サンゴの植え付けに密着!「1Post 1Plant~サンゴの日フォトコンテスト2022~」アフターレポ
3月5日の「サンゴの日」に合わせて開催された「1Post 1Plant~サンゴの日フォトコンテスト2022~」。読者の皆さんの中でも応募したという方は少なくないはず。このコンテストでは、サンゴの美しさや現状をSNS上でみんなで発信してムーブメントを起こす以外に、サンゴを実際に増やそうという目的もあり、応募アカウント数分のサンゴの苗の植え付けを行うことになっていた。その植え付けが5月11日、沖縄本島の恩納村で行われたので、その一部始終を皆さんにお伝えします!
恩納村の海人が育てたサンゴの苗を取りに
今回のフォトコンテストでは全部で96のアカウントから投稿が集まったので、96本のサンゴの苗を恩納村の海に植え付けることに。お昼過ぎに元恩納村漁業共同組合長の山城正己氏と漁師の方と前兼久漁港に集合し、船でサンゴの養殖場があるポイントへ向かった。
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あいにく沖縄は梅雨の真っ只中であまり天気は良くなかったが、海はおだやか。サンゴの養殖が始まったという場所に船を停め、苗を取りに海へ。海に入ると、畳一畳分くらいの棚がいくつも設置されており、その上に小さなサンゴとブロックの塊がたくさん置かれている。
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この塊一つひとつがサンゴの苗。これらを回収し、サンゴが育ちやすそうな場所に植え付けるのだ。
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サンゴの苗
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回収されたサンゴの苗
これらのサンゴの苗は、漁業者たちが水中で作っている。養殖で増やした親サンゴの一部を折り、マグホワイトという材質のブロックに針金で巻きつけ、そのまま半年くらい棚の上に置いておく。そうすると、サンゴがブロックに活着(※)して、植え付けられる状態になるそうだ。
※活着:枝打ちしたサンゴがしっかりと土台や岩盤につくこと
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親サンゴは海底に打ち込んだ鉄筋や棚の上でサンゴを育成する「サンゴひび建て式養殖」で育ったもの。恩納村では1998年からこの養殖方法が行われている
いよいよ植え付け!
ドリルと苗を持って海へ
回収した苗を船にあげ、向かったのは「山田ポイント」。ダイビングポイントとしても人気がある。ここにはソフトバンクの「未来とサンゴプロジェクト」で集まった募金を使用して、一昨年に植え付けられたサンゴがあるそう。残念ながら、台風で破壊されたり、潮の流れや光、水温などが合わなかったりと、植え付けられたサンゴがすべて元気に育つわけではない。しかしこの場所のサンゴは成育状況が良いので、今回も植え付け場所として選ばれたのだ。
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これは元気に育ってくれるのでは…とワクワクしながら海に入る準備をしていると、漁師の一人が取り出したのは、なんと、ドリル!
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一体何に使うのだろうか。伺ってみると、サンゴの植え付けの手順は
1、ドリルで岩に穴を開ける
2、穴にサンゴの苗を挿す
3、ハンマーでブロックを叩いて岩に固定する
というもの。岩にしっかりとくっつけることで、サンゴがそのまま岩に活着し、成長していくそうだ。
実際に海の中でその作業を見せていただいた。
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穴を開けて、苗を挿し、ハンマーでやさしく叩く。これを一本一本丁寧に行っていく。
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気の遠くなるような作業…と思ったがそこはさすが海人。45分程度で100本近い苗を二人で植え付けていた。
植え付けられたサンゴはここからどうやって成長していくのか。実はサンゴが増えるには、有性生殖と無性生殖の二種類がある。有性生殖は、人間や動物と同じように、卵と精子が受精することで新しい個体をつくり、無性生殖は、アメーバのように細胞分裂によって増えていく。植え付けは無性生殖を利用してサンゴを増やすやり方だ。岩に固定されたサンゴはそこに活着し、細胞分裂を繰り返すことで大きくなっていくのだ。
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一昨年植え付けられた苗。岩に活着し成長している
未来にサンゴをつなぐ
今回植え付けられた96本の苗は無事に育っていくのだろうか。山城氏は「一昨年のサンゴが育っている環境の良い場所なので、期待できるのではないかと思う」と話す。美しい海とサンゴを未来に残したいという想いから始まった未来とサンゴプロジェクト。そして「1Post 1Plant~サンゴの日フォトコンテスト2022~」。応募してくれた皆さん、この記事を読んでいる皆さんが恩納村を訪れた際には、ぜひこの「山田ポイント」に潜りに来て、サンゴの成長を見て欲しい。そして、このサンゴを守り、未来に残していくために私たちに何ができるのか、考えてみるきっかけになったら幸いだ。
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一昨年のサンゴが育っている様子
Sponsored by 「未来とサンゴプロジェクト」
近年、気候変動の影響による温暖化や海洋プラスチックごみの増加による環境破壊などさまざまな問題が生じ、海洋環境は日々悪化しています。その一つとしてサンゴの死滅があります。サンゴは海に住む生き物たちのすみかになるなど多くの恵みを与えており、サンゴ礁の消滅は生態系に悪影響を及ぼします。この現状に対して、温暖化対策や生態系維持などの環境保全に取り組むため、サンゴの植え付け面積世界一を誇る沖縄県・恩納村や、ソフトバンク株式会社をはじめ多数の企業・団体が共に、「未来とサンゴプロジェクト」を立ち上げ、美しい地球の未来を守り、次世代に受け継いでいくための活動に取り組んでいます。
▶︎未来とサンゴプロジェクト公式ウェブサイト
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「未来とサンゴプロジェクト」の一環で寄付の募集もしている。 “ソフトバンク”の携帯電話をご利用のお客さまは「つながる募金」、それ以外のお客さまは「Yahoo!ネット募金」で簡単に寄付することが可能です。
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取材協力:シーウェット(TEL:09068588835)