夏の田後×越智隆治~ベストシーズンの日本海でワイド撮影~(第5回)

田後のマクロポイント「ゴイシワラ」で撮影1本勝負

紅白のタツノオトシゴ(大坊主)。「毎年見れることは見れるのですが、紅白はそもそも個体自体が少なく、特にこんなに皮弁が発達した個体は久々」と山崎さん

紅白のタツノオトシゴ(大坊主)。「毎年見れることは見れるのですが、紅白はそもそも個体自体が少なく、特にこんなに皮弁が発達した個体は久々」と山崎さん

水深も浅く、ビギナーダイバーでも潜りやすいのが「ゴイシワラ」というポイントですが、マクロ生物がこれでもかというくらい生息するのも特徴のひとつ。

約80人集まった第6回夏の陣で、メインガイドの山崎さんは「1人に1個体ずつ見つけるのが大変」と弱音を言ってはいたものの、それでもきちんと1人に1個体ずつ見つけていたのは、ガイド力はもちろんのこと、個体数の多さも他のポイントと比べても群を抜いているからでしょう。

夏の陣の時に越智カメラマンに提供された被写体は、タツノオトシゴ。まるで傘をさしてるみたいで可愛らしい

夏の陣の時に越智カメラマンに提供された被写体は、タツノオトシゴ。まるで傘をさしてるみたいで可愛らしい

今回の取材テーマは、繰り返しになりますが「ワイドで魅せる田後」。
提案してきたのは山崎さんですが、ウエットスーツに身を包んた開口一番「まずは田後のウミウシ四天王を撮ってもらいたいですー!」と山崎さん。

え……と、ワイドは?(笑)

「そうですね~~ワイドは1、2本目で行って、3本目はマクロ1本勝負にしましょう!」

田後のウミウシ(撮影:越智隆治)

え、そうなんですか!?

越智カメラマン、本当にマクロレンズ持ってきてよかったですね(笑)。

※あやうくワイド1本勝負するところだった裏話はこちら。
https://oceana.ne.jp/from_ocean/57367

ということで、群れポイントでハマチに巻かれ洞窟の中、ライトセイバーで闘ったあとの3本目に、生物の多い「ゴイシワラ」にやって来たわけですが、私が気になったのは、生物よりも水中での山崎さんの目線。

多くの取材では、ガイドがカメラマンに被写体を見せ、それを撮影している間に次の被写体を探し、カメラマンが撮り終わった時に、「はい、これ次の被写体にどうです?」といった具合のテンポで進むことが多いのですが、今回はそのリズムが、なんだか歯車がうまくかみ合っていない様子。

なぜ、ぎこちなかったかって、それは、越智さんの撮影スピードが、ただただ、速すぎちゃったんです。

前回のダンゴウオの撮影時は、うねりもかなり入り、被写体も老眼キラーのダンゴウオ、しかも幼魚だったものだから、それなりに時間をかけて撮影していたので山崎さんも気が付かなかったみたいですが、今回はほどよく大きさもあるマクロが被写体なので、“越智流スピード撮影方式”に戻っていたわけです。

■鳥取・田後(たじり)「越智隆治はじめてのダンゴウオ」
https://oceana.ne.jp/feature/tajiri_dangouo

「ゴイシワラ」の水中では、山崎さんがマクロの被写体を探しながら越智さんをチラチラ、まるで授業中に好きな女の子の姿をチラ見する男子学生のごとく、チラチラ、ちらちら。

アミメハギまでこちらを、ちらちら

アミメハギまでこちらを、ちらちら

マスク越しの表情が「え、もう撮り終わったの!? ってか、違う被写体見つけて撮ってるし」と語っています。

エキジット後、こんなような内容の話をしていると、「こうなったらもう、ガイドVSカメラマンみたいな戦いになってきて、撮り終わる前に絶対次の被写体を見つけてやるって感じでしたよ~。ちらっと盗み見た時にまだ撮っているってわかった時は、正直、ヨッシャ!って思いました」とついに山崎さん本音をポロリ。

それに対し越智さんは、「えーそれは適当に撮っているってことですか~?」と冗談を言いつつも、「元々報道出身で、1日3回締切のある現場にいたから、“早く撮る”という環境には慣れているし、苦にならない、というかそうなっちゃったし、それに自分でも興味を持った被写体は撮影したいと思っているから、今のままでなにも問題ないんですよ~」と、“適当には撮っていないよ”ということを、山崎さんが真剣な面持ちの中、割と“適当に”説明していました。

そんな意図せずに始まっていた「ガイドVSカメラマンの戦いinゴイシワラ」の結果は、一部抜粋ですが、結構な量です。

田後のマクロ(撮影:越智隆治) 田後のマクロ(撮影:越智隆治) 田後のマクロ(撮影:越智隆治) 田後のマクロ(撮影:越智隆治) 田後のマクロ(撮影:越智隆治) 田後のマクロ(撮影:越智隆治)

しかし、最後には越智さんも本音をポロリ。

「でも、山崎さん。天使ちゃん(ダンゴウオの幼魚約3mm)より小さい、キイロウミコチョウ(1~2mm)とか、アミメハギのチビとかで勝負してくるのはやめてください。目、見えなくて、また前みたいにプチって潰して、居なかったことにしたくなっちゃうから」

それを聞いた山崎さんのしてやったりと言わんばかりのニヤッとした表情はいたずら好きの少年のようで、心の底から嬉しそうでした。

田後の越智&山崎

結局のところ、勝負はあったような、なかったような……?

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PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)