海の紅葉、アメイジング・イソギンチャク! 奄美大島北部でありえないほど美しい色を放つイソギンチャクに出会った
水温の高騰で、サンゴが白化してしまったという話は耳にしたことがあるダイバーも多いと思いますが、イソギンチャクも例外ではありません。
今年の5月の石垣島取材の際に、白化したイソギンチャクがきれいだというレポートをしたのですが、今回の奄美大島のきれい具合いといったら、類を見ないと言っても過言ではないほどの美しさ。
同行の越智カメラマンも、いままでこんなの見たことないとテンションが上がるほど。
こんな色のイソギンチャクあるの!?と思わず目を疑う配色です。
先述の通り、これらは白化が原因で起こる現象なので、手放しに喜んでいいものなのか、という視点はもちろん、現地ガイドにも取材チームにもあるわけですが、これもすべて自然の摂理、仕方ありません。
ここでは、素直に美しい、きれいと言いたいと思います。
と、本来であれば、「奄美のイソギンチャク超きれいでした! クマノミの赤ちゃんもいてかわいかったです、ちゃんちゃん」となるわけですが、奄美大島北部にダイビングショップネバーランドを構えるオーナーの古田直基さん(愛称:ちょっくん)の手にかかれば、白化したイソギンチャクの見え方も一味違います。
そう、なんといっても、スレートの言葉選びが「超メルヘン!」(笑)
現在、奄美大島では数か所こういったイソギンチャクを観察できるのですが、1ダイブで複数のイソギンチャクに出会え、フォト派にもオススメしたいのが、「山本SP」と「ハナゴイ」というポイント。
エントリー前のブリーフィングでは、
「ここには、フルーツ色のイソギンチャクたちがいるんですが……。
1.ぶどう色
2.メロンソーダ
3.ホワイトソーダ(カルピスでもOK)
です。どれからいきます?」と、にこにこしながらうれしそうにスレートに書くちょっくん。
「イソギンチャクが白化していて、それにきれいな色がついているのを撮影できますよ」と言われれば、「あ、ではそれを撮影に行きましょうか」となるのですが、「フルーツイソギンチャク」と書かれると、「え、何それ(笑)」、と冒険心がそそられます。
水中でも、ブリーフィング時に“メロンソーダ色”と紹介していたイソギンチャクは、「あ~やっぱりメロンソーダちゃうかな~」と書き、「9月は彩月っていうこともあるから、彩月の色ってよんでる。ロマンチストやからオレ(写真参照)」と続けるちょっくん。
え、メロンソーダとかクリームソーダとか……そもそもフルーツ色はどこいっちゃったんですか?(笑)
「スレートに魚の名前書くのって意味ないと思うねん、
だってそれって、図鑑見てるのと同じやから」
スレートに書く言葉は、基本的にはその時その時で思いついたものを書くといい、今回の取材時も忘れられない文言がいくつも飛び出しました。
「見てココ、松たか子もびっくりの透明感。ニシキフウライウオ」
「妖怪クジャクババア」(カサゴの説明)
「雪山に咲く、母親の病気が治る花を魔女から取りに来た兄弟」(アカスジウミタケハゼの説明)
「白い家に赤いネイルやで、エロい」(カンザシヤドカリの説明)
……思い起こせばメルヘンだけでなかったようです。
エロメルっか!? エロメロか!? 夏メロかっ!(笑)
「スレートに魚の名前書くのって意味ないと思うねん、だってそれって、図鑑みてるのと同じやから」と真面目な一面も垣間見られ、ますます一緒に潜って豊富な引き出しの中身を見たくなるのでした。
海の紅葉・フルーツイソギンチャクを
撮影するなら、11月中旬まで!
ここ2年間くらいは8月の初旬ごろからフルーツ色に変化するという奄美大島のイソギンチャク。
昨年までは久米島で、現在はネバーランドで活躍するガイドの田中伸さんによれば、近年ではこの時期、石垣島や宮古島でも見られ、さらには久米島でも同じくここ2年くらいはこのように色が変わっていたらしいですが、奄美大島北部の色変わり方と量はほかの地域とは比べ物にならないといいます。
「昨年、今年と夏の水温は31度まで上がりました。水温の上昇が影響してイソギンチャクが白化して、それが戻る段階でこの色になっていると考えられますが、はっきりとなぜこんなにきれいな発色になるのかはわからない」とちょっくん。
陸上の紅葉も、暖かい気温から一気に冷えると色が深まりますが、そんな感じなのかな~と船上ではイソギンチャク談義。
これらの美しいイソギンチャクとクマノミたちが撮影したいという方は、11月中旬までに急いで遊びにきてくださいね!
■Supported by 奄美大島ダイビングショップ ネバーランド
いつも遊び心を忘れない夢の場所、奄美大島ダイビングショップ ネバーランド。
名前の由来は、スタッフがずっといられるお店を作り、それによってお客様もずっと来てくれる、夢の国のような楽しい場所にしたいという意味が込められている。
オーナーの古田さんは20歳で奄美に降り立ち、4年前に独立。
現在常駐スタッフ6名、非常勤スタッフ2名の合計8名体制(合計ダイビングガイドは5名)奄美北部の海を案内している。
東シナ海はボート、太平洋はビーチで、東シナ海、太平洋、両方のポイントを使い分け、いろいろな表情の奄美の海を楽しく(メルヘンに?)ガイド中。
2017年12月から笠利町用に移転し、リニューアルオープンの予定。
【2017年11月末まで】
〒894-0412
鹿児島県大島郡龍郷町芦徳629番地
0997-56-1001
E-mail:info@amami-umikaze.net
【2017年12月以降】
〒894-0621
鹿児島県奄美市笠利町用1762-1
0997-56-1001
E-mail:info@amami-umikaze.net
エンジェルブルーの海・奄美大島北部を巡る、初めての旅(連載トップページへ)
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