石垣島でどっぷりマクロ!ネイチャー石垣島DSの神ガイドで心ゆくまで水中撮影ダイビング
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こんにちは。
水中写真家の茂野です。
オーシャナにアップされる、海の取材記事に憧れていた僕……。
水中写真家の越智さんやモデルのルコさんのレポートに、いつも心を踊らせていました。
今回、まさに記事を読んでいたネイチャー石垣島さんに潜ってきました。
とはいっても正式な取材ではなく、ちょっと遊びにというかたち(笑)。
それでもうれしいもので、滞在した3日間はホントにあっという間でした。
憧れていたネイチャーのガイド・多羅尾さんと潜れるよろこびと、次から次へと出てくるカワイイ生物たちや素敵なシチュエーション。
完全に石垣島のマクロダイビングにハマってしまいました。
今回はマンタでもサンゴでもなく、マクロだけに絞って石垣島のダイビングの魅力をご紹介します!
モエギハゼが撮りたい!
僕が石垣島を訪れた11月末は北風が吹く冬のシーズン、夏のショップ前のエリアとは違い、北からの風裏になる名蔵湾でのダイビングになります。
この冬エリアで、僕が1番見たかったのがモエギハゼです。
モエギハゼといえば極端に深い水深にいるイメージですが、名蔵湾では水深34mくらいからいるとのこと。
モエギハゼの生息環境は泥地の砂が舞いやすいエリア、どうしても他のダイバーの方がいると遠慮して写真撮りづらい……
でも、ネイチャーさんなら大丈夫!
事前にブリーフィングで撮影する順番を決めます。
モエギハゼを見つけたらその順番通りに少し離れた位置にダイバーを誘導してくれるので周りを気にせずモエギハゼに熱中できます。
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ヒレを閉じてしまった状態のモエギハゼはちょっと地味
とは言え、30mを越える水深になるので時間との勝負。
せっかくならヒレ全開のモエギハゼを撮りたい。
最初は、なかなかヒレを開いてくれなかったのですが…
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なんとヒレ開いたっ!!
「もってるなぁ〜」なんて本当は言いたいのですが…
実は事前に、モエギハゼがヒレを開きやすいタイミングをブリーフィングで多羅尾さんに教えてもらっていたのです。
ダイビング前にこういった撮影のコツなんかを教えてもらえるとありがたいですよね。
モエギハゼのヒレが全開になりやすい状況やタイミングを知りたい方は、多羅尾さんのブリーフィングにしっかり耳を傾けておいて下さいね。
あくまで主役は撮影する人
今回、ネイチャーさんで水中写真を撮っていて1番感じたのは、あくまで主役はゲストであり、写真を撮っている人だということ。
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どうしても寄りきれず苦戦していたイチモンコバンハゼの幼魚
例えば…
僕がイチモンジコバンハゼの幼魚を撮っていて「どうも寄れないなー」と悩みながら粘っていると側に多羅尾さんが来てくれるんです。
「撮影のアプローチをしてくれるのかな?」
……と思ってたら何もしてくれない。
そのまま僕が何カットか写真を撮って顔をあげるとスレートに「あっちに同じサイズで撮りやすそうな子がいます。どうします?」と書いてあります。
ちょっと寄り切れなかったことに悔しさを感じていたので、そのまま多羅尾さんに教えてもらった子で撮影を再開すると、本当に撮りやすい子なんですよ!
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多羅尾さんに紹介してもらったイチモンジコバンハゼは本当に寄りやすかった。
俺の紹介するこれを撮れ!みたいな男気あふれる凄腕ガイドも好きですが、多羅尾さんみたいにゲストに選択させてくれるガイドもすごくいいなと思いました。
思えば、この石垣島での撮影は、いつも好きなだけ粘らせてくれて、ふと撮影が終わって顔をあげるとスレートに「コレとコレとコレがあります。どれがいいですか?」と書いて待ってくれていました。
クサビライシを背景に遊ぶのが楽しい!
背景がキレイな写真を撮りたいとお願いしたら、連れて行ってくださったポイントがコーラルブリッジというポイントでした。
ここは最大水深10m以内で楽しめる穏やかなポイントでクサビライシに乗ったイソハゼの写真が撮りやすいんです。
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クサビライシに乗るシロオビイソハゼ
このクラビライシのギザギザが美しい背景を作ってくれるんです。
個体によってクサビライシの色が違ったり微妙に雰囲気が違って、本当におもしろい!
お気に入りの背景をを決めたら、後はイソハゼが来るのを待ちます。
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せっかく良い場所に来てくれたと思ったら後ろ姿なことも
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イソハゼを待っていたら興味津々に近寄ってきたヒトスジギンポ
もちろん、イソハゼ以外にもベラの幼魚やギンポの仲間がフレームインしてくることがあります。
ちょっとぼかし過ぎた感じもありますが、この水中とは思えない色彩がすごく魅力的でした。
意外と紫色の背景って水中に少ないかもしれないですね。
ちなにみこのコーラルブリッジというポイントは昼間でもニシキテグリが見れるんです。
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水深8m前後のガレ場にいたニシキテグリ
このニシキテグリも10分くらい粘ってじっくり撮りました。
ファインダー越しに何度も見失ってしまいましたが、ガイドの祥子さんが付きっきりでニシキテグリの位置を教えてくれるので撮りやすかったです。
水中での移動もほとんどないため、1人撮り終わると次の人へというように順番で撮っていくことができます。
他のゲストの方がいても、ニシキテグリを心ゆくまで撮れました。
待っている間は、クサビライシで遊んだり、生えものを撮ったり、多羅尾さんの紹介してくれる生物を撮ったりと、とにかく楽しい!
実際潜っている時は順番待ちをしているという感覚すらなかったです。
生態写真にも挑戦
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エビにクリーニングしてもらっているユカタハタ
ミノカサゴ宮殿というポイントに潜ったのですが、ここは生態写真も狙えるといいます。
生態写真は、タイミングが命。
タイミングが合わないと撮れないため、待ちの時間がすごく長いイメージがありました。
なかなか短い滞在では挑戦しづらいのが事実…。
しかし、多羅尾さんによるとハタのクリーニングステーションが分かっているため、高確率でユカタハタのクリーニングなら撮れると教えてくれました。
運がいいとユカタハタだけではなく、クマドリという魚やタテスジハタのクリーニングも撮れるかもしれないということで、「それでは!」と挑戦してみると、簡単にユカタハタに出会えてしまいました。
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まるでユカタハタの歯を掃除しているようなクリーナーシュリンプ
ちょっとハングした暗がりに順々にユカタハタが入っていき、エビにクリーニングされています。
僕も最初の何カットかはピンがボケたり暗かったり失敗が続きましたが、何度もチャンスがあったのでなんとかものにすることが出来ました。
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クマドリがクリーニングされている様子は貴重
タテジマハタがクリーニングされている様子は観察できませんでしたが、クマドリのクリーニングは撮ることができました。
生態写真って普段撮らないから苦手意識があったけど…
生物の仕草が可愛かったり、駆け引きしている感じが楽しくてハマりそうです!
他にも素敵なシチュエーションがたくさん
ここじゃ紹介しきれないほどの素敵なシーンがたくさんありました。
今回は、その一部だけ紹介していきます。
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水深3mにいたヤイトギンポは目がキョロキョロかわいい
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黄色のイバラカンザシもピンクのサンゴの上にあると一味違う雰囲気に
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ヤミスズキの幼魚は地味だけど超レアだという。
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多羅尾さんのアシストがあったからこそ撮れたムラサキゼブラヤドカリ
他にもまだ体が透けているサイズのコバンハゼや極小のクビアカハゼ、クサイロモウミウシなどフォト派ダイバーなら夢中になること間違いないシチュエーションがたくさんありました。
石垣島というとマンタなどワイドのイメージがありますが、あえて石垣島でマクロという選択も“全然あり”だと思います。
いや、むしろ石垣島だからこそマクロ!
これからは、そんな気持ちで石垣島を見ることになりそうです。
今回お世話になったショップ:ネイチャー石垣島ダイビングサービス
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ネイチャー石垣島のオーナー多羅尾さんと一緒に潜ったゲストの方々
※ネイチャー石垣島で4年間ガイドを務められた大介さんは2019年11月末に退職されています。
茂野優太さんのプロフィール
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「まだ見たことない世界を見てみたい」をモットーにダイビングに関わることは、なんでもこなす。
学生時代にダイビングにハマり、銀行員に就職するもダイビングの魅力が忘れられず、ダイビングの世界に。
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