ocean+αヘッドラインHEADLINE

白崎海洋公園の挑戦 ~中西剛史さんインタビュー~(第3回)

バディダイバーは1000人に届く勢い ~海況判断もダイバーの自己責任~閲覧無制限

カテゴリ:
オーシャナ・プロ
タグ:

nakamura_shirasaki3_1

事故のリスクをどう考える?

寺山

業界的なしがらみはまったく気にならなかったようですが(笑)、では、実際、バディダイビングを始めると決めてから、一番気になったことは何ですか?

中西

やっぱり、事故の懸念と起こった後の責任問題。
そこでまずはPADIに、「事故が起きたらどうなん?」というようなことを確認したところ、「あくまで、認定を受けたダイバーなんで、基本的に、バディダイビングをすること自体にかかわることの事故なら施設側に責任はない」という回答をもらいました。

寺山

まあ、Cカード講習の内容や認定の均質性が保たれていないって問題は一旦置いといて、“ちゃんと”Cカード講習を受けたってことが前提なら、その通りですよね。

中西

で、「よっしゃ! やろか」ってことになったので、次に、バディダイビングを受け入れている他の現地センターを調べたら、本数制限とかランク制限をしている。中には、自分のところで認めた人のみってところもあって、「その基準てなんなん?」って疑問に思ったので、PADIに聞きました。

寺山

PADIに聞くの好きですね(笑)。
ローカルルールですねって言われるだけですよね。

中西

そう。そもそも制限を出す根拠がない。逆に、判断する根拠を出したからには、それを示さないといけないわけで、だったら認定されたダイバーなら、みんな普通にバディダイビングやればええやんとなった。

寺山

そこは同感です。

ただ、制限する理由は、Cカードを取ったダイバーを信用していなくて、もっといえば、Cカード講習を信用していなくて、現実的に事故が起こらないようにするためだと思うんです。
それが、実は、逆に自分たちの首を絞めるわけですし、ダイバーにとっても、海によってばらばらの基準はわかりづらいんですけどね。

リスクヘッジという意味でも、判断はダイバー側に任せた方がいいわけですが、ここで2つの懸念があります。

まず、ポイントをクローズするかどうか、注意すべきかどうかの判断ってのは、受け入れ側の責任だと思いますか?

中西

潜る、潜らないの判断も含めて、その人の判断。極論をいえば、大荒れでも時化でも潜れるって言う人がいたらそれはその人の判断でいいと思います。

ですので、うちでは潜水許可の判断はしません。ただ、情報は伝えるべきなので、ポイントの海況情報を流したり、動画で客観的に伝えています。
もちろん、アドバイスを求められれば、厳しいときは厳しいとは言いますが、大丈夫ですとは言いません。

寺山

なるほど。完全な自己責任ってやつですね。

もうひとつの疑問というか、懸念としてよく言われることが、確かに、建前上は、ちゃんと認定されればバディダイビングできる人ってわけですが、その“ちゃんと”がちゃんとされていないってみんなわかっているわけですよね。

となると、スキルのやばいダイバーが来て、事故を起こすリスクが増える懸念。僕らがやっているBuddyDiveでは、その辺を明らかにするために、Cカードで取得すべきスキルができているかの自己申告を登録したり、保険の加入を条件にしたりしているんですけど、その辺、どう思いますか?

中西

そういう仕組みはとても大事で、だからこそ白崎海洋公園BuddyDiveに登録していますが、その前に、まず、明らかにやばいってダイバーは来たことがないですよ。

今のところ、バディダイビングを始める人は、すでにやっている人から誘われたりとか口コミが多いので、わけがわからない状況では来ないですよね。

むしろ、バディだけで潜れることすら知らないダイバーが多いですし、まずは認知、普及が大事やと思います。

それに、本音をいえば、ちゃんとCカード講習をしないってことが考えられないです。

寺山さんは、マレアを“超ダイビングショップ”って言いましたけど、マレアって、ショップではなく、スクールってことにプライドを持ってやっているんです。

だから、学科2日、プール2日、海洋2日は絶対にやっているんですよ。
基本、ファンダイビングも無い。
もっといえば、プールでなく、海での限定水域で大丈夫なん?って思いますし、1泊でCカード取得とかありえない。格安のCカードにおいては、「金を取らないことには理念がない」と思ってしまいます。

それに、ちゃんと時間を確保することもそうですが、講習生に「認定されたらバディダイビングをする」って意識を付けるだけで、全然違うんですけどね。それをやらないで囲いこんでいても、10年後、20年後、自分たちの未来がないんやけどね。

寺山

超興味深い話ですねー。今回はテーマがぶれちゃうのでこれ以上つっこまないですが、今度、ショップとスクールの違いを含めて、その辺の話もじっくり聞かせてください。ダイビングショップの中で勝ち抜いてきたヒントがありそうなので。

中西

どんどん聞いてください。うち、ノウハウとかまったく隠さないんで(笑)。

あとは、ショップ側の意識だけでなく、ダイバー側もトレーニングを続けていくことの重要性を知って欲しい。
安全あっての楽しみですからね。
そういう意味でも、スキルアップのためにプールもどんどん使ってほしいと思っています。

nakamura_shirasaki3_2

バディダイバーは増加中
普及するかどうかは“本気度”

寺山

話を戻して、バディダイビングは増えていますか?

中西

確実に増えています。
去年で延べ570人、今年で1000人が見えてきました。

BuddyDiveはどうですか?

寺山

登録数は増えていますが、まだまだですねー。

やっぱり、やる側の本気度だと思うんです。

西伊豆の黄金崎なんかは、春から始めて冬までに100人以上増えているんです。責任者が、中西さんと同じようなマインドで本気でやろうと思っていますからね。

様子見だと増えませんが、受け入れ側が本気で熱意とお金を投入すれば、増えることを実感しています。
口を開けて待っていればゲストが来るって時代ではないですし。

そういう意味では、今期は、BuddyDive全体としてもプロモーションをもっと本気でやるつもりですし、現地センターさんにももっと有効活用していただきたいと思っています。

(続く)
第4回
ダイバーを増やすには「まずは眠っているインストラクターの環境を整えてあげること」

(撮影/中村卓哉)

カテゴリ:
オーシャナ・プロ
タグ:

ページトップへ