「Mares」特別企画 〜イタリア生まれの洗練されたデザインと革新的な技術のダイビングギアとは~(第7回)

Maresが開発した一般ダイバー向けのリブリーザー「HORIZON」でダイビングをもっと楽しく【連載vol.05】

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洗練されたデザインと革新的な技術で、世界的な人気を誇るイタリア生まれのダイビング器材ブランド「Mares(マレス)」。今回は、そのMaresが開発した画期的な「HORIZON」というレクリエーショナルダイビング(遊びのダイビング)の幅を大きく広げてくれるリブリーザーをご紹介。「リブリーザーってテクニカルダイバーの人が使うものでしょ?」と思う方もいるかもしれないが、このHORIZONは一般ダイバーがレクリエーショナルダイビングをさらに楽しむためのギアとして開発された画期的な器材なのだ。

リブリーザーとは

「Re Breath(リブリーズ)=再呼吸」の名のとおり、自分の吐いた息を無駄にせず、もう一度自分が吸う空気として再利用できる機能を持つ(※)。その中のひとつであるHORIZONは、ダイビング中、常に付きまとうあの「ボコボコッ」とした自分の排気音が聞こえなくなり生き物に普段より近づけたり、長時間潜れたりと、実はダイビングを楽しむうえでのメリットがたくさん。

※リブリーザーには、大きく分けて「CCR(クローズドサーキットリブリーザー)」、「SCR(セミクローズドリブリーザー)」の2種類ありますが、HORIZONはSCR。酸素濃度の高いガスを定量で流して酸素を補充する仕組み。
リブリーザーとは

HORIZONって何?

リブリーザーというと、テクニカルダイビングのような特殊な技術・知識が必要な難しいダイビングを想像してしまいがち。しかし、このHORIZONは、安全で軽量、そして他のリブリーザーより準備が簡単という明確なコンセプトに基づいて皆さんの想像以上にシンプルで使い勝手がいいもの。しかもMaresが、リブリーザー界随一のメーカーともいわれるrEVOと共同で開発しており、複数のバックアップ安全システムも搭載。安全性に関しても万全を期しているのだ

HORIZON使うメリット6選

では、このHORIZONを使うとどんなことができるのか、具体的に見ていこう。

1.驚くほど、海洋生物に近づくことができる

リブリーザーを使用する一番の醍醐味でもあるのが、オープンサーキット(普段の呼気が外に出ていくダイビング)と比べて生き物に近づけること。HORIZONからは気泡がほんのわずかしか出ず、自分の呼吸音が聞こえないくらいかなり静か。そのため、生き物が自分の存在に気付いていないのか、全然逃げない。フォト派ダイバーにも人気の高いハゼなどの生物にもかなり近づけるのでぜひ試していただきたい!

2.空気が乾燥しないし、暖かさもある

オープンサーキットでのダイビングで、冷たい乾燥した空気を吸って喉カラカラ…という経験はないだろうか?HORIZONはダイバーが履いた二酸化炭素を吸収する際の化学反応で水と熱が発生するので、喉が乾燥したり、呼吸による身体の冷えの心配はなし。たかが湿度と暖かさと思うかもしれないが、呼吸の快適性が保たれることにより、ダイビング中の心身へのストレスがかなり軽減される。

3.潜水時間が長くなる!

HORIZONは、酸素濃度の高いガス(エンリッチド・エア・ナイトロックス)を定量で流して酸素を補充してくれる仕組み。空気を再利用してくれるから当然エアも長持ちするし、吸う空気も酸素濃度が濃いめなので体内の窒素の蓄積も少なく済む。だからオープンサーキットに比べ、長時間潜れるうえ、体への負担が少ないダイビングを実現している。たとえば、オープンサーキットであれば、2ダイブするところを1ダイブで長くゆったりと長時間潜ってみるというのもいいかもしれない。

4.感動的なトリム姿勢と中性浮力が取れる

HORIZONは人間工学に基づいてデザインされているので、トリム姿勢が取りやすく快適性が抜群!さらに、普通に呼吸をしているのにピタッと止まって中性浮力をとることができるという、リブリーザーの特徴をマスターできれば、今までのダイビングの常識を覆すほどの快適な水中遊泳を楽しめる。この中性浮力のコツを掴むのは一筋縄ではいかないが、かなりやりごたえのあるスキルとも言える!

5.女性でも使えるくらいコンパクト

「見た目が重装備だし、もし自分のHORIZONを購入したら持ち運びが大変では…?」と思った方もご安心を。このHORIZONには特に専用のシリンダーやウェイトは必要なく、現地のダイビングサービスなどで手に入るエンリッチド・エア・ナイトロックスを使用するだけ。HORIZON自体の重さも約12kgで他のリブリーザーよりも軽量でサイズもコンパクト。

6.工具不要で簡単に使用できる

リブリーザーというと一見複雑な構造に見えるが、HORIZONは工具を使用せずシンプルにセットアップできるのが特徴。二酸化炭素の吸収剤(スクラバー剤)キャニスターをセットするときもネジを手で締めるくらいで、呼吸ホースもすぐに取り外しできる構造になっている。この手軽さは、HORIZONならでは。

トレーニングはもちろんアプリで完結できる

このHORIZONを提供するのは、Maresと運営元が同じSSIというダイビング指導団体。このSSIは、トレーニング教材への資源使用による環境負荷削減、そして教材が更新されたときにはいち早く最新の情報がダイバーの手元に反映されるよう2006年に、グローバル展開する他指導団体の中で最も早く、トレーニング教材を完全にデジタル化する方針に切り替えた。そして2015年にはすべての教材をデジタル化。そのため、このHORIZONもリブリーザーとはいえ、他のSSIの学科トレーニングに倣い、もちろんオンライン(SSIの無料アプリ「MySSI」)で完結する。

「MySSI」について

「MySSI 3.0」では学科トレーニングができるだけでなくログ付け、生物検索など機能がたくさん!
スマートフォンのGoogle PlayもしくはApple Storeでダウンロードし、無料アカウントを登録(ブラウザからでも登録可能)。
▶︎iOSの方はこちら(Apple Store)
▶︎Androidの方はこちら(Google Play)
▶︎ブラウザを使用する方はこちら
「MySSI」の機能をもっと詳しく見る

HORIZONを使ってダイビングするには?

HORIZONを使用してレクリエーショナルダイビングを行うためには、まずSSIが提供する「SCRダイビングコース」を受講し、ライセンス(Cカード)を取得する必要がある。さらにレベルアップしたい方は「SCR EXTENDED RANGE」まで取得すると、減圧理論を学んだ上で、40mまで潜れるようになる。いきなりライセンス取得に挑戦するのではなく、まずは体験してみたいという方に向けて「トライSCR」という体験コースも用意されている。

HORIZONに少しでも興味を持っていただけただろうか。下記の関連記事ではocean+α編集部が実際にHORIZONを試したレポート記事も配信中。一度使ってみれば、そのすごさにハマってしまうかも!?


▶︎「SCRダイビングコース」を提供中の加盟店一覧はこちら
※上記リンク先で「フィルター」から「リブリーザー」を選択
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創業75年を迎える老舗ダイビング器材メーカー「Mares」と50年以上の伝統をもつ指導団体「SSI」を運営。自然を舞台に楽しむことをサポートする会社として、サスティナブルな社会への取り組みにも力を入れている。

【HEAD Japan ウォータースポーツ事業部 正社員募集】
HEADグループのウォータースポーツ(ダイビング)ブランドである Mares / SSI では、現在セールスメンバーを募集しています。詳しくは、お問合せください。

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PROFILE
イタリア生まれの洗練されたデザインと革新的な技術で世界的に人気のあるMares (マレス) 。
日本におけるMaresは、オーストリアに本部を構えるスポーツ総合メーカー「HEAD」の子会社「HEAD Japan株式会社」にあるダイビング事業部が、50年の伝統をもつ指導団体「SSI」とともに運営。 自然を舞台に楽しむことをサポートする会社として、持続可能な社会への取り組みにも力を入れている。
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