海外は今どうなっているの?パラオ在住のダイビングガイドに聞いた!
「日本から4時間半の楽園」というキャッチフレーズをもつパラオ共和国。2019年の年間来訪者数は94,051人。そのうち日本人は19,742人(パラオ政府観光局調べ)と2割を占めたのは海の豊かさに加えて、距離の近さが関係していると推測する。
パラオ共和国とは
日本から南下した赤道にほぼ近いミクロネシア地域に位置している。
その大きさは488㎢ と屋久島とほぼ同じ面積。日本との時差はない。
パラオへの目的は世界複合遺産の海!
パラオには、2012年に登録された世界複合遺産「南ラグーンとロックアイランド」がある。この聞き慣れない複合遺産とは、文化遺産と自然遺産との両方の価値を持ち、その登録基準の条件を満たした世界遺産のことを指す。なお2021年現在で全世界の文化遺産は897件、自然遺産は218件、そして複合遺産は39件。つまりパラオは、世界でも数少ない世界複合遺産を保有していることになる。
ダイビングのメッカと呼ばれていたパラオも近年では、ダイビングを目的にした旅行者よりもそれ以外の旅行者の数が上回っていた。
パラオで屈指のダイビングガイドに聞きました!
今回インタビューをお願いしたのは、「より多くのダイバーとより大きな夢の共有」をモットーに、1994年にオープンしたダイビングサービス「DayDream Palau」のマネージャー秋野大氏(パラオ在住)。
パラオの“今”はどんな様子!?
「街はレストランなどが徐々に営業を再開していますが、以前に比べるとまだ夜の様子は暗いです…。観光客は、欧米と台湾からは来ていますが、それ以外の地域からはほぼゼロです」。
「パラオに運航している飛行機の本数が少ないので客数は多くありませんが、ワクチン接種が済んだ欧米の方たちがダイビングを目的に入ってきています。そのため、日系以外のダイビングショップは以前の生活に戻りつつあり、それを見て焦りを感じています」。
パラオの「海」は今!?
①ブルーコーナー
ブルーコーナーといえば、パラオで最も有名なダイビングポイント。
このポイントを説明するときには、腕を曲げて肘を突き出すのがポピュラー。腕の下はドロップオフ(深場まで落ちている場所)で、肘の角の部分がブルーコーナーにあたる。水中の岬のような場所だ。ここには、四方から強い潮が流れており、海流に乗ったプランクトンを餌にする小さな魚から、それを狙う大きな魚まで、食物連鎖で多くの魚が集まってくる。ギンガメの群れやサメなどに高確率で出会えるポイントである。ダイバーは肘の部分まで泳いでいき、そこからドロップオフ沿いの海を眺めて楽しむことができるのだ。
「相変わらず元気です。人が潜らなくなり海への影響が減ったのか、ソフトコーラルの復活の勢いが印象的です。またこれに依存する小魚、そしてそれを捕食する中型の魚の数が増えているように思います。食物連鎖の関係上、大型の魚が増えるのは順を追ってこの後かと期待をしています!ゲストが戻られるまでにどれだけパワーアップするか楽しみです」。
②オオカマスの群れポイント
「最近ウーロン島の近くでオオカマスの群れポイントを発見しました。パラオと言えばブラックフィンバラクーダが有名。オオカマスはどちらかというと数が少なくマイナーなバラクーダでしたが、このポイントはオオカマスだけで数千の群れをつくっています。今は遭遇率を上げる調査を続けていますのでお楽しみに!」。
現在の営業状況や営業再開のめど
「現在、島滞在でのデイトリップ(日帰りツアー)スタイルでの営業はしていません。再開は未定ですが、クルーズ船(龍馬)の運航を12月31日から予定しています」。
日本のみなさんへのメッセージ!
「龍馬は年末から営業を再開します!そのためにスタッフやクルーと一緒に船のメンテナンスや整備を行っています。またゲストの皆さんと一緒に潜れることを今から楽しみにしています。進化した龍馬を楽しみにしていてください」。
パラオに入国できるのか?
現在、入国が可能!
ただし、下記の条件を満たす必要がある。
今、日本からパラオに行くには(2021年10月11日現在)
実際に今パラオに行くにはどうしたらいいのか!必要な手続き情報をまとめた。
事前に取得し、航空会社へ提出
※取得手続きに関しては、厚生労働省の「海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書について(下部リンクあり)」にて最新情報を取得
日本を出発する72時間以内に発行されたPCR検査の陰性証明書(英文もしくは日英文)を航空会社へ提出
※詳しくは、在パラオ日本大使館「新型コロナウイルス感染症対策(パラオ出入国情報)」(下部リンクあり)」にて
※詳しくは、「水際対策に係る新たな措置について(下記リンクあり)」より。
※2021年10月11日現在の情報をもとに作成
新型コロナウイルス感染症対策は随時更新されるので、必ずご自身で関連サイトを閲覧し確認を。
ダイビングは海を楽しむもの。そして、海を案内してくれるガイドやそこで働くスタッフとの出会いや再会も、ダイビングの良き思い出になることがある。
今は訪れることが難しい海外のダイビングガイドから、
「楽しみにしていてください。」
といったメッセージが届いたならば、飛んでいきたい気持ちになるだろう。
今は近くて遠いパラオ。再び近くなる日をもう少しだけ待ちわびよう。
参考情報:
厚生労働省の「海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書について」
在パラオ日本大使館「新型コロナウイルス感染症対策(パラオ出入国情報)」
水際対策に係る新たな措置について