東京農大ダイビングクラブの小笠原合宿・前編 〜予約方法、24時間の船旅からダイビングスタイルまでまるっとお見せします〜
東京農業大学ダイビングクラブ(以下、農大ダイビングクラブ)の幹事で現役大学生ダイバーのみさっちゃんです。前回の記事「ダイビングサークルなのにガチ体育会系の部活なみにハード!? 東京農大ダイビングクラブの活動実体に迫る!」から2回目の登場となります!
今回、ご紹介するのは、今年3月小笠原諸島父島にておこなった2週間(2航海)(※)の東京農業大学ダイビングクラブの春合宿について! 誰しもが憧れる島、小笠原諸島。交通手段は片道24時間、6日に1便の「おがさわら丸」に乗船するほかありません。そんな秘境の島では陸でも海でもびっくりと感動の連続でした。この記事では、東京農大ダイビングクラブ流の小笠原に行くまでの過程と、到着してまだ数日しか経っていないのに満足してしまう圧巻の海の様子を学生目線でお届けします!
おがさわら丸は1度小笠原につくと3日間停泊してから竹芝に戻ります。これを1航海と呼び、次の便で帰ることを2航海と呼びます。食料や生活必需品は6日に1度のおがさわら丸のみに乗せて運ばれてくるので、島民たちは航海のサイクルを中心に生活しています。
今回は、2023年3月14日から3月26日の2航海滞在しました!
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2023年3月おがさわら丸時刻表
▶︎おがさわら丸の2024年時刻表はこちらから
目次
出発前の準備は船、宿、ダイビングサービスの予約から!
参加メンバーは、7名(新2年生:2名、新3年生:4名、新4年生:1名)(※)新4年生はこの時期すでにサークルを引退しているのですが、ダイビングとサークル愛が強いため部員と一緒に参加し、その参加率は120%!そんな小笠原合宿はまず、船の予約から始まります。農大ダイビングクラブが通常利用する船、宿、ダイビングサービスの予約の流れはこちら。
※3月なので現1年生はまだ入学していない時期です。
~おがさわら丸は2か月前の予約を推奨~
予約は電話で、出航日2か月前の受付開始時間から予約可能。このとき、受付開始時間に複数人で電話をかけることをおすすめします。なぜなら6日に1回の出航で乗船できる人数は限られているため、とくに夏休みや春休みはすぐに埋まってしまうからです。実際今回の予約は、電話が繋がるまでに30分かかりました。
▶他の予約方法はこちら(小笠原海運予約)から
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おがさわら丸(写真:小笠原海運)
~宿も早めの予約を!~
前半はヴィラシーサイド、後半は小笠原ユースホステルを予約しました。2航海滞在する場合、2航海目で予約が埋まっていると引っ越し(ホテル移動)が必要になる場合があるので早めの予約を推奨します。また、出航期間は食事が出ない宿がほとんどなので、2航海以上で訪れる場合は注意が必要です。スーパーや飲食店に行くのがおすすめです!
▶宿一覧はこちら(宿泊予約状況 – 小笠原村観光協会)から
~お世話になっているダイビングサービスはこちら~
51年もの歴史があり、毎度お世話になっている小笠原ダイビングセンター(小笠原父島)です。こちらはホームページから出航日の2か月半前に予約しました。
“しまぽ通貨“という東京11島をお得に旅できる「東京島パスポート」。10000円分のプレミアム付き宿泊旅行商品券を7000円で1人8枚までお買い求めいただけるサービスです。私たちはこれを小笠原ダイビングサービスや宿でフル活用し、24000円分お得になりました!
※残念ながら2023年度のしまぽ通貨は10月に売り切れになってしまいました。
▶詳しくは東京諸島へお得に行こう!電子しまぽ(しまぽ通貨)ホームページ
いよいよ、おがさわら丸に乗船!
竹芝ターミナルを午前11時に出航します。乗船前は小笠原村観光局公式キャラクターのおがじろうがお見送りしてくれました!船の見送りに来ている人も多く、ターミナル2階のテラスから「○○頑張れ!」と書かれた横断幕を掲げた人や見えなくなるまで手を振り続ける人などがおり、ちょっぴり感動しました。
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船上では学生7人で二等和室の大部屋に雑魚寝。カードゲームをしたり、お菓子を食べながら語り合ったり、隣の大部屋も別のダイビングサークルだったので話したり一緒にカードゲームをしたりしました!
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2等和室(写真:小笠原海運)
他の等級では、ホテルのようなお部屋もあります。
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特1等(写真:小笠原海運)
マットレスがあり、問題なく熟睡できました。揺れ:★☆☆☆☆
日によるそう。夜は揺れたので早めにシャワーに入り寝ることがお勧めです。ものすごく揺れる日もあればそこまで揺れない日もあるそうです。酔いやすい人は“絶対に”酔い止めを飲むことをおすすめします。酔い止めは竹芝ターミナル近くのコンビニに大量に売っているので安心。
快適さ:★★★★☆
シャワーもレストランもあり快適に過ごすことができました。もちろん電波は届かないのですが、八丈島通過時などに甲板に出ると繋がることがあります。
おがさわら丸レストラン父島▼
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レストランは品ぞろえが豊富。非常にボリューミーでおいしかったです。船が揺れる日にはレストランはガラガラになるのでお弁当で販売されることもあるそう。
ついに小笠原父島に上陸!~スキンダイビング~
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二見港
港に上陸すると、多くのダイビングショップや宿が出迎えてくれます。宿やショップまで車で送迎してくれるので安心。私たちは、宿・ヴィラシーサイドの女将さんに迎えに来ていただきました。小笠原に到着した初日からスキューバダイビングをする人もいますが、私たちは到着した日は女将さんおすすめの浜、宮之浜でスキンダイビングをしました!
スキンダイビングのはじめかた〜素潜りって?シュノーケリングって?スキンダイビングって?〜
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最初にスキンダイビングをするのは、久しぶりにダイビングをする人もいるので耳が抜けるか確認しに行くため。東京農大ダイビングクラブで鍛えられた根性で、レンタカーや自転車を借りず結構な山を越えて20分歩いて行きました。24時間の船旅直後にウエットスーツを腰まで穿いてマイウエイトを腰に巻き、フィン・マスク・ブーツ・カメラを持って汗だくで宮之浜に到着!みんな海に入りたくて仕方がありませんでした。汗を流しに飛び込んだ海、そこにはなんと“サンゴの森”が待ち構えていました!!
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父島・宮之浜
こんなの、見たことない…。皆最初は「すごい!やばい!」といった語彙力のない言葉を連呼していましたが、次第にそれぞれが言葉も無くしただひたすらに小笠原の海に夢中になっていきました。なんせこの透明度。だいたいみそ汁のような透明度の海で練習を行っている私たちは、この透明度だけでも感動ものでした。
しばらく潜っていると、水深5mほどのところに、なにやらかわいい魚を発見!
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ユウゼン幼魚(父島・宮之浜)
まさか!!八丈島や小笠原諸島など限られた場所にしか生息していない“ユウゼン”1匹10万するレアな魚の幼魚です!「え…。スキンダイビングで見られるの?!?!」と皆驚いていました。
1時間以上は潜ったし、そろそろ上がるか~とビーチに戻る途中に、なんと“ネムリブカ”(別名:ホワイトチップシャーク)が…。
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ネムリブカ(父島・宮之浜)
とても怖かったですが、好奇心で近づいてみました。すると素早い動きで去っていきました。まさかビーチでサメがみられるとは、なんてポテンシャルの高い島なのか!
宮之浜ビーチにて▼
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潜ったり、散策したり、デッキでゴロゴロしたりと島時間を過ごしていると時間はあっという間に過ぎ、2時間半も宮之浜を楽しみました。しかし、ビーチからこれだけのものがみられるとは・・・。こうして小笠原諸島父島に到着した日から身をもって小笠原のすごさを実感したのでした。そして皆耳がしっかり抜けたのを確認したので、翌日からはボートダイビング。どんな景色を見せてくれるのかワクワクでした。
待ちに待ったスキューバダイビング。群れ、群れ、群れ!
小笠原の海に入るとさまざまな群れが私たちを出迎えてくれました。水中で思わず「うわーーー!」と叫んでしまうほど。アカヒメジたちは、1つの大きな生き物のように一緒になって動いていました。
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アカヒメジの群れ
ツバメウオたちは水面近くで優雅に泳いでいたのでエントリー直後にパシャリ。
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ツバメウオの群れ
こっちに見向きもせずに食事をしているユウゼンたち!! の中にどさくさに紛れるキイロハギ。ユウゼン玉はあちこちにあり、近寄っても全然に逃げない!みんな食事に夢中です…。
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ユウゼン玉
アジアコショウダイ…。分厚い唇と黄色いアイシャドウのギョロ目でこちらを覗き、近づいてもなかなか逃げず岩陰にたくさん集まってじっとしていました。
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アジアコショウダイの群れ
なんとメジロザメも登場。一瞬でしたが大きくてびっくりしました!
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メジロザメ
水中カメラにワイドレンズを付けていないと収まりきらないほどのさまざまな群れがいました!伊豆半島ではなかなか見られないダイナミックなたくさんの魚たちを見ることができます。
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潜降の様子
ダイビングスタイルはすべて(※)ドリフトダイブです。本土でセルフダイビングが基本の私たちはドリフト経験が浅く、少し不安もありましたが問題なくダイビングできました。普段からの中性浮力やマスク脱着の練習と海に対する慣れは大切だと実感しました。流れが速いポイントもあれば海底全体がサンゴで覆われているポイントもあるので、小笠原でダイビングするならある程度の本数やスキルがないと難しいかもしれません。
※潮の流れに乗って移動するダイビング
3月の小笠原、ボート上は極寒なので注意!
3月の小笠原の海は、水温19℃から20℃ほどで私たちはウエットスーツ+フードベストでダイビングをしました。そんな中私はなんとウエットスーツのチャック全開で潜ってしまいました…。潜行前の器材チェックはしていたものの、ウエットスーツのチャックのチェックを忘れてしまっていたのです。最終チェックの大切さを身をもって実感しました。(ぶるぶる震えました)
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気温21℃ほどで移動中の強い風もあり、ものすごく寒かったのでボートコートは必須です。ボートコートを持っていない人ばかりだったためボートの二階で日向ぼっこしたり、体育会系の私たちは筋トレをしたりして温まりました。小笠原ダイビングセンターの船・韋駄天Ⅲは、広々としたサンデッキ、水洗トイレ、4人同時に使用できる油圧式ラダーが備えられているので船上でも快適に過ごすことができ、エントリーエキジットも簡単に行えます。
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小笠原ダイビングセンターの船・韋駄天Ⅲ
これでもまだ前編・・・果たして小笠原の魅力が語りきれるのか。
次回、小笠原中編をお楽しみに!
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