【フリーダイビング団体戦に初挑戦で朝から大遅刻!?】編集部・セリーナの挑戦レポートvol.3
2022年4月23日、フリーダイビングの国内団体戦が開催された。そこに昨年末からフリーダイビングを本格的に始めたフリーダイビング初心者であるオーシャナ編集部のセリーナが初参戦。国内では珍しい“団体戦”とは一体どのようなものなのか、笑いあり涙ありの一部始終をお届け!
プール種目の男女混合団体戦「人魚JAPAN フリーダイビングカップ2022」とは
人魚JAPAN(※1)主催のフリーダイビングプール種目の男女混合団体戦「人魚JAPAN フリーダイビングカップ2022」。本大会は、私が過去2回出場してきた個人戦とは異なり、3名×12チームで競うチーム対抗戦だ。チームメンバーは男女混合で、1人2種目出場する。種目は、スタティック競技(※2)と、ダイナミック競技(※3)で、スタティック競技が全選手共通だが、ウィズフィン・ウィズバイフィン・ウィズアウトフィンの3つに分かれるダイナミック競技はチームメンバーで相談して担当する種目を決める。そのためチームメンバー構成や作戦も問われる大会だ。チーム員のポイント(記録)の合計が高い順に1位から3位まで表彰が行われる。
私は、世界選手権日本代表に選出されたことのある知野見光選手と、日本記録保持者の尾関靖子選手という豪華な方々とご縁がありチームを組ませていただいた。ちなみにチーム名はリーダーの知野見光選手の“光”にちなんで、響きもカッコいい「⚡️イナズマ」に。レベルの高い選手の仲間に入れていただき、いつも以上に緊張しながら大会当日を迎えた。
※1人魚JAPAN:フリーダイビングの普及活動やフリーダイバーやインストラクターへの指導を目的とした一般社団法人。メンバーは2012年、世界大会チーム戦で金メダルを獲得した日本代表女子チームのメンバーだった岡本美鈴選手、福田朋夏選手、HANAKO選手ら。公式ホームページはこちら。
※2 スタティック競技:水面に浮き一呼吸での閉息時間の長さを競う種目。
※3ダイナミック競技:一呼吸で平行方向に潜水できる距離の長さを競う種目。泳ぐための器材の種類や有無によってさらに種目が分けられ、ウィズフィンはイルカのような大きな一枚のモノフィンを使って泳ぎ、ウィズバイフィンは2枚フィンを使ってバタ足で泳ぐ、そしてウィズアウトフィンはフィンを使わずに自身の泳力だけで泳ぐ種目だ。
9:15 選手入場開始
大会当日の朝、全国から駆けつけた選手たちが続々と会場入りしていく。私のチームメンバーである尾関選手や知野見選手も受付を済ませ、入場していく。
しかし、そこに私の姿はまだない。実は、そのころ私は電車の中で焦っていた…。なぜなら、会場の最寄り駅は「新習志野」なのに私は間違えて「習志野」に行ってしまったからだ。電車の中で一人焦り、冷や汗をかく。新習志野駅に着いたら猛ダッシュ。滑り込みセーフで入場締切の10:15までに間に合った。チームメンバーは「よかったー!! 」と笑って迎えてくれたが、危うくチーム全員が出場できなくなるところだった。かなりドキドキする1日の始まりであった。
10:15 開会式
会場に到着して早々、開会式が始まり、大会主催の人魚JAPANから本大会の概要やルールなどが紹介された。
参加チームの様子を見ると、中にはお揃いのユニフォームを着ていたり、個性あふれるオリジナルグッズを作っていたりと、個人戦にはない団体戦ならではの“チームらしさ”や“お祭り感”がある。また、過去2回、私が参加してきた大会よりも会場が広く、関係者数も多い。しかもいつもはないBGMまで流れている!遅刻の冷や汗も収まり、どんな大会になるのかワクワクしてきた!
11:30 スタティック競技開始
本大会は午前中に、スタティック競技が行われ、午後にダイナミック競技が行われる。
私が出場した前回の大会は2022年1月29日。それから約3ヶ月間、オーシャナ編集部近所の区民プールで仕事終わりに自主練したり、相変わらずオーシャナのユウダイさんに練習を見てもらったりと準備をしてきた。大会当日も経験豊富な尾関選手からアドバイスをいただいたりと、まわりの方の協力もあり、今回も自己ベストを狙えるかもという自信がふつふつと湧いてきた…。
前回の挑戦レポート記事と見比べるとお分かりいただけるかもしれないが、本大会に向けてキャップを新調し、気合十分。マスクもゴーグル+ノーズクリップに変えて挑戦してみることにした(水に触れる顔の面積が広い方が息を止められそうな気がする)。
「10秒前」
「5、4、3、2、1、オフィシャルトップ!」
顔を水につけ、静かに脱力していく。
大会前の練習時、ユウダイさんからあるアドバイスをいただいた。それは、自分の体の“音”や“反応”に意識を向けること。今まで私は頭の中で「あっ、やばい、苦しくなってきた!」と、一度頭で苦しいと考えてしまったら、そこからは“エンドレス苦しい”で頭の中がいっぱいになる。しかし、頭ではなく、心臓の鼓動、横隔膜の動きに集中することで、自分の体に起きている反応を客観的に感じることができる。その体の反応を指標に自分の限界を見極めれば良いのだ。練習のときにその作戦が上手くいったので、本番でもやってみることにした。
あっという間に5分経過。前回の大会は5分2秒だったので、心の中で「やった、自己ベスト更新だ!」とガッツポーズ。そこから、粘って5分25秒で顔を上げた。
「ホワイトです!」
「やった〜〜!」
その後、知野見選手は5分8秒、尾関選手は4分35秒で無事にホワイトカードを獲得!前半戦のスタティック競技では、好成績を残すことができた。
12:50 休憩時間(サイン会、エキシビジョン)
午前と午後の間の休憩時間には、本大会は特別に人魚JAPANメンバーの岡本美鈴選手、福田朋夏選手、HANAKO選手によるサイン会を実施。
他にも会場では、ダイビングギアメーカーの株式会社タバタやワールドダイブ株式会社、株式会社キヌガワといった大会協賛企業のブースも設置され、実際にウェットスーツやマスク、フィンなどを見ることができる。
また、人魚JAPANメンバーの3名がエキシビジョンスイムとして、ダイナミックウィズフィンで華麗なパフォーマンスを披露。主催側として、ウォーミングアップ時間も不十分ながらHANAKO選手は170m近くまで泳いだ。さすがは世界で戦うトップフリーダイバーだ。
14:00 ダイナミック競技開始
午後は本命のダイナミック競技。前回の大会では、116m。当時、次の大会では150m行きたいと思っていたが、本大会前最後の練習では、「自己ベストは確実に更新できるが、まだ今のレベルでは150mには届かないな」と、フリーダイビング歴は浅いが元競泳選手の中で培ってきたアスリートの感覚でそう思っていた。また、団体戦でもあるので、一人でもレッドカードやイエローカードを取ると、入賞は厳しくなる。確実にホワイトカードは取りたいところだ。
スタティック競技で自己ベストを更新したので、良い流れのままダイナミック競技もスタート。果たして、何メートルまで泳げるか。
結果は、132mでホワイトカード!
自己ベストは更新できたものの、やはりもう少し行きたかった!次こそ、150m行こうと自分に言い聞かせた。
尾関選手がウィズアウトフィンで137m、知野見選手がウィズフィンで131m(自己ベスト)。ダイナミック競技もみんなホワイトカードで好記録を残すことができた。
17:30 閉会式
競技がすべて終了し、大会主催の人魚JAPANから総括がされる。「本大会はレッドカードも非常に少なく、団体戦ならではのチームワークが各所で見られました。特にチームメンバー同士の笑顔がとても印象的でした」と振り返る。
そして待ちに待った、表彰式。スタティック競技が終わった時点での中間発表で、私たちのチームは2位につけていた。ダイナミック競技の得点も加わった総合得点で順位が決まるが、結果はいかに…。
「第三位 若狭マーメイド倶楽部!」
「第二位 ⚡イナズマ!」
「第一位 エキゾチックJAPAN!」
結果は惜しくもベテランチームのエキゾチックJAPANに敗れ、第二位!しかし、チームメンバー全員が健闘した結果、手にしたメダルはすごく嬉しい!! フリーダイビングで初めていただいたメダルだ。
初の団体戦で緊張したが、チームメンバーに泳ぎを見守っていただいたり、サポートしていただいたりして、個人戦にはない“チームで協力し合って勝つ”という、新たなフリーダイビングの楽しみ方を感じることができた。チームメンバーにも感謝の気持ちでいっぱいだ。
ますますフリーダイビングの楽しさにハマってしまったので、また次の大会に向けて練習をしていきたいと思う。引き続き応援よろしくお願いします!
目標を応援してくれる方、募集!
オーシャナの編集部である私、セリーナがオーシャナを背負い「日本代表になって、世界大会に出場する」という目標を一緒に応援してくださる、企業さま・個人さまのスポンサーさまを募集中です。この目標を目指すことでフリーダイビングの普及にも繋げたいと考えています。スポンサーさまのメリットとしては、フリーダイビング大会での露出やocean+α記事での紹介など。ぜひご支援を賜りますようお願い申し上げます。詳細資料を送付いたしますので、下記メールアドレスからご連絡ください。「info@oceana.ne.jp」
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