沖縄の原風景が広がる離島。伊平屋島のダイビングで見たサンゴは息をのむほど美しかった!
ありのままの自然が残る伊平屋島(いへやじま)。
沖縄県最北の有人島である伊平屋島は沖縄の離島でもかなりマイナー(!?)な島で、決してアクセスも良いとは言えません。
しかし、観光客が少ないからこそ、伊平屋島には沖縄の原風景とも言えるような手付かずの自然が残り、沖縄本来のゆるやかな時間の流れを感じることができます。
「ありのままの飾らない美しさ。」
そんな魅力に気づかせてくれた伊平屋島でのダイビングを、今回はご紹介します!
改めましてこんにちは。
水中写真家しげです。
伊平屋島には根を覆い尽くすようなサンゴ礁やそこに群がるスカシテンジクダイやキンメモドキ。
僕が思い描いた沖縄の海が広がっていました。
まるで沖縄の原風景のような!
僕が伊平屋島を訪れたのは2018年12月と少し前ですが、その手付かずの伊平屋島のサンゴ礁を見たときの感動は今でも忘れられず、今回連載をするにあたって伊平屋島はどうしても外せない海でした。
とにかく伊平屋島のサンゴがすごい!
伊平屋島のダイビングで1番感動したのは、見渡す限りに広がるサンゴ礁の海です。
しかも1種類のサンゴではなく、さまざまな種類のエダサンゴやテーブルサンゴなどが群生しているんですね。
このサンゴの密度めちゃくちゃすごくないですか??
伊平屋島は琉球大学のサンゴの研究者も訪れるそうで、あまりのサンゴの豊かさに「この島に住みたい」と本気で言う人もいるんだとか。
サンゴがめちゃくちゃキレイだったポイントは「ジュウマ」です。
ここは伊平屋島の南側で、野甫島(のほじま)という島との間に位置しています。
そのため、冬の北風が吹く時期でも潜れ、通年海況が安定しています。
ほかにもサンゴがきれいなポイントはたくさんあるんですが、僕が訪れた日は風が強く。このポイントしか潜れませんでした。
地形はというと水深8mくらいの砂地にトップが水深1mほどの大きな根があり、その根をビッシリとサンゴが埋め尽くしています。
決して魚の多いポイントではありませんが、伊平屋島に潜りに来たら、この「ジュウマ」のサンゴの群生は絶対に見て欲しいです!
人が入っていない分、サンゴがありのままの姿で美しく力強く生きています。
これぞ沖縄の原風景なのではないかと思うほど。
ちなみに半水面で撮ると、伊平屋島の1番南にある阿波岳(あはだけ)という山が写ります。
海とサンゴと山と空。
すべてを一緒に見ることのできる場所は、他にはあまりないんじゃないでしょうか?
すごく貴重な景色だと思います。
伊平屋島のリーフが発達し、白い砂地が広がり澄んだ青が広がる海は、なんだか慶良間諸島で潜っているような気分。
より、観光地化されていない慶良間諸島と言っても良いかもしれません。
良い意味でも悪い意味でも観光地として、施設が揃っていない伊平屋島。
だからこそ、ありのままの海を見たい方には伊平屋島でのダイビングは本当にオススメです。
伊平屋島のサンゴが豊かな理由
伊平屋島のサンゴが豊かな理由はさまざまあると言われています。
1番の理由としては、伊平屋島周辺は遠浅の海が続き、そもそもサンゴ礁が生息しやすい環境が多いこと。
伊是名島や野甫島、具志川島に囲まれているため、潮通しが良く常に新鮮な潮に入れ替わっていることが挙げられます。
また、沖縄でも北部にありサンゴの白化現象の影響を受けづらかったり、島には高い山もあるので風波を防げたり、人の入りも少ないのでサンゴが壊れることが少ないため、見事な群生になると言われています。
サンゴにはたくさんの生物が群れる
もちろん伊平屋島のダイビングは、サンゴだけではありません!
サンゴを囲うように、さまざまな生態系が広がっています。
「マジンブー」という人気の高い砂地系癒やしポイントでは、白く美しい砂地にキンギョハナダイが群れる根や写真のようにスカシテンジクダイやキンメモドキがぐちゃっと密集する根があります。
ちなみにこれでも魚影は少ないそう。
5〜7月の初夏の時期に魚影が濃くなり、根に入り切らないほどのスカシテンジクダイやキンメモドキが群れることもあるんだとか。
めちゃくちゃ見てみたい。
今からがベストシーズンですね。
ほかにも、伊平屋島ではアザハタまで見れちゃうんです!!
このポイントは水深24mにポツンとある根で5匹のアザハタが住み着いています。
水深が深いので水中は少し暗めですが、ライトを当てるとアザハタの赤がくっきり出てホントに美しい。
しかも、周りに群れるスカシテンジクダイがキラキラと星のようにキレイ!!
「ミーバイ食堂」に潜った最初は薄暗く地味な印象を持ちましたが、ストロボを焚いて写真を撮った瞬間、あまりのカラフルさに完全に虜になりました
沖縄でアザハタが見れるポイントは非常に貴重じゃないでしょうか?
昔は阿嘉島で見れていたようですが、最近はあまり沖縄でアザハタの話は聞きませんね。
漁師さんに見つからず、長生きしてほしいです!笑
沖縄の原風景が残る伊平屋島
伊平屋島は、すぐ近くに鹿児島県の与論島があり、沖縄最北の有人島です。
島民は約1300人で、観光客も年間で2万人弱だそうです。
慶良間諸島の座間味島が、年間10万人の観光客に対して、約1/5の人ほどしか訪れていません。
やはり知る人ぞ知る沖縄の離島なんですね。
そのため、村の中心も観光地といった雰囲気ではなく、決してすべてが揃っているわけではありません。
しかし日々忙しい都会では味わえない、何か大切なことが伊平屋島にある気がします。
非日常的な、のんびりと流れる島時間は心身ともにリラックスできます。
ダイビングだけでなく、伊平屋島を流れるありのままの空気感も一緒に味わってもらえればと思います。
ちなみに穏やかでのんびりした印象が残る伊平屋島ですが、超ビッグポイントもあるんです。
海況と潮回りが揃ったタイミングでしか行けない伝説のポイント「スーカブヤ」!
粟国島クラスでギンガメアジが群れ、イソマグロなど回遊魚も非常に多い。
まるで水族館の大水槽に迷い込んだような気分になるんだとか。
僕もまだ潜れていないのでノースアイランドさんにお借りした動画がコチラ!
ギンガメアジの群れがめちゃくちゃすごい!
この光景は絶対見てみたい!!
初夏がシーズンなようなので、ぜひチャンスがあればチャレンジしてください。
▼伊平屋島のお隣、伊是名島(いぜなじま)の記事もあわせてチェック!
茂野優太さんのプロフィール
「まだ見たことない世界を見てみたい」をモットーにダイビングに関わることは、なんでもこなす。
学生時代にダイビングにハマり、銀行員に就職するもダイビングの魅力が忘れられず、ダイビングの世界に。
伊平屋島に関しては茂野さんのブログでも詳しくご紹介されています。
【サンゴの楽園】伊平屋島ダイビングの魅力
水中写真家・茂野優太の「GO DIVE!~大瀬崎から世界の海まで~」(連載トップページへ)
- 大瀬崎から世界の海まで、どこへでも潜りに行きたい!注目の若手水中写真家・茂野優太さんの新連載がスタート
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