タイガーシャーク&グレートハンマーヘッド・クルーズ 2017 ~Part2 タイガービーチ~

20170310越智タイガー

2017年は、最高7匹が一度に姿を見せた、タイガーシャーク

ハンマーヘッドシャークポイントでのグレートハンマーとのダイビングを楽しんだ後は、12時間かけて、北のタイガービーチへと移動した。
タイガービーチのメインポイントであるフィッシュテールは、水深9m〜11mの綺麗な砂地に、点々と綺麗な緑の草原のような海草のエリアとサンゴのリーフが広がる。

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草原のような緑が広がる海草のエリアを泳ぐタイガーシャークたち

20170309越智タイガー

砂地を悠然と泳ぐタイガーシャーク

そこに、カリビアンリーフシャーク・レモンシャークが行き交う中で、一際巨大な体躯をしたタイガーシャークが、悠然と姿を見せる。
2011年から毎年訪れているタイガービーチ。
初めて訪れた時には、ダイビングデッキに群れるレモンシャークの大群に圧倒され、「え?ここからエントリーするの?」と正直、一瞬怯んだ。

20170310越智タイガー

エントリーするダイビングのバックデッキにはレモンシャークが群がっている

もともと、あまりサメは好きではなかった。
イルカやクジラの撮影をしていると、素潜り中たまに、サメに遭遇することがあり、そんな時に、同じように、怯んだりしないようにしたいという思いから、このサメのクルーズを経験してみようと思ったことを、この時に少し後悔したのだった。
オーバーウェイトぎみで装備を身につけ、エントリー。
海底へと着地すると、すぐに警戒して、360度を何度も見回した。
ノーケージで初めてタイガーシャークに遭遇し、カメラのポートにぶつかるくらいに接近された時も、心臓がバクバク言っていたのを今でも覚えている。

しかし、今ではそんな状況にも慣れた。
群れるレモンシャークたちは、餌を投げ込むとすぐに反応して群がるけれど、ダイバーがエントリーしても群がってくることはないことも、何度も経験して学び、安心してエントリーできるようになった。
タイガーがこちらに向かって泳いできても、どう対処すればいいか、わかるようになった。
それどころか、いまではタイガーに向かっていき、構図を考えて撮影するのが、当たり前にできるようになった。

20170310越智タイガー

タイガーシャークのフィーディングシーン。意外に奥ゆかしくて、あまり豪快に口を開いてはくれない

それは、何年も目前でサメたちに対峙してきたからに他ならない。
このクルーズに乗船してからは、素潜りで、イルカクジラを撮影しているときに、突然、タイガーシャークやグレートハンマーヘッドシャーク、オーシャニックホワイトチップシャークに遭遇しても、あまり驚かず、冷静に対応したり、逆に追いかけて撮影するのがかなり平気になった。

20170309越智タイガー

タイガーを回転させるフィーダー。経験と慣れが必要だ

とはいえ、やはり野生の生き物。
自分が経験してきた、彼らの行動からは予想外の動きをすることもある。
そのことは肝に命じて、今でも彼らに対峙するようにしている。
今回は、最高で7匹のタイガーシャークが同時に姿を見せた。

20170309越智タイガー

タイガーの他にも、レモンシャークやカリビアンリーフシャーク、ブルシャークがフィーダーに近寄ってくる。全部を裁くのは大変だ

2018年もタイガー&グレートハンマーシャーククルーズを開催します。
前回の記事で、募集していた2018年度のクルーズは、今のところ満席になっています。
キャンセル待ちか、2019年度の募集になります。

タイガー&グレートハンマーシャーククルーズ2018

日程:3月5日(月)日本発~3月16日(金)日本着の12日間。
(クルーズ乗船は、3月6日(火)~3月14日(水)の9日間)
現地費用は追ってご連絡します。
ご興味のある方はお問い合わせください。

このクルーズで見れるサメ達

タイガーシャーク2017 越智

タイガーシャーク(イタチザメ):このクルーズのメイン。北の横綱。多い時には、一度に10匹近くが姿を見せることもある。自分の過去最高は8匹。2017年は7匹が一度に姿を見せた

グレハン2017 越智

グレートハンマーヘッドシャーク(ヒラシュモクザメ):南の横綱。2017年からグレートハンマーヘッドシャークがぶつかるほど間近で見れるポイントでもダイビングすることになり、遭遇確率はほぼ100%に上がった。今回、一度に姿を見せた最高数は5匹

ブルシャーク2017 越智

ブルシャーク(オオメジロザメ):他の海では横綱クラスのサメだけど、タイガーとグレーとハンマーがメインなので、ここでは大関クラスといった感じ。しかし、ドラム缶の様な体高は迫力がある。タイガーやグレートハンマーほど寄ってこないが、多い時には、5〜6匹が周囲を徘徊している。去年まではタイガービーチでは全く見たことがなかったが、今年はかなり個体数が多かった。ハンマーヘッドのポイントでも見られる

レモンシャーク2017 越智

レモンシャーク(レモンザメ):タイガービーチに到着すると、船のバックデッキに群がってくるくらい個体数が多い。最初見た時は、「え、ここにエントリーするの?」と一瞬ビビるかもしれない。数の多さから考えると関脇クラス。タイガーが姿を見せない時には、砂地に止まっているレモンシャーク観察や撮影ができるので、暇になることはない。太平洋で見られるレモンザメとは若干違うため、区別して、ニシレモンザメと呼ばれる

カリビアンリーフシャーク2017 越智

カリビアンリーフシャーク(ペレスメジロザメ):こちらも、タイガービーチのフィッシュテールというポイントでは、多く見られる。日本では見ることができない。他のサメに比べて小型だが、流線型の美しい体型は、個人的にはこのクルーズで見れるサメの中で一番好きなので、目の前に近寄ってくるとつい撮影してしまう。レモンと並んで関脇クラスか

ナースシャーク2017 越智

ナースシャーク(コモリザメ):ドルフィンクルーズの時に、ミナミハンドウイルカが捕食しているところに、よくついて泳いでいるのを見かける。温厚なサメだが、餌に対する執着心は強い感じ。タイガービーチでの個体数は少ないが、ハンマーのポイントではかなりの個体数を見ることができる。オオテンジクザメに似てるが、ムナビレの形が違う。基本大西洋に分布するサメ。一応、小結クラス?

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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