おもしろかわいい!海の生き物たちのちょっと変わった求愛方法をご紹介

相手に愛を伝えるために努力を惜しまないのは、人間も動物も同じだろう。ここでは好意を抱くメスに気に入られるため、さまざまな努力をするオスたちのユニークでかわいいラブストーリーに着目してみようと思う。もしかしたら、あなたにとっても参考になるアプローチ方法があったりして…!?

参考にしたい?生き物たちのプロポーズ5選

オリジナルのラブソングで愛を伝えるザトウクジラ


ザトウクジラのオスは、メスに愛の歌を贈る。彼らは、頭部から低い音と高い音を組み合わせて、オリジナルのメロディーを完成させるのだ。
鯨類は声帯を持っていないため、実際に歌っている訳ではないのだが、この行為は「ソング」と呼ばれ、自分の居場所を相手に伝えるために行われるという。交尾や出産、子育てに適した暖かい海でしか聞く事ができないため、メスへの求愛行動ではないかと言われている。
500km以上も届くオスクジラのラブソング。ロマンチックなメロディーが太平洋を包み込む。

小さな身体で素敵なお家をプレゼント


(写真提供:ダイビングショップ ネバーランド ふるた様)

(写真提供:ダイビングショップ ネバーランド ふるた様)

背中の斑点が奄美の星空に見えることから名付けられている“アマミホシゾラフグ”のオスは、水底にミステリーサークルと呼ばれる産卵巣(生き物が卵を産む場所)を作ることで一躍有名に。
10〜15cmの小さな体にも関わらず、なんと直径2m程にもなる巨大な幾何学模様の円を作成し、メスに必死のアプローチを行う。その必死さが伝わり気に入ってもらえたら、いよいよ繁殖行動へと移れるというわけだ。
一説によると、告白の成功率はサークルの出来にかかっているそう。

心も体も奪われるチョウチンアンコウ

(画像提供先 沼津港深海水族館 チョウチンアンコウの仲間)


「チョウチンアンコウ」といえば、頭に光を宿し深海を漂っている姿を容易に想像できるが、実はその姿をしているのはメスのみ。メスの体長は30cm程あるのに対し、オスはたった4cm程にしか成長しないというから驚きだ。
そんな小さな勇者たちは、日光が届かない深海で運命の相手に出会うことすら難しい。そのためメスをひと度発見すると体に噛みつき、離れないようにしがみつく。その後、段々と体内に取り込まれ、子孫を残し終えると、メスに完全に吸収され同化されてしまうという。
メスは、噛みつかれたオスを次々と取り込んでいく。心も体も奪われるとは、まさににこのこと!

求愛行動も肉食系な海の王者サメ


海の王者にふさわしいサメは、繁殖行動においても非常にアクティブだ。ほとんどの魚類はメスが放出した卵にオスが精子をかける体外受精なのだが、サメの仲間には、メスの胎内で卵をふ化させる卵胎生をする種も存在する。
オスは交尾をしやすくするため、メスに噛みつき押さえつけるようにして態勢を整えようとするため、メスの身体には痛々しい生傷が絶えない。
そのため、もともとメスはオスよりも厚い皮膚を持っているが、余りにも激しい場合は命を落としてしまうこともあるそうだ。
とはいえ、ストレートな気持ちをぶつけられるのは嬉しいもの。肉食系男子も悪くない。

ハートマークがかわいい熱々カップル

(写真提供:ブルーライン田後 山崎様)

2019年に見つかった新種の生物である「ヒメタツ」。タツノオトシゴやハナタツと外見が似ているが、頭部の突起が低いことや背ビレの基底付近に側方へ張り出す突起があることで区別できることから、別の種類として登録されている。
魚類とは掛け離れた容姿の持ち主であるが、トゲウオ目ヨウジウオ科に分類されるれっきとした魚の仲間だ。
彼らの交尾は、オスのみが持つ育児嚢(いくじのう)にメスが卵を産み落とすのだが、ユニークな体型のため2匹が重なる瞬間はハート型にみえる。その熱々な姿にダイバーたちもうっとり。

参考になったアプローチはあっただろうか。
生物によって愛の伝え方はさまざまだが、どのオスも直球勝負の体当たり。
ユニークとはいえ、メスをめぐって血を流すこともあるほど繁殖行動はいつだって命がけである。
時期を狙えばダイビング中に観察できることもあり、命が繋がれる瞬間を目の当たりにした時は言葉にならない感動が味わえるかも。
そしてそんな恋物語が繰り広げられる環境をいつまでも守っていきたいと、きっと心を動かされるはずだ。

Text: Natsuki Matsuda

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海とスキューバダイビングの総合サイト・オーシャナ、つまりこのサイトの編集部です。

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