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リアル・サイドマウント体験ダイビング(第1回)

セールストークが先行するサイドマウント・ダイビングへの危惧閲覧無制限

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現地からレポート

サイドマウント・ダイビング

ダイビング指導団体の最大手PADIがコースをスタートさせて以来、徐々に広がりを見せるサイドマウント・ダイビング。

※サイドマウント・ダイビングとは……簡単に言えば、「タンクを、従来の背中ではなく、ダイバーの身体の脇(腕の下)に取りつけて潜るダイビング」のこと。

そんなサイドマウントの普及に、「日本の間違った普及の仕方に危惧を感じている」という声を受け、実際、テクニカルダイビングの海外サイトをのぞいてみると、写真付きで揶揄されていたりする。

しかし、その間違っているとされる写真を見ても、サイドマウントの体験ダイビングを一度受けた程度の自分には、どこがどうおかしいのか判別できるリテラシーがない。

そこで、顔を合わせるたびに、「とにかく、本当のサイドマウントを体験しにおいで」と言っていただいていた、おタハラ部長こと田原浩一氏(マリンダイビングの人気スキル連載「おタハラ部長のお上手ダイバー養成新書」の後に、僕の「スキルアップ寺子屋」が続いた縁があったりする)のお誘いに乗って、「リアル・サイドマウント体験」を受けることにした。

以前体験したサイドマウント・ダイビングのおさらい

まず、以前、オーシャナでも連載していただいていた「テクニカルダイビングセンタージャパン」の石井隆さんに受けたサイドマウント体験のおさらいから。

日本の海でハマーを見つけたら、きっと石井さん

日本の海でハマーを見つけたら、きっと石井さん

この時の僕のサイドマウント体験の結論はこうだ。

1.レジャーダイビングにおけるサイドマウント・ダイビングのメリットは確かに感じられた。
2.しかし、ある程度の投資をし、これまで慣れ親しんだシングルタンクのバックマウントのスタイルを捨ててまで、サイドマウントをデフォルト化するほどの強いメリットは感じられない。
3.しかし、しかし。ダイビングの幅を広げるために有効だし、何より楽しい。もちろん、実際のメリットもあるので、デフォルト化するのも当然あり。

つまり、メリットは確かに感じたが、「現状のバックマウントダイビングでよくないか?」
「2本のタンクが必要か?」「サイドマウントが必要か?」という必要性には疑問があり、最も大きなメリットは「多様性は大事。楽しいからやる」あるいは「考え方がレジャーダイビングに活かせるからトレーニングとしてもよい」と結論づけている。

教えていただいた石井さんも、「サイドマウントがなぜ必要かと聞かれると困りますが、自分はサイドマウントが楽しいので必要です(笑)。強いて言えばレクリエーションでのダイビングの楽しみ方が増えたという事でしょうか。例えば、ウィンタースポーツではスキーが主流だったのに、スノボーが増えたみたいな感じに」と、まずは楽しいからやってみようよ、というのが入り口だと強調していた。

そんなことを田原さんに伝えると、「おっ、その結論、割とまともじゃん」。

田原さんや石井さんなどが問題視するのは、セールストークとして間違ったメリットをことさら強調することだという。

結論から言えば、田原さんは「必要性がないことをさもメリットだと言うこと」が問題であって、正しく理解して「やりたいからやる」ならOKという考え方。

田原さん自身、「自分にとって、一番快適で使いやすく、最も多用している装備はサイドマウント。しかし、日本の海で楽しむレクリエーショナルダイビングに関しては、サイドマウントの必要性を感じるケースはほとんどない。自分が日本でサイドマウントを使う理由は、ただひとつ。サイドマウントのメリットが生かせるダイビングでサイドマウントを使うためのトレーニング」と断言している。

田原さんのことは、親しみを込めて“ダイビング原理主義者”と呼んでいて、日本のトップダイバーだと思っている。

世界中のテックダイバーと交流があり、サイドマウントでいえば、世界最高峰のサイドマウントのノウハウを持つスティーブボガード氏が開発したRAZORの日本唯一のインストラクターだ。

RAZORインストラクター・アジア

RAZORインストラクター・アジア

そんなわけで、田原さんに「間違いだらけのセールストークでサイドマウントが普及するのは危ない」と言われれば、「そんなものかな」と思ってしまうのだが、否定される側(主に大手指導団体)のコースを受けておらず、その点はフェアではないことは断っておく。

その点を踏まえて、とにかく鵜呑みにしないよう、ロジックの正当性、自分で体験して納得することを大事にする、と決めて体験講習に臨んだ。

※次回、「巷で言われるメリットの真実」へ続く。

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