【プレゼントあり】ダイバーなら知っておきたい!「くらべてわかる海水魚」の見分け方
スキューバダイビングやシュノーケリング、磯遊びで出会った魚たちを見て、「なんという名前だろう?」と図鑑やネットで調べても、なかなか答えにたどり着けない……。そんな経験はありませんか?
「魚の分類なんて習ってないし、知識もないからしょうがない」とあきらめるのは早い! 魚の種名を突き止めるには、いくつか押さえておきたいポイントがあるのです。
今回はダイバーにもおなじみの“似たものどうし”を例に、魚を見分けるコツをご紹介します。
魚を見分ける5つのポイントに注目!
①全体的な体の形

スズメダイの仲間

ハゼの仲間

チョウチョウウオの仲間

カエルアンコウの仲間
種名を調べるうえで、体の形は重要な特徴となります。というのも、同じグループの魚は基本的に似たような体形をしているからです。
スズメダイの仲間はいわゆる「魚」らしい体形ですが、ハゼの仲間は少し長めで円筒形ですね。チョウチョウウオの仲間は真横から見ると丸っこいけれど、正面から見ると薄べったい。カエルアンコウは全体にずんぐりしています。
グループの見当がつけば、魚の名前はグッと突き止めやすくなります。図鑑などを参考に、主な魚グループの体形を把握しておきましょう。
②体色、模様

染め分け

水玉模様

縦縞

横縞
体形からどの魚グループなのか見当がついたら、次に色や模様に注目。全体の地色は青か暖色系か銀色か、目立つ模様や特徴的な模様はあるか。縞模様の魚なら、縦縞か横縞か※、あるいは斜めか? 線の太さもポイントです。
また、ボディだけではなく、ヒレの色や模様も見落とさないようにしましょう。
※魚類を含む動物の場合、体軸(または脊椎)と並行な方向を縦、垂直に交わる方向が横となります。簡単にいえば、「頭→尾のストライプが縦縞」「背→腹が横縞」です。
ただし、同じ種だからといってすべて同じ模様ではないこともあります。カラーバリエーション(色彩変異)がある魚もたくさんいます。
例えば、カエルアンコウ。個体ごとに黄や白、橙、黒、縞模様など様々なので、模様や体色は決め手になりません。そこで、模様以外の特徴を頼ることになります。カエルアンコウの場合はエスカ(疑似餌)の形状が独特なため、他のカエルアンコウの仲間と識別できます。
また、成長過程によって模様が変わる魚もいます。
例えば、スズメダイの仲間やキンチャクダイの仲間では、幼魚と成魚で模様が異なる種がたくさんいます。ベラの仲間やハナダイの仲間となると、幼魚と成魚だけではなく、オスとメスで模様が異なるのが普通です。


幼魚と成魚、オスとメスで模様が異なる種の場合は、図鑑などで少しずつ覚えていくしかありません。でも、見分けがつくようになるとコレがとっても楽しくなってきますよ。
③ヒレの形や模様など
魚には5種類のヒレがあります(背ビレ、胸ビレ、腹ビレ、尻ビレ、尾ビレ)。それぞれの形や位置、色や模様などは、魚のグループ分けや種を見極めるとき重要なポイントとなります。
例えば、ハゼの仲間やテンジクダイの仲間などは、背ビレが2つに分かれているという特徴があります(前から第1背ビレ、第2背ビレと呼びます)。ミノカサゴの仲間は大きくて美しい胸ビレをもち、カエルアンコウの胸ビレと腹ビレはまるで赤ちゃんの手のようです。
また、ヒレ以外にも口や眼がついている位置や大きさ、周囲の模様なども気に留めておくといいですね。
④目撃(撮影)した環境
同じハゼの仲間でも、種によって様々な環境に暮らしています。テッポウエビと共生するハゼは砂地の海底を好みますが、ガラスハゼの仲間は刺胞動物の上に着生するものが多いですし、キヌバリやチャガラは藻場の中層でよく見られます。まったく異なるでしょう?
どんな環境にいたかは、種を特定するうえで大変重要ということがわかります。
生息水深もポイントとなります。よく似たハタタテハゼとアケボノハゼは、前者は水深20mくらいまでで見られますが、後者は30m以深と深場に暮らしています。
また、目撃(撮影)地がどこであるかも大きなポイントとなります。例えば、フィリピンなどの西部太平洋の熱帯海域で見られるパープルクイーン(パープルビューティ)というハナダイは、沖縄で見られるハナゴイという種にそっくりです。撮影地を知らなければ、パープルクイーンをハナゴイと同定してしまうかもしれません。
写真や動画を撮る方は、撮影地もきちんと記録しておくことをおすすめします。
⑤体の大きさ
魚の大きさもヒントとなります。数cm程度の小魚なのか、20~30cmくらいか、あるいは50cmを越えるのか。大ざっぱでいいので、大きさも覚えておきましょう。
グループごとに見比べてみよう
では、実際にダイバーが名前を調べる際に迷いやすい、よく似た2種を比較して、識別ポイントを見てみましょう。
ハゼの仲間
ネジリンボウ

第1背ビレは三角形で、長く伸びるトゲはない
ヒレナガネジリンボウ

第1背ビレの前半から長く伸びるトゲがある
どちらも4本の斜めの横帯が特徴のハゼ。サンゴ礁の砂地に生息し、テッポウエビがつくった巣穴に共生しています。季節来遊魚として南日本でも見かけることがあります。大きさは5~8cm。
ミジンベニハゼ

眼の周囲に目立った模様がない。生息場所は砂地や砂泥底で、貝殻や空き缶などを巣穴にして産卵することが知られている
キイロサンゴハゼ

眼の周囲に2本の白線、眼の下に白い斑紋がある。枝状サンゴの隙間に隠れていることが多い
全身が一様に黄色で、パッと見ただけではどこが違うのかわかりませんが、生息環境が異なることと、眼の周囲の模様で区別できます。どちらも3cmほどの小型種で、日本では南日本から沖縄にかけて見られます。なお、眼の色は光の関係で変わるので決め手にはなりません。
チョウチョウウオの仲間
トゲチョウチョウウオ

背ビレの後端に黒い斑紋(眼状斑)があり、後端が糸状に伸びる
フウライチョウチョウウオ

眼状斑がない。体側後方、背中から尾ビレにかけて黒帯が目立つ
「人」という漢字にも見える、独特の縞模様でよく似たチョウチョウウオ。どちらも20cmほどになる比較的大きな種で、成魚は主にサンゴ礁に生息していますが、幼魚は季節来週魚として南日本でも見られます。
ウミヅキチョウチョウウオ

黒斑は白く縁取られ、斜めに入る白線が2本ある
イッテンチョウチョウウオ

黒斑の輪郭はやや不明瞭で、体側の腹部側は白っぽい
体側に大きくてよく目立つ黒斑があるチョウチョウウオ。いずれもサンゴ礁の普通種で、成魚は大きさ20cm前後になります。
キンチャクダイの仲間
タテジマキンチャクダイ(幼魚)

体側の後半にある楕円を中心に、同心円状に模様が入る。吻端から眼の間を通る白線がない
サザナミヤッコ(幼魚)

体側の模様はさざなみ状で中心となる楕円はない。また、吻端から眼の間を通る細い白線がある
どちらもサンゴ礁を代表するキンチャクダイの仲間です。成魚は40cmに達する大型種で、タテジマキンチャクダイは縦縞模様、サザナミヤッコは斑点模様なので違いは一目瞭然。でも、ご覧のように小さな幼魚のときは非常によく似ています。
スズメダイの仲間
ロクセンスズメダイ

尾ビレの上葉と下葉に黒帯があり、背中に黄色部分がない
オヤビッチャ

背中に明るい黄色の部分があり、尾ビレに黒帯はない
浅い岩礁やサンゴ礁に生息し、表層付近で群れているスズメダイの仲間。一緒に泳いでいることもあり、混同されやすい2種です。尾ビレの黒帯と背中の黄色い部分の有無が見分けるポイント。大きさ10~12cmほど。
ベラの仲間
アカササノハベラ(メス)

眼から後方に伸びる線が胸ビレに達する
ホシササノハベラ(メス)

眼から後方に伸びる線が胸ビレに達しない
この2種は日本沿岸で普通に見られるベラの仲間です。非常によく似ていて、以前は「ササノハベラ」という同じ種とされていましたが、現在はアカササノハベラとホシササノハベラの2種に分けられています。画像は2点ともメスですが、オスも同じ特徴で識別可能です。
ハナダイの仲間
キンギョハナダイ(メス)

一様に明るい暖色で、目立った模様は体にもヒレにも特にない。サクラダイよりややスマート。水深数mの浅場から見られる
サクラダイ(メス)

背ビレに黒点がひとつあり、糸状に伸びる長いトゲがある。キンギョハナダイよりやや体高が高い。水深20m以深に多い
どちらも伊豆半島などの岩礁でおなじみの普通種。オスの模様はそれぞれ独特で区別は簡単ですが、メス同士は体側に目立った模様がなくよく似ています。
ギンポの仲間
オウゴンニジギンポ

眼から斜めに伸びる黒帯がある
イナセギンポ

眼の周囲には特に模様はない
ギンポの仲間は海底や岩壁にいる種がよく知られていますが、中層を活発に泳ぐタイプも少なくありません。この2種はサンゴ礁で見られる遊泳種で、非常によく似ています。眼の周囲の模様の有無で見分けることができます。大きさ5~8cm
ミノカサゴの仲間
ミノカサゴ

尾ビレに目立った模様はない
ハナミノカサゴ

尾ビレに小さな黒点が散在し、側線に沿って小さな白点がある
ミノカサゴの仲間は、背ビレに毒棘があることで知られています。その中でもミノカサゴとハナミノカサゴは最もよく知られている普通種で、日本では南日本から琉球列島にかけて広く見られます。ハナミノカサゴのほうがやや熱帯系で、体色は赤や黒などの色彩変異があります。大きさはどちらも20cm前後。
ツバメウオの仲間
ツバメウオ

胸ビレの斜め下に明瞭な黒斑があり、口元は突き出ていない。潮通しのいい場所で群れをつくり、ときに数十尾となる
アカククリ

口元が突き出ていて、上くちびるの上が少しくぼんでいる。大きな群れはつくらず、単独か数尾でいることが多い
ツバメウオの仲間は互いによく似ているうえ、成長段階で体形が大きく変わり識別はなかなか困難です。日本では5種ほど生息しており、最もよく見られるツバメウオとアカククリは比較的見分けやすいほうです。口元と胸ビレ下の模様の有無で見分けられます。
グループを超えたソックリさん
同じグループ同士の魚が似ているのは当然ですが、分類上は異なるグループの魚でも酷似していることがあます。最後に、擬態と呼ばれる2つの例を紹介しましょう。
有毒魚のふりして安全確保
ノコギリハギ

背ビレと尻ビレの基底が長い
シマキンチャクフグ

背ビレと尻ビレの基底が短い
擬態にはいろいろなタイプがあり、有毒・有害な生物をモデルとする場合をベイツ型擬態といいます。よく知られているのは、有毒のシマキンチャクフグにそっくりなカワハギ科のノコギリハギでしょう。よく似ていますが、フグ科とカワハギ科という科の特徴の違いで識別できます。
掃除魚のふりしてつまみ食い
ニセクロスジギンポ

口は腹側にある
ホンソメワケベラ

口は吻端にある
クリーナーと呼ばれる魚やエビは、他の魚の体表についた寄生虫やケガで剥がれかけた皮膚などを食べて取り除きます。クリーナーにも対象の魚にもお互いにメリットがあり、両者は共生関係にあります。
クリーナーの代表はホンソメワケベラ。独特の模様と、跳び跳ねるような泳ぎ方で「私はホンソメワケベラ、クリーニングさせて。食べないでね」とアピールしています。
そのホンソメワケベラに擬態する魚は何種類かいますが、最も有名なのはニセクロスジギンポ。ホンソメワケベラのふりをして魚に近づき、相手が油断したところで健康な体表をかじり取って食べてしまいます。
このように、魚の名前を突き止めるには「似た種どうしで、どこが違うかよく見比べてみること」がポイントになります。さらに詳しく、「くらべてわかる海水魚の見分け方」を知りたいという方は、こちらの書籍をぜひ読んでみてくださいね。
堀口カメラマンが撮影した約550種の海水魚を掲載!
日本近海に生息する海水魚のなかから、主にダイバーが出会う機会の多い約550種を厳選して掲載。「チョウチョウウオの仲間」「ハナダイの仲間」といった分類をベースに、よく似た種を隣り合って並べて、見分けるポイントを解説。どこが違うのかが一目でわかる。また、本書はスズキ目が再編成された新たな分類に即した初の図鑑。「あの魚はどこの目に入っているの?」という点にも注目!

見分けるポイントが引き出し線で入っているからわかりやすい

ジンベエザメをはじめ、サメやエイの仲間も掲載
『くらべてわかる海水魚』
写真:堀⼝和重/監修:本村浩之
文:山崎陽子・山本晴美・山本真紀
定価:2,750円(税込)
発売日:2026年7月7日
仕様:B5判:144ページ オールカラー
発行所:株式会社山と溪谷社
詳しくはこちら⇒https://www.yamakei.co.jp/products/2826063790.html
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【応募方法】
下記のメールアドレスに指定の件名で、メールをお送りください。
応募期限は、8月31日(月)まで。当選者には、メールにてご連絡いたします。
発送は9月中旬予定です。
※1週間以内に送り先等の情報についてご返信がない場合は、無効といたします
■応募先メールアドレス:info@oceana.ne.jp
■件名:オーシャナプレゼント 「くらべてわかる海水魚」
■本文に以下を記載:①当選時のご連絡先メールアドレス ②氏名 ③お住まいの都道府県名 ④堀口和重カメラマンへのメッセージ(※あればで結構です)


