【伊東市ダイビング完全ガイド】通うほどに深くなる7つの海の魅力

電車で気軽にアクセスできる静岡県・伊東市。このエリアには、一駅ごとにダイビングポイントが点在し、ビーチもボートも楽しめる多彩な海が広がっている。

初心者から上級者まで対応できる懐の深さに加え、温泉や自然といった観光資源も豊富。「通いやすく、通うほどに面白くなる」――そんな伊東市ダイビングの魅力を紐解いていく。

一駅ごとに広がる、多様性に富んだダイビングポイント

伊豆海洋公園がある城ヶ崎海岸エリア

伊豆海洋公園がある城ヶ崎海岸エリア(写真/伊東市)

伊東市のダイビングエリアは、アクセスの良さとフィールドの多様性を高いレベルで両立している。

都心から各スポットの最寄り駅までは電車で約1〜2時間。さらに駅から各ダイビングサービスまでも近く、徒歩やバスを利用したり、タクシーで5〜10分と短時間で行ける。バディダイブなどで、ショップの送迎を利用しない場合でも、とても便利だ。

アクセス良好であるため、日帰りダイビングでも十分楽しめるという、リピートしやすい環境が整っている。

特筆すべきは、ほぼ各駅にダイビングポイントが点在していることだ。しかもそのほとんどが、ビーチ・ボートの両方で潜れて、初心者から上級者までを満足させてくれる。

伊東市にあるバラエティ豊かな「7つの海」

川奈海水浴場

川奈海水浴場。伊東市の海は環境省の水質調査で最高ランク判定を受けるほど綺麗だ(写真/伊東市)

伊東市の海の最大の特徴は、エリアごとに明確な個性があるところ。宇佐美、伊東、川奈、富戸、伊豆海洋公園、八幡野、赤沢と、わずかな移動距離の中で、水中の地形や環境、出会える生き物が大きく変化する。

穏やかで初心者にも優しいビーチ、ダイナミックなドロップオフやアーチなど地形変化に富んだボートポイント。魚影が濃く迫力のポイントや、ソフトコーラルのお花畑や小さな生き物観察に適したポイントなど、そのバリエーションは実に豊か。

さらに東伊豆に位置するため西風に強く、風向きやうねりの影響を受けにくいポイントも多い。その日の海況に応じて潜る場所を選べる柔軟性も、大きな魅力といえる。

コンパクトなエリアにこれほど多様な海が集まっていて、ダイバーのスキルレベルに対応した柔軟な選択ができることが、伊東市で潜る大きな価値といえるだろう。

初心者から上級者まで対応するダイビング環境

講習から大興奮のボートダイビング

講習から大興奮のボートダイビングまで楽しめる(写真:伊豆ブルーダイビング)

伊東市のダイビングは、幅広いレベルのダイバーに対応している。

ビーチポイントはエントリー環境が整備され、海への出入りがしやすい。海況が穏やかなことが多いため、講習やリフレッシュダイビング、じっくり生態観察や水中写真を楽しみたいダイバーにも適している。

一方、ボートダイビングでは流れを伴うアドレナリンが出るようなダイビングや、沖合特有のダイナミックな地形や、壁のように目の前を覆う魚群が楽しめる。

同じエリア内でもポイントを使い分けることで、「1本目はボートでダイナミックに、2本目はビーチでのんびりじっくりと」といった楽しみ方も可能だ。ひとつのスポットでステップアップすることも、場所を変えながら経験を積むこともできる。伊東市の海はダイビングを「始める場所」であり、「続ける場所」でもあるのだ。

通いやすさが、海の奥深さを教えてくれる

アクセスの良さから、一人で通うダイバーも多い

アクセスの良さから、一人で通うダイバーも多い(写真:伊豆ブルーダイビング)

週末、熱海から下田方面へ向かう電車には、ダイビング器材を抱えた人の姿が目立つ。暖かくなると、講習用のマニュアルを開いて、予習をしている光景も珍しくない。このアクセスの良さが「また行こう」という気持ちを後押しし、通うほどに海の奥深さに気づいていく。

また、季節ごとに海の表情は大きく変わる。

  • ・春:マクロ生物が豊富になり、観察や撮影に最適
  • ・夏:生き物たちが活動的になり、活気のある賑やかな水中に
  • ・秋:透明度が安定し、大迫力の群れや捕食シーンが見どころ
  • ・冬:透明度が最高潮に達し、地形や群れをさらに楽しめる。

同じポイントでも、季節が変わればまったく違う景色が広がる。

「次の季節はあの生き物を見たい! 期間限定のポイントも潜りたい!」
そんな気持ちが積み重なり、気づけば“通う海”になっている。そして潜れば潜るほど、このエリアの海の奥深さとバラエティの豊かさに驚く。

何度潜ってもまた潜りたくなる。それが伊東市の海なのだ。

海だけじゃない。温泉と自然がある街

立ち寄り温泉 伊豆高原の湯

立ち寄り温泉 伊豆高原の湯。市内には多くの日帰り温泉施設がある(写真/伊東市)

伊東市は、温泉や豊かな自然に恵まれた観光地。市内には豊富な源泉が湧き、江戸時代には徳川家光への献上湯も行われていたとも言われている。現在でもさまざまな日帰り温泉施設が点在し、観光客の癒しとなっている。そして、ダイビング施設でも大海原を望みながら、温泉を楽しめる場所も。

ダイビングのあとに温泉で体を癒す。伊東市ではそんな過ごし方が、ダイバーの定番になっている。

緑が美しい夏の大室山

緑が美しい夏の大室山(写真/伊東市)

また、海だけでなく山をはじめとした陸の自然も身近にある。中でも注目なのは、伊東市の顔とも言える大室山。お椀を伏せたような美しいシルエットで知られ、景観を維持するために毎年2月の第2日曜日には山全体を焼く「山焼き」が行われる。

伝統行事、大室山の山焼き

伝統行事、大室山の山焼き(写真/伊東市)

この大室山の噴火によって流れ出た溶岩が、現在のダイナミックな海底地形を生み出した。
つまり、伊東の海の魅力はこの地形から始まっているともいえる。さらに、伊豆高原の桜並木や火口湖・一碧湖など、自然の見どころも豊富だ。

全長3,000mの伊豆高原の桜並木
約10万年前の噴火で形成された一碧湖
全長3,000mの伊豆高原の桜並木()約10万年前の噴火で形成された一碧湖()(写真/伊東市)

ダイビングが目的で訪れたはずなのに、気づけば「またこの街に来たい」と思っている。
そんな魅力が伊東市にはある。

伊東市の7つの海・各スポットの魅力とは

多くのダイバーで賑わう、魅力あふれる伊東市の7つのダイビングエリア。宇佐美、伊東、川奈、富戸、伊豆海洋公園、八幡野、赤沢。それぞれの魅力をスポットごとの記事で、順次紹介していくのでお楽しみに!

伊豆半島の地図

宇佐美

アオウミガメやネコザメが待つ穏やかな海

伊東市の最北端に位置するダイビングエリアで、首都圏から最短67分でアクセスできる好立地。ネコザメやウミガメが多くすみ着き、冬にはマンボウと会うチャンスも。

伊東

ソフトコーラルとキンギョハナダイの華やかなコラボ

賑やかな伊東市の街の風景からは想像できないような、壮大な地形ポイントが点在。ソフトコーラルの群生、キンギョハナダイの大群など、カラフルな海が楽しめる。

川奈

穏やかなビーチでウミガメに会える海

風やうねりの影響を受けにくい穏やかなダイビングスポットで、ビーチではバディダイビングも気軽にできる。夏には体験ダイビングでもアオウミガメと遭遇できる。

富戸

溶岩地形に多くの生物が集うオールラウンダー

生物豊富なビーチポイントに、魚影が濃いボートポイントが充実。「富戸ホール」と呼ばれる地形が楽しいエリアもあり、初心者からさまざまな楽しみ方ができる。

伊豆海洋公園

日本ウィッシュウォッチング発祥の地

ビーチポイントだが、ダイナミックな岩場、広々した砂地などが広がり、たくさんの生き物が見られる。ウミガメやコブダイといった大物とも出会うチャンスあり。

八幡野

魚影の濃さと希少生物が待つ、ダイナミックな海

見られる魚の種類がとても多く、かわいいカエルアンコウやウミウシ、ときにはアンコウなどの深海生物も姿を現す。夏から秋は、キンギョハナダイの群れも見事。

赤沢

温帯種と亜熱帯種が共存する、多様性豊かな海

穏やかな海に、温帯種と亜熱帯種の魚たちがすみ着いている。ハナダイの仲間やクマノミなど、色とりどりの魚たちが見られる。ダイナミックな地形も見どころ。

まとめ

アクセスの良さ、多様なフィールド、柔軟に選べる環境。これらが揃っているのが、伊東市のダイビングスポットだ。
電車で訪れることができ、一駅ごとに異なる海が広がる。ビーチとボートの両方が充実し、初心者から上級者まで楽しめる。
さらに温泉や陸の自然も豊かで、観光の満足度が高い。潜るたびに新しい発見がある――。そんな伊東市の7つの海を、次の週末に体験してみてはいかがだろうか。

伊東市ダイバーズ協議会
静岡県ダイバーズ協議会の正会員として、ダイビング事故防止やマナー向上、自然保護の啓発に取り組んでいます。船舶・漁業関係者や市民、観光客と連携し、安全で秩序ある海洋レクリエーションの普及と地域発展に寄与しています。

認定NPO法人アンダーウオータースキルアップアカデミー
水難事故や災害発生時に、訓練された民間ダイバーが水際の応急対応や海に関わる支援活動を行い、地域の安全に貢献する団体。会員約80人で、潜水士資格を持つダイビング指導者を中心に救助・捜索や漁業復興支援などに取り組んでいます。

伊豆半島ジオマリンクラブ
伊豆半島の海をフィールドに活動する、ダイビングショップのプロインストラクターによる、伊豆半島ジオパーク公認の海洋ガイド団体です。各ショップには、伊豆の海を知り尽くしたジオガイドが在籍しています。伊東市のダイビングショップにも、20名を超える会員が在籍しています。

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PROFILE

デザイナーとして多忙を極めていた最中、ダイビングに出会い人生が一変。
ダイビングの素晴らしさを広めたいという想いからインストラクターの資格をとり、デザイン会社から雑誌DIVERを出版するダイバー株式会社に転職。雑誌編集や営業、イベント運営などに携わる。
現在は独立しフリーランスデザイナー、ダイビング関連の編集者・ライター、週末は伊豆の現地ショップの非常勤インストラクターなど、多岐に渡り活動中。

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