水中写真家・茂野優太の「GO DIVE!~大瀬崎から世界の海まで~」(第3回)

まるで地球の中に潜っているような感覚!?沖縄・辺戸岬の水中鍾乳洞ダイビングは、ケタ違いの迫力!

沖縄本島の北部の“やんばる”と言われる手つかずの大自然が残るエリアに、辺戸岬(へどみさき)はあります。

この辺戸岬は沖縄本島最北端の岬として有名なだけではなく、日本では珍しい水中鍾乳洞があることから、ダイビングポイントとしても非常に有名なんです。

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こんな岩礁地帯をすり抜けて泳いだり……

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ライトを照らすとこんなに立派な鍾乳石があったり……

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こんなに大きいドームが洞窟内に広がっていたりするんです!!

もはや海の中に潜っているというよりは、地球の中に潜っているような感覚。
今まで経験したダイビングとはまったく違う体験です。

癒やされるようなリラックスしたダイビングでもなく、大物を探しにドキドキしながらエキサイティングするダイビングでもなく、マクロにねちっこく潜るダイビングでもない。

まるで未開の地に踏み込む冒険家のような気分。
フィンキックをするごとに、体が少しづつ前に進むごとに、どんどんと見たことない世界に引きずり込まれていくような――――。

この冒険家のような感覚は僕には新鮮で、初心の気持ちを思い出させてくれました。

「やっぱりダイビングって冒険なんだ」と。

改めまして、こんにちは。
水中写真家しげです!
今回は、そんなアドベンチャー感満載な辺戸岬のダイビングを紹介していきたいと思います!

沖縄最北端の辺戸岬へ!

辺戸岬へは那覇空港から高速道路を使って車で約2時間、沖縄北部の中心名護市内から車で1時間さらに北上したところにあります。

地図を見ると本当に、沖縄の1番北にあるのがわかります。
こんな場所にある岬は絶景でないはずがない。

そうなんですよ!
実は水中の鍾乳洞だけじゃなく、観光地としても訪れて大満足。

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僕はちょっと早起き?いや、かなり早起きをして、沖縄本島最北で見る朝日を楽しんできました。

これから、この海の先で潜るのかと思うとワクワクが止まりません。
辺戸岬の先は太平洋と東シナ海がぶつかるエリア!
一体、海の中はどんな景色になっているのでしょう。

まるで冒険家の気分!?水中鍾乳洞へ!

それでは実際に水中鍾乳洞がある「辺戸岬ドーム」で潜ってきた様子をご紹介していきます。

エントリーからエキジットまで一緒に冒険しているような気分を味わってもらえると、めちゃくちゃうれしいです!

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まずはエントリーから!
辺戸岬のダイビングはドリフトダイビングが基本になるので、岸壁沿いの流れが少ないくぼみのエリアでエントリーしたら、フリー潜降で海の中へ!

透明度がめちゃくちゃ高い。水深10mにいる人も水面からくっきり見えますね!

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少し泳ぐと洞窟の入り口へ。水深はおおよそ15mほどです。
入り口はかなり大きく、ドキドキしながら洞窟内部へ!

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おお!
まるでセノーテのような雰囲気!!

よくあるダイビングで潜る地形とは違い、つるつるした岩肌が広がっています。

ちなみに洞窟内部は岩盤を伝って真水が流れてきているため、非常に透明度が高いです。
泳いでいるというより浮いているような気分になれます。

少し進むと……

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どーーんと出てきました! 鍾乳石が!

まるで巨大な建造物かと思うくらの迫力があります。
洞窟内部はかなり暗いため、水中ライトを頼りに進んでいきます。

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ここで顔を上げるとエアホールがあり、水面に顔を出すことができます!

めちゃくちゃ広いし、鍾乳洞が見事です。

ご存じの方も多いと思いますが、鍾乳洞は石灰岩にできた洞窟。
雨水が地下に染み込んでいく際に石灰岩を溶食・侵食し、洞窟が形成されていきます。

「辺戸岬ドーム」は宜名真(ぎなま)海底鍾乳洞と呼ばれていて、今から約2万年ほど前に海中に沈んだんだとか。

洞窟の奥に火を使った形跡があったり、洞窟内部には今のところ「辺戸岬ドーム」内でしか発見されていないとされる、目の見えないコオロギがいたりするんです。

2万年って長すぎて全然想像がつきませんが、やっぱり自然は僕らの想像を超える尊いものなんでしょう。

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再び潜降して、さらに最奥部へ!

ここは地面から伸びる“逆さつらら”のような鍾乳石を見ることができます。

最奥部は地面に泥が堆積しているため、フィンキックは要注意ですね!
1回舞い上がってしまうと視界を失ってしまいます。気をつけていきましょう。

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さて、洞窟を満喫したら外へ向かいましょう!
なんだか久しぶりに光を見た気がします。

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ここまでくると、なんだか緊張しながら潜っていたんだな〜と改めて実感。

光があると、やっぱり安心しますね!
暗闇に慣れた目には、めちゃくちゃ眩しく感じるけど!笑

洞窟の入り口にいたハタンポがまるで星みたいにキラキラしていてキレイでした。

「辺戸岬ホール」は本当に圧巻の地形で、完全に冒険している気分!
エキジット後も興奮が冷めませんでした!笑

ただし、ドリフトダイビングができること、暗闇に不安を感じないこと、フィンキックで鍾乳洞を傷つけないこと、水底の泥地を巻き上げないことなど、さまざまなスキルが必要になります。

中性浮力がしっかり取れて地形ポイントやケーブダイビングの経験がある、中~上級者向けのポイントといえるでしょう。リクエストの際にはご注意を!

辺戸岬ドーム以外も魅力的!!

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「二神岩」というポイントのシンボルの水深30mからそびえ立つ根

辺戸岬でのダイビングと言ったら、有名なのは「辺戸岬ドーム」ですが、東シナ海と太平洋が混じり合う沖縄本島最北の海にはまだまだ特徴的なダイナミックな景色が広がっています!

例えば上の写真のポイントの「二神岩(ふたがみいわ)」は、ツインロックとも呼ばれ、水深30mからそびえ立つ2本の高い根があり、その周りをドリフトで流してダイビングをすることができます。

「二神岩」の大きな根に群れているカスミチョウチョウウオ

「二神岩」の大きな根に群れているカスミチョウチョウウオ

根の周りにはカスミチョウチョウウオやキンギョハナダイが群れていたりするので、地形ポイントによくある光のコントラストを活かした写真だけでなく、カラフルな景色を楽しむことができます!

個人的にはカスミチョウチョウウオがすごい近寄りやすくて良かった。

他にも「茅打バンタ(かやうちばんた)」というポイントでは、沖縄本島では珍しい、ウミトサカ系のソフトコーラルが群生しています。沖縄っぽくない雰囲気ですね。

「茅打バンタ」では、沖縄では珍しいソフトコーラルの群生が見られる

「茅打バンタ」では、沖縄では珍しいソフトコーラルの群生が見られる

やはり沖縄の最北端にあるポイントだけあって、海の中も少し雰囲気が違うのかな?

ちなみに「茅打バンタ」は、港からも近く海況も非常に安定しているため、チェックダイブやリフレッシュにも使えるポイントです。

いきなり難易度の高い地形ポイントではなく、1本普通のボートダイビングで潜ってから「辺戸岬ドーム」に行くコースも、安心できておすすめです。

このポイントはアケボノハゼが飽きるほどいたり、ハナゴンベの幼魚がいたりマクロもかなり楽しめます!

辺戸岬は地形だけじゃなく魚影やマクロも楽しめるため、ついつい何度も訪れたくなります。

過去にはジンベエザメやマンタが出たなど、大物との遭遇もあるそうで、取材に訪れた際もアカウミガメやニタリと出会いました。
何が起こるかわからない魅力も兼ね揃えていますね!

ぜひ、このドキドキとワクワク感。
冒険家になったような気分で辺戸岬の海を楽しんでみてくださいね!

■協力/名護市のダイビングショップ FEEL DIVE

茂野優太さんのプロフィール

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「まだ見たことない世界を見てみたい」をモットーにダイビングに関わることは、なんでもこなす。
学生時代にダイビングにハマり、銀行員に就職するもダイビングの魅力が忘れられず、ダイビングの世界に。

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辺戸岬に関しては茂野さんのブログでも詳しくご紹介されています。
ダイビングは冒険だ!沖縄最北・辺戸岬でダイナミックな水中鍾乳洞に潜る!

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