超ブランクダイバー復活体験談(第2回)

ついに海に来たぞ!潜る準備や器材のセッティングはできるのか!?超ブランクダイバー、復活への道(中編)

ブランクダイバー復活への道_タイトル

この物語は、14年ぶりのダイビングという戦いに挑んだ一人のダイバーの記録である……

↓前回の記事はこちら

いよいよ、14年ぶりのダイビングの日がやってきた。
文句なしの秋晴れ。最高気温26度。そんなさわやかな朝とは裏腹に、緊張で張りつめている私は、アラームの5分前に目が覚める(それじゃなくても早起きなのに……汗)。

7:34品川発の新幹線こだまに無事に乗り熱海まで。そこから伊豆急に乗り換えて、待ち合わせの伊東駅へ。伊豆急の車窓から海が見えると、ちょっとテンションが上がってきた!

これからこの大海原に潜るんですってよ私。遠くに見えるのは初島~

これからこの大海原に潜るんですってよ私。遠くに見えるのは初島~

とにかく不安を解消しよう!
信頼できるインストラクターとの出会い

この日、14年ぶりの私をサポートしてくれるのは、ダイビングサービスむらい
の村井智臣さん。昨年、むらいさちカメラマンたちと挑んだニシキフウライウオマン、富戸に現る!? 水中お絵かき対決を制した、スレートお絵かきとそのノリの良さに定評のあるガイドさんだ。

↓村井さん(左)とニシキフウライウオマン(右)
DSC_4758

一緒に潜るメンバーは、オーシャナ元編集長で現ダイビングマンの寺山くん、ブランク7年・雑誌時代のM先輩、そして私と村井さんの4人。相当なブランクダイバーが2名という、若干恐ろしいチーム編成……笑

この日の東伊豆は風があって少し波があるとのことで、西伊豆まで行くことになった。西伊豆までの約1時間半、車内で村井さんに思いのたけを吐き出す。

「14年ぶりなんです……正直怖いです……パニックになったらぁぁ……どうしたらいいですかぁぁ!!」

ブランクダイバー復活_イラスト5

すると村井さんが「そうかぁ、そうかぁ、うんうん」と、テンパる私の話を仏のような笑みを浮かべながらずっと聞いてくれる……(ちょっと引き気味……いや、そんなことはない!!)

そして、「この前も同じようなお客さんと潜ったよぉ! 出産や子育てで数年間ダイビングから離れちゃって、リフレッシュダイビングでさ。最初の5分くらいは緊張してたけど、感覚を取り戻したら全然問題なかったよ! だからきっと大丈夫だよ! 今日はとにかく無理せずのんびり行こう!!」と、ポジティブ全開の励まし……

むむむ、村井さーーーん!!!!

多くの初心者やブランクダイバーと潜ってきただけあって、私の不安な気持ちをものすごくよくわかってくれる気がする、いや、確実にわかっている!!

それからというもの、「水中寒いですか!? ラッシュガードしかなくて……」「確かレギュレーターって右側……でした……っけ……?」「ウエイト? 前何キロつけてたかなーえへへ」など、とにかく包み隠さず、私の今の疑問や不安を伝えた。
それにひとつひとつ、丁寧に回答してくれる村井さん。な、泣いてもいいですか……

私と村井さんが潜る前に確認したこと

・今までの経験本数やレベル
・水温と装備(寒くないか、インナーは何がいいかなど)
・器材セッティングの手順(説明を聞いて頭の中でシミュレーション)
・ウエイト量(以前は何キロつけていたか)
・過去、耳ぬきはどうだったか(問題なくできていたか)
・その他、不安なこと、怖いと思うことなど何でも!

こんな感じで道中ずっとコミュニケーションを取っていたら、徐々に緊張もほぐれてきた。あれやこれや思い出したり、すっかり忘れてしまったことを再び教えてもらったりしたのも大きい。
そしてついに、海に到着した。

ブランクダイバーの最初の難関…
セッティングって、どうやるんだっけ!?

ベタなぎの黄金崎ビーチと、元気いっぱいの村井さん

ベタなぎの黄金崎ビーチと、元気いっぱいの村井さん

黄金崎ダイブセンターに着いた。黄金崎ビーチはまるでプールみたいなベタなぎ。
Cカード講習などもそうだが、少しでも波があるとストレスになり、恐怖心が増してしまう。確かに、穏やか~~な海を見て、ほっと胸をなでおろす。
がんばって西伊豆まで来てよかった!

着替えを済ませると、村井さんが「ウエット、苦しくない? 苦しいのもストレスだから遠慮なく言って!」とすかさず声をかけてくれる。
そう、とにかく余計なストレスを排除すること。ブランクさんや初心者のみならず、ダイバーはみなこれがとても大事よね、うんうん。

そして今回の最初の難関である、器材のセッティングに取り掛かる。
隠さずに堂々と言おう、「セッティング、ぜ~~~んぶ忘れちゃいましたー!!」

ブランクダイバー復活_6

車の中でシミュレーションしたものの、実践してみたらタンクのどの向きにBCを装着していいのかもわからない。
えっと、レギュがこっちだから、あれ、この向きでいいの? このタイプのBCはここから給気と排気か……。え、バルブって全開にしてちょっと戻すんだっけ? なんかそんなルールがあった気がするぞ! と、こんな始末……。

でも仕方ない、だって14年ぶりなんですもの……。
今回の目標は「楽しく安全に潜ること」。
だから焦らない。できなくてもかっこつけない。自分にそう言い聞かせる。

次からは一人でセッティングできるようにお勉強します! 今日のところは何卒……泣
村井さんがここでも手取り足取りサポートしてくれた。

ブランク7年の先輩も、手元が怪しいっすよ……

ブランク7年の先輩も、手元が怪しいっすよ……

そしてブリーフィング。これから潜るポイント「黄金崎ビーチ」の地形、水深、エントリー・エキジットの仕方、今日のコース取り、残圧がいくつになったら上がるかなどを確認する。

細かく丁寧なブリーフィングで、ドキドキがおさまってきた!

細かく丁寧なブリーフィングで、ドキドキがおさまってきた!

最初は足がつく場所で、顔をつけたり、レギュレーターで呼吸をしてみたりと、少し練習することになった。
その後も1本目は最大水深10mくらいの場所で、様子を見ながらのんびり潜ろう、緊張でエアの消費が早いかもしれないからこまめにチェックしよう、などと確認し合う。

「なんだか、潜れそうな気がしてきたぞ……」

不安や疑問がひとつずつ解消されていったのと、穏やかで気持ちよさそうな海を見ていたら、あんなに不安だった気持ちもどこへやら。

次はいよいよ(やっと?笑)海へ。無事、潜降できるかなぁぁぁ!!??

(後編へ続く!)
Special Thanks ダイビングサービスむらい&Office Divingman
イラスト/中園 愛衣

↓以前ブランクから復活したJUNさんの記事もぜひ参考に!

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

超ブランクダイバー復活体験談(連載トップページへ)

  1. 最終ダイビングから10年以上!!超ブランクダイバー、復活への道(前編)
  2. ついに海に来たぞ!潜る準備や器材のセッティングはできるのか!?超ブランクダイバー、復活への道(中編)
  3. 14年ぶりでも楽しくダイビングできました!!超ブランクダイバー、復活への道(後編)
writer
PROFILE
大学を卒業後、ダイビング雑誌の会社に入社。
雑誌編集を数年経験後、IT企業でメディア制作、妊娠・出産系ウェブサイトの広告編集などを担当。
現在はフリーの編集者・ウェブディレクター・校正者・ライターとして働く。
校正技能検定中級。2児の母。
<おもな制作物(ウェブマガジン)>
▶土肥 恋人岬沖を潜る
▶沖縄のシークレットアイランド 阿嘉島
▶奄美大島・龍郷~命を紡ぐ海~
  • twitter
FOLLOW