増える、集まる、食べる、攻撃する…サンゴのいろいろな生態
今日はサンゴの体のつくりと、その動物らしい一面を紹介させていただきます。
イシサンゴの仲間には一個体で暮らす単体性サンゴと、多くの個体で暮らす群体性サンゴがいます。
たとえば、この写真のダイオウサンゴ「一群体」は、2メートル以上はある巨大なものです。
しかし、近づいてみると、数ミリの「個体」がたくさん集まっています。
ダイオウサンゴの場合は、上から見ると丸い形をしている部分が一個体です。一群体の中にある個体は全て分裂によって増えたクローンなのです。
では、一個体はどのような作りをしているでしょう?
こちらはイシガキオオトゲキクメイシという種類のサンゴの断面標本です。
実は、生きている部分は表層だけで、この軟体部はポリプと呼ばれています。
ポリプは自分で分泌して作り出したカップのような形をした石灰質の骨格に収まっていて、骨格は時間が経つにつれて蓄積し、どんどん上へ伸びていきます。
浅瀬では、干潮で干上がってしまうぎりぎりまで成長して、上方向への成長がストップした大きなハマサンゴを見る事ができます。
この場合も、生きているのは表層部分だけです。
今、私たちが目にしているサンゴ礁の島々やサンゴ礁地形は、もともとはこれら小さなポリプが分泌した骨格なのですからスケールの大きな話ですよね!
ポリプの口の周りには、昼間は引っ込んでいる事の多い触手があります。
普段は動かないように見えるサンゴも、じっくり見ていると動物らしいところを見せてくれます。
例えば、この写真では隣のサンゴとの陣地争いのために、手前のイボサンゴが攻撃用の触手を延ばして枝状のサンゴを攻撃しています。
また夜に姿が変わるサンゴとして、ミズタマサンゴ(バブルコーラル)が有名ですが、他にも姿が豹変するサンゴはたくさんいるんですよ。
昼間は触手を延ばさず地味と言われてしまう種類のサンゴたちも、夜には活発に触手を延ばし、口を開けている姿が観察できます。
ナイトダイビングではプランクトンを食べているシーンに出会えるかもしれません。
ぜひ次回のナイトダイビングで注目してみて下さい。
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また最近は、手軽にタイムラプス撮影(注: 一定の間隔をあけて撮影した静止画をつなげて、動画のように見せる撮影)ができるようになり、オーストラリアの研究者が、サンゴをタイムラプス撮影した映像がBBCニュースでも取り上げられていましたので、興味のある方はぜひ映像をご覧になってみて下さい。
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