された河合一嘉さんをはじめ、ホスピタリティあふれるスタッフが揃う。
大型スクリーンを備えた広々快適な店内に、トイレつきの自社専用ダイビングボート、さらに、目の前が海という最高のロケーションで、「シャンデリアケーブ」まですぐという好立地。ショップの庭でBBQもできるので、アフターダイブはその日潜ったダイバー仲間たちと楽しく過ごせる。体験ダイビングも受けつけている。
伊豆の海で講習とガイドを約20年間務める。その経験を基に「安全」を第一に考え、初心者の方・年配の方・ブランクが空いてしまった方でも、安心して楽しめるガイドをパラオの海でも挑戦し、“痒いところに手が届く”サービスを提供し続けている。
P.O.BOX 10061 koror,Republic of Palau 96940
TEL: +680-488-4518
日本での問い合わせはこちらへ
0120-722-887
スーパーフィッシュダイビング東京オフィス
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