狙うはハンマーヘッドシャークの群れ!でもそれだけじゃない、神子元島のダイビングの魅力を徹底解剖@神子元島
こんにちは。水中カメラマンの堀口和重です。
9月中旬、伊豆半島の下田から沖に約10キロのところに位置する、神子元島へと撮影に行ってきました。
神子元島は、ご存じの方も多いと思いますが、魚影の濃さや透明度の高さなど、伊豆とは思えないようなダイビングエリアです。ハンマーヘッドシャークの群れやメジロザメなどに遭遇できたり、運が良ければカジキやマンボウなどの珍しい大物にも出会うことができる、壮大な場所と言えるでしょう。
しかし、その分難易度も高め。外洋ポイントへの移動となるので、船が出る南伊豆・弓ヶ浜から約25分のボート移動。水面休息時間はずっと船上にいるので、船酔いしやすい方は酔い止めは必須です。また、海中は流れがとても強い場所が随所にあるため、初心者には到底おすすめできません。上級者向けのドリフトダイビングポイントと言えるでしょう。
そんなリスクがある反面、海の中の感動も大きいのが神子元島。今回はその魅力をご紹介したいと思います。
ハンマーだけじゃない!
魚影の濃さはピカイチ
神子元島と言えば、みなさん狙いはハンマーヘッドシャークだろうと思います。ですが、そちらを紹介する前に、まずは今回潜って驚いた「魚影の濃さ」から紹介させてください。
伊豆半島の最南端にある神子元島は、黒潮の影響や大きな根に潮がぶつかることでプランクトンが多く、それを捕食するために集まるイサキやタカベなどの魚群が圧倒的に多いのです。
どのポイントも魚が多く、エントリーして潜った瞬間に下を見るとタカベの群れが固まっていたり、着底して根の周りなどを回れば、どこもかしこもイサキが群れていたり……魚影の濃さはピカイチ。場所によっては激流の中を、視界一面にイサキが通り抜けることもあるのですが、あまりの強い流れでカメラを構えるのも困難なほどでした。
そしてエキジットの際にも、魚の群れが中層を浮いているので、どこもかしこも魚が群れている!そんな印象でした。
ここは南国…?
沖縄でおなじみのあの魚群も
イサキやタカベ以外にも、おもしろい魚の群れに遭遇しました。
ふと、目の前を青い魚の群れが横切ります。タカベの群れがまた通ったのか?と思ったのですが、動きが違うのでよく観察してみると、沖縄でおなじみのタカサゴ(グルクン)の群れでした。
普段潜っている西伊豆のポイントでも見かけることはありますが、あまりにも数が多く個体も大きいので、「ここは沖縄か?」と錯覚してしまいそうです。
やっぱり大興奮!!
ハンマーヘッドシャークの群れ
そんな群れでだけでもお腹一杯になりそうなのですが、やはり神子元島と言えばハンマーヘッドシャークですよね。神子元島は、他の伊豆のダイビングポイントと比べても圧倒的にハンマーヘッドシャークの遭遇率が高いのです。
私も夏に伊豆大島で撮影した時以来、ハンマーを見ましたが、やはり群れで泳ぎ回る姿には興奮します。水面には無数の群れ、横切るとシャープな姿がかっこよく、運がいいと安全停止中に近くまで寄れる可能性もあります。私も今回近くまで寄れたのですが、ちょっとドキッとしますね(笑)
番外編!?神子元的
水面休息時間の楽しみ方
3ダイブで平均水深も深い神子元島でのダイビングは、水面休息時間をしっかり取らねばならず、船に乗っている時間が長いのも特徴です。今回、水中の撮影でお世話になった東京にあるダイビングショップ「アクアクエスト」さん、そして「弓ヶ浜マリンセンター」さんでは、合間の時間に釣りなどを楽しんでいました。神子元島は釣りのポイントとしても有名なんですね。
結果から言えば、さすが潮通しの良いところなので、たくさんのシイラやアカハタなどが上がっていました。
船にいる時間も楽しみたい、ダイビングと釣りを両方を楽しみたい人という方には、おすすめのスタイルかもしれませんね!繁忙期や他のゲストがいる際には難しいとは思いますが、興味ある人は問い合わせてみてください。
ハンマー以外もすごい!
1年を通して楽しめる神子元島
夏から秋に姿を現すイメージがあるハンマーヘッドシャークですが、確実ではないにしろ、ここ数年は通年見られているようです。またハンマー以外でも、今回ご紹介したイサキやタカベの群れは年中見られますし、春には大型のカンパチとも遭遇できることもあるそう!ハンマーヘッドシャークばかりに気を取られがちな神子元島のダイビングですが(笑)、実は1年を通じて見どころがたくさんあるんですね。
四季折々、どのような群れや大物が見られるか、そんな楽しみ方をしながら潜ってみてもおもしろいと思います。ぜひ、ダイビングスキルを磨いて、神子元島へ潜りに行ってみてください。
■撮影協力/弓ヶ浜マリンセンター、ダイビングショップアクアクエスト